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2. バスケ部入部──憧れの人と同じ場所に
「バスケ部に入ります!」
入学してすぐに入部届を出した。もともとバスケは大好きだったし、中学でも続けるつもりだった。でも、じゅきや先輩の存在が、それをもっと確かなものにした。
初めての練習は思っていたよりもずっとハードだった。ダッシュ、フットワーク、基礎練習……息が切れる。でも、不思議と苦しくはなかった。むしろ、楽しかった。
「お、新入生か?」
練習が終わった後、汗を拭きながらじゅきや先輩が私に声をかけた。
「はい! よろしくお願いします!」
「名前は?」
「椛って言います!」
「俺は、じゅきや」
近くで見る先輩は、想像していた以上にかっこよかった。
「バスケ、好きなの?」
「めっちゃ好きです!」
そう答えると、先輩は嬉しそうに笑った。
「いいね! そういうやつ、俺は好きだよ」
胸がドキンと跳ねた。
──ずっとこの場所にいたい。
──もっと先輩と話したい。
そんな想いが、少しずつ膨らんでいった。
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