表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/46

22話 マークスの策略


リュナを突き刺したかと思われたそのとき。



カキ―――ンッ



気付けば短剣は弾き飛んでいた。


「おっ・・・お前は!!どうして・・・!?」

「やはり、貴様がマークスか」


フリードは剣を鞘に収める。


「リュナ、大丈夫だった?」

「・・・皆さんっ!!」


フリードの後にアリシェ、レオンが駆けつけた。


「あたしたちが睡眠薬の入った水を飲んだとでも思った!?」

「飲んでたから、俺が起こしたぞ!」

「俺はお前に飲まされた。」


昨夜水を持ってきたのはマークスだった。

眠っていた2人を、先程帰ってきたレオンが起こしたという。


「マークスさんが、どうしてそんな・・・」


リュナはマークスを見つめる。

とてもそんなことをする人には思えなかったらしい。


「リュナ。どうしてマークスがお前をこの村に置いたかわかるか?」


フリードはマークスを睨みながら、リュナに聞く。


「何でって、それは――― 」


幼くして一人ぼっちのリュナを可哀想だと思って、家族の一員としてこの村に置いてくれた。

この理由が思い浮かんだ。

だが現実は、そんな甘いものではなかった。


「お前が儀式の生贄に適任だったからだ。」

「・・・えっ?」


フリードのその言葉に、驚いたのはリュナだけではなかった。

村人たちも、そしてアリシェやレオンも初耳だった。


「どういうことだ!?」


村人たちはマークスに問い詰めた。

だが、彼は口を開こうとしない。

その代わりに、フリードが答えた。


「おそらく、マークスはいつ頃桜が枯れ始めるか知っていたのだろう。そして、儀式を行うためには若い娘の血が必要だった。だが、この村にはそれに適する者はいなかった。」

「つまり、桜が枯れる頃は、この村には若い娘がいないってこと?」


アリシェは問う。


「あぁ、そしてどこからかやって来た幼い女の子、リュナを拾ったんだ。この子なら、若い娘として生贄にすることができる。そう思って、この村に置いたんだろう。そうだろ?」


マークスは歯を食いしばった。


「・・・鋭い推測力じゃな。」

「マークスさん、これは本当なの?」


心のどこかで嘘なんじゃないかという気持ちがあった。

優しいマークスさんが、そんなことをするはずがないと。


「あぁ、そうじゃ。そこの若者が言った通りじゃ。」

「・・・そんな・・・」


リュナは、ショックのあまり膝を落とした。


「マークスを捕えろっ!!」


そう言って、村人たちは縄を持ちだし、マークスの両手を縛った。

マークスは抵抗せず、それを受け入れた。


「その手に持っている宝玉を渡せ。」


フリードが手を差し出すが、マークスはリュナを見つめてこう言った。


「最後の願いだ、リュナに渡したいんじゃ。」

「いや、何が起こるかわからん。それは聞けない。」


願いを断ると、リュナは立ちあがってマークスに近づいた。


「待ってください、私が受け取ります。」


フリードの隣に立ち、リュナが手を差し出した。

あんな酷いことをされても、願いを受け入れる優しいリュナ。


「ありがとう、リュナ。」


そう言って、宝玉をリュナの手のひらに落とした。

無言でそれを受け取った。


このあと、死が訪れるとも知らずに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ