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12 毒姫の物語
イント・ディールとは隔離された世界。
ニエ=ファンデ。
そこに封印された女性がいる。
彼女の名前は毒姫。
生きているだけで周囲を毒で侵す存在だ。
そんな彼女は、ネビュラという存在に取りつかれていた。
堕ちた存在となった彼女は、心を壊し、ただ世界を毒で侵すだけの存在となり果てている。
しかしそれでも、彼女はずっと、わずかな心の力で、イント・ディールに毒の被害が及ばないようにしていた。
最愛の娘が不幸になるまでは。
神威システムの元となった力で、娘の危機を察知した毒姫は、冷静ではいられなくなった。
その影響で、ニエ=ファンデから毒はもれだし、イント・ディールの世界を壊していく。
世界崩壊のカウントダウンは始まっている。
人々が安全に暮らせる世界など、どこにもなくなっていく。
それでもそうはならなくとも、イント・ディールの中の国の一つ。
帝国という国は、兵器の暴走によって、すでに消滅していたのだった。




