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1. 出会い──恋の始まり
春の風が校庭を吹き抜け、桜の花びらが舞う中、私は中学校に入学した。新しい生活、新しい出会い、新しい環境に胸を弾ませながら、私は体育館へ向かった。
そこでは、バスケットボール部の先輩たちが練習をしていた。ボールの弾む音、シューズが床を擦る音、仲間同士の掛け声──そのすべてが、私の心を高鳴らせる。
そして、その中心にいたのがじゅきや先輩だった。
「……かっこいい」
思わず口にしてしまいそうになる。彼は他の誰よりも楽しそうに、そして真剣にバスケットボールを操っていた。ドリブルのリズム、シュートのフォーム、味方との連携……すべてが美しかった。
特に、ゴール下でボールを受けた瞬間の鋭い動きと、それに続く完璧なシュート。彼のプレーに一瞬で心を奪われた。
──この人と一緒にバスケがしたい。
それが、私がバスケ部に入部する決定打となった。
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