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08 アスウェルの物語
アスウェル・フューザーは復讐者である。
彼は、闇組織に、両親を殺され、妹を攫われた。
そんな彼は、様々な人の手を借りて、闇組織の情報を調べた。
拠点を潰し、仇を殺し、妹を助けるために。
しかし、その旅路は険しく、ハッピーエンドとはいかない。
彼は、妹の亡骸を目撃し、敵のすべてを打倒したかわりに、自らの命を失った。
彼はそれで満足だった。
何も残されていないと思い、生きる意味を見出せなかったからだ。
しかし、それは彼の勘違いだった。
闇組織から救い出された者達が、彼を活かそうと努力した。
ほんの少しでも幸せになってほしいとそう思いながら。
そんな彼らの思いが奇跡を起こした。
アスウェルはループし、何年かの時間を巻き戻っていたのだ。
再び過去に戻った彼は、自分の身に起こった事に戸惑った。
巻き戻った地点は、どうしても家族の命は戻らない時間だったからだ。
彼はどうやって生きれば分からない。
だから、また復讐の道に進むしかなかった。




