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13話 謎の剣士 フリード


ローブ男はアリシェめがけて走ると、大きく剣を振りかざした。


「死ねぇ!!」


恐怖で身動きの取れないアリシェは、剣を剣で受けようとしたが、力の差にアリシェの剣は弾き飛ばされた。


「くっ・・・」

「アリシェっ!!」


ヴァイルに囲まれ助けに行けないウェストは、ただ見てることしかできなかった。

弾かれた剣を取りに行かなきゃと思い、走ってそれを取りに行く。

だがそれは、ローブ男がアリシェの目の前に立ったことで叶わなくなった。


「これで終いだっ!!」


剣を持たないアリシェに、男は容赦なく斬りかかった。

でも、絶対に負けるわけにはいかないアリシェは、そこで諦めなかった。

両手で剣を押さえようとする。

そう、アリシェはやったことのない真剣白刃取りを行おうとしていた。


アリシェの頭上に、剣を振り下ろそうとしたとき、アリシェは怖さに目をつぶってしまった。

死も覚悟したアリシェが剣を押さえようとしたそのとき。




カキ―――――ンッ




金属と金属の衝突音が鳴り響いた。


「―――えっ?」


鳴るはずのない剣と剣のぶつかり合った音に、思わず目を開けたアリシェ。

見知らぬ男が、ローブ男と剣を交えている。


「誰だ貴様っ!!」

「怪我、してないか?」


ローブ男の問いを無視した、優しい声音が聞こえた。

それはアリシェに向けられてるものだった。

予想もしなかった展開に驚きながらも、「大丈夫」と答えた。


ローブ男の剣を軽々押し返すと、その反動でローブ男はよろめいた。


「クッ、邪魔をするなっ!!」


剣を地面に刺し、何やら唱え始めた。


「ヴォォ・・・ヴォォ!!」


すると2人を囲んでいたヴァイルは、男めがけて一斉に襲いかかった。


「あっ、ヴァイルが!!」

「任せろ」


アリシェを背に庇うと、男はヴァイルに立ち向かった。

天女が舞っているかのごとく、美しく見事な剣舞で、1匹1匹を確実に仕留めていく。

最後の1匹も血を流し、倒れた。


「次は貴様の番だな」


ローブ男に剣を向ける。


「くそっ、覚えてろ!!次は息の根を止めてやる!!」


移動魔法を唱えたのだろう、この場から一瞬で姿を消した。

フン、と鼻で笑うと、剣を鞘に収めた。

この男は一体誰なのだろう。

蒼い瞳に灰色のクールショートヘア、身丈は高く、襟を立たせ胸元まで開いた長袖の黒シャツ、黒いズボンに革靴を履き、腰に長剣を携えている。


「ミアノ、起きてくれ。ミアノ!!」


ウェストはミアノを揺すり起こそうとする。

その声に我に返ったアリシェは、ミアノに駆け寄った。


「ミアノ、ミアノっ!!」


その声に気がついたのか、瞼がかすかに動いた。

そしてゆっくりと目を開く。


「・・・・あれ?あたし・・・あ!!あいつらは!?あいつらはどうなったの!?」


目を覚ました途端すぐに体を起こし、ローブ男とヴァイルの姿を探した。

ヴァイルは5匹とも、毒々しい紫色の血を流して倒れている。


「アリシェ、あなたが・・・?」

「あの人が、やっつけてくれたんだ」


そう言うと、ウェストは男に向かって頭を下げる。


「本当にありがとうございました。お名前は?」

「・・・フリード」


何の感情も持たないような声に、アリシェは疑問を抱いた。

先程の優しい声は確かにフリードから発したものだと思っていたが、違うのだろうか。


「倒してくれて、ありがとう。・・・でも、父さん、母さんはもう・・・」


ローブ男の言う通りなら、こんな行動に出なければ、父さんと母さんは死ななかったのかもしれない。

父さんと母さんを死なせない方法があったのかもしれない。


「ごめん、あたしが家族を助けようなんて言ったから・・・」

「ううん、アリシェのせいじゃないわ。あたしのせいよ」


どうすればよかったのか、このことを後悔しているミアノは涙を流した。


「ミアノ、これ――― 」


そんな様子を見て、ウェストはお骨の入った小さな瓶を渡した。


「ひっく・・・・これは、何・・・?」

「ミアノの両親のお骨だよ」


「・・・ふぇ?」

「ウェストが拾い集めたんだよ」


ミアノはそれを受け取り、じぃっと見つめた。


「父さん、母さん・・・・うわああああああん!!!」


声を上げながら泣き、そして、大切に抱きしめた。

その姿を見て、フリードは目を伏せ、ミアノに背を向けた。

大切な人を求める泣き姿を直視できなかった。


「・・・おそらく、ウーパスとなった両親を成仏させるのは、お前にしかできない。」


ウーパスって何だろうと思ったが、聞ける雰囲気ではないのでアリシェは黙っていた。

フリードはそう言うと、ミアノの首飾りに目をやった。


「その宝玉を通して、声が聞こえるはずだ」


その言葉に一番驚いたのはアリシェだった。


「えっ!?それって宝玉なの!!?」


和人に会うために必要な宝玉が、まさかミアノの首飾りにあったとは思いもしなかった。


「触れてみろ」

「・・・うん」


鼻をすすりながら、ミアノは宝玉に触れた。

すると、宝玉は光り出し、辺り一面を白い光で包んだ。


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