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結果論でいいから

今回は、死神としてちょっと変ったミッションを受けた。

朽網あずささんの案件だったが、小さくなった彼女は(運転を始めることなど)どうしようもないから、私が手伝う他ならなかった。

死なせてはいけないVIPを守る案件だ。

この経緯から、「モンテネグロ、192番目の国連加盟国に」という大きい見出しで半分顔を隠した私は、不審極まりないけれど、ある男を尾行している。


ショッピングモールのスターバックスに、ターゲットがラップトップの画面に頭を抱えて悩んでいる。商品開発を宣伝するスライドショーとかであろう。冴えない庶民的な若い男性が恵まれるには訳がある。それは、ある神の末っ子だったようで、人間界に体験してきた姿でこの世に生きているからそうだ。

彼の酔っぱらってバイパス道路の真ん中に寝そべて、死に近かったときに、爆音バイクに起こされたもそうで、エスカレーターに靴が挟まれでもすぐに後ろの方が緊急停止ボタンを押したのもそうだ。

けど彼は自分がついてないと思っている。

得しているのに、損をしたふりをして見せがっている彼を嫌になる。

だが朽網あずささんに回された案件だし、弟子としてうまく済ませたいところだ。

慢心を戒め。彼の飲んだに毒が入ってこないだろう…ルーフの芸術的なライトが急に崩れ落ちないだろう…突発的な出来事に対する危機意識を持たずにはいけない…っと、モールの中に面している側がなんの異常もなかった。ほっとしたと思ったら、広場に面ているドアが開けられ、マスク着用して青いポリタンクを持つ人が店に入ってきた。青いポリタンクでマイカップ割引を狙うのか?違う。待って、ポリタンクの持った人が直接彼と話しながら、着火ライターをあげた。


席を外した私は相席のおばさんにいやみなで見られた。本を読む場合じゃないのよ。おばさん。私は最も近い消火器を探し始めた。と店を歩き回る途端、見守る男が狂い笑いだして、ラップトップを膝で折った。まるでゴッサム・シティの出来事のように、男が着火ライターをつけた。もう消火器が間に合わないと判断した。そして、すぐにカウンターに飛び込み、店員さんの驚きいぶかる目線を浴びながら、ミキサーのカップを取って水をくんで、男に水をかける。

店内にいる人はこの時初めて男の異常を気づいたのか、ようやく叫び声とせわしげな足音が聞こえてきた。だが、1人も手伝ってくれなかった。


私は、カウンターの蛇口と男の間に何往復して、床が濡れたのとと共に、私の体も土偶のように溶けつつあった。でも、男が死ななくて良かったじゃない。惜しかったのは、ポリタンクの持つマスク着用した人が誰かわからないままのことだった。

倒れたとき、天吊りされたテレビにニュースが流れていた。ある殺害事件で、1人の被害者の遺体が発見されたことだ。被害者の資料写真をよく見たら、誰かと似た気分が…でも私じゃないだろう。

っとふたたび目が覚めたら、自分が軽バンの中に横たわていて、隣に朽網あずささんが私の体周りにキューブ状の発泡スチロールが敷かれた。

「その男は死ななかったのよね?」

朽網あずささんが嘆いて、レシートを私に見せて説教し始めた。ショート?グランデ?さっぱりわからない。

でも、大きさがちょっと戻った死神が苦労してハンドルを持ちながらペダルを踏もうとしている姿を横たわて見続きたかった。

あ、駐車場の買上げ無料時間まであと2分だようだ。頑張ってください。

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