チート冒険者マキ・マサハル!
異世界に来て、チート能力に目覚めた真木雅晴は、森を越えて村を見つける。
しかし、その村はなにかおかしい...
さあ、村に着いた。でも近くでよく見ると、門は崩壊していて、家一つ一つ焦げあとや穴が空いていたり腐ってたりとボロボロじゃないか。
本当にこの村、大丈夫かな?人いるかな?色々と疑問に思うことはあるが、とりあえず入ろうと、村におじゃまする。
すると、つんつんと血の匂いが吹く風に溶けていることに気づいた。僕はすぐに鼻を抑えながら隙間から匂い、匂いの元を探る。
その匂いはこの村全体からのようだ。
人の気配もする。この気配はあそこの、オークの木かは分からないけど、それっぽい木の丸太になんかの動物の毛皮を被せた家ぽい所からだ。
あそこに沢山の怪我人がいる気がする。
僕はその家へ向かい、中を覗く。
それは地獄のような光景だった。病院のように人が寝かされているが、一人一人が今にも死にそうな死にかけ体だったからだ。
僕は顔を隠して覗いていると、中で看病をしている人に見つかり
「ま、ま、魔獣じゃぁぁぁあ!」
看病をしていた人はまるで夏休みの宿題が締切に迫ってきた時の僕のような顔をして叫んできた。
あ、これ比喩表現になってないな。
というか、言葉伝わるじゃん。チート能力のおかげなのかな?僕からも話しかけてみよう。
「すみません。僕、人間なんですけど、たまたまこの村を見つけまして、お邪魔してます。」
優しく、怖がらせないように、自分の顔をめいっぱい利用してにっこりと喋りかけてみた。
するとその看病していた人はすぐに安心したのか
「冒険者ですか?回復魔法は使えますか?この村を救ってください!」
と言い、新幹線並みの速さで僕に縋り付いてきた。
状況は理解した。この村は魔獣とやらに襲われていて、助けが来ないまま、村人達は死にかけていた。ということだ。
さらに、村長さんはもう亡くなっていて、副村長も昨日亡くなったらしい。
村の戦士だけじゃ魔獣に対抗できず、困っているということだね。
これは救ってあげるしかないじゃないか。
「分かりました。僕がその魔獣を倒してあげましょう!それと、怪我人の治療もします!」
胸を張って力強く宣言した後、僕はその魔獣の情報を聞いた。
その情報を聞いて、僕は大きなため息を吐く。
狼熊という、村のすぐ近くの森に潜んでいる魔獣のことらしいが、これって、さっき村に来る途中の森で倒したやつじゃない!?
気づいてしまった。ならばそのことを話し、怪我人の治療をするだけじゃないか。
次の日、僕は村人全員の治療を終え、さらにはチート回復魔法を使って、この村を元通りにしてあげた。
それはそれは大変感謝された。通貨のような金銀と光るメダルを沢山貰らい、武器なんかも貰った。
宴を開かれた。僕のために沢山の豪華な料理を振る舞ってくれて、村全体が料理の匂いで埋めつくされた。酒を提供されたが、僕はまだ未成年なので断り、楽しい踊りも踊って、その夜は遊び散らかした。
宴の途中、酔っ払った村の人からいろいろ聞き出せたことなんだが、この世界は大陸が四つあり、それぞれアルファ大陸、ペリカナ大陸、ドリリシア大陸、魔界大陸と言い、アルファ大陸は今僕がいる所で、魔物や魔獣が多く発生し、人間も多くいる大陸。ペリカナ大陸は、ほとんど魔物や魔獣は発生しなく、人間だけの大陸。ドリリシア大陸は人間が少なく、ほとんどが魔物や魔獣の大陸。
そして、魔界大陸。それは、とても恐ろしくて、誰も立ち入ったことが無い大陸らしい。だから、細かいことは聞けなかったが、魔族や悪魔、魔王がいる大陸らしい。
これはこれは、またまたThe異世界ですなぁ。
楽しみになってきますなぁ...
という感じで、この世界についてよく知れた。それと、近くの国で冒険者ギルドに行きたいと言うと、ベルシアス王国に行くといい。とオススメされた。
明日にでも出発しよう。
さらに次の日、僕は村を出た。あっという間だった。お世話になったな二日間...僕が救ってあげたんだけどね。
魔獣は既に倒してましたと言う時はどう伝えればいいか悩んだなぁ...
と、思い振り返りながら歩いていく。
だんだんと村は小さく、薄く、見えなくなってくる。最後に村に手を振って少しづつ早く歩き出す。
教えられた方向に教えられた道で、歩いていると、無事ビル三階建てくらいの高さの大きな門が見えてきた。
多分、これがベルシアス王国だろう。
門には兵隊が警備をしていて、入国者がずらずらと並んでいた。僕もその列に混じり、並んでいると、兵隊の人に
「君、入国書または冒険者カードあるかい?」
腕を組んで首を傾げて訊かれた。
少し待ってくださいね。とだけ言って、頭の中で考え始める。
入国書ってなんだ?冒険者カード?
僕は今着ていた服のポケットを全部調べて、ズボンのポケットまで全部調べた。
すると、小さな箱の形をしたブロック体がでてきて、それを握りしめるとポンッと音を立てて、箱型ブロックが膨らんだ。
頭の中でなんじゃこりゃ!?と叫びつつ、中を調べる。その中には怪しい剣を包むような布と、知らないカードが入ってあった。
僕の後ろはとても並んでいたので、とりあえず急いでその知らないカードを出してみた。
なんと、それで通れた。
「にゅうこーく」
多分これが入国書か冒険者カードということかな?
そういえば、この世界に転生していろいろ貰ったな。またあの声だけ天使か?チート能力の次はなんだこれ、膨らむ箱のブロックと、カードに剣?よく調べてみるとこの剣、村で貰った剣より丈夫で強そうな見た目してるぞ。
まさかこれもチート級武器だったりして...?調べる価値はある。武器屋でも探して見てもらおうか。
それより、まずは冒険者ギルドに行こう。このカードが冒険者カードなのかを知りたいし、それより、僕は冒険者になっているのか、知りたかった。冒険者なら、冒険者らしく冒険したいもんな。異世界に来たらすること、それは冒険! だもんなぁ。
カードを調べて見てみても、ランクっぽいものは書いてなかったし、自分の名前がカタカナで書いてあってあとは魔法陣みたいなのが刻まれているだけだった。
これがもし、冒険者カードだとしたら、この魔法陣を読み込んでその冒険者の情報が見れる。という仕組みになっているのだろうか?
入国書だとしたら、この魔法陣を読み込めば入国出来る?という仕組みなのか?
まずは冒険者ギルドで見てもらおう。
僕はおでこに手を当てて、天を仰ぐようにギルドと刻まれたオークようなの木の看板のビル五階建ての建物を見上げた。
これか!と頭の中で喜びつつ、カランカランとドアベルを鳴らしながらギルドに入る。
異世界あるあるなんだが、ギルドは恐ろしい顔をしたおっさん達がわいわいと騒いでいた。
僕が入ると、今度は笑いが発生する。どうせ僕のことをからかっているだけだろう。
ほうら、「ガキはおうちに帰りな!」とか「まだ十何歳かそこら辺だろぉ?ここは危ないからほらっしっしっ」などと、僕をからかう言葉がこの部屋全体を埋め尽くす。
僕はそんなの無視して入ってすぐ右に定員らしき人がいたので、その人に話しかけた。
これはこれは美人ですこと...おっと、見とれていてはダメだ。
早くここから出たいので、さっきのカードを見せて、調べてもらった。
結果。これは冒険者カードで、魔法陣を読み取ることが出来るらしい。
じゃあ、お願いします。と、早速調べてもらった。
魔法陣を読み取った瞬間、彼女の様子がおかしくなった。そして
「え、Sランク勇者級ぅ!?」
彼女はわいわいと騒いでいた他の冒険者達の賑わいをかき消すような大声をあげた。
すると、ギルドは急に静まり、僕に視線が集まる。「嘘だろ...」という声が聞こえたり、「俺でもAランクだぞ...」という声が聞こえたりした。
ほほう、ランクも元からチート級ですか...どうせ異世界に来たならコツコツとランク上げとかしてみたかったのにな...
落ち込んだ僕を励ましている訳では無いかもしれないが、他の冒険者達が
「お前! すんげえ強いんだな! 俺とやらねえか?」
という誘いが多発した。あ、これは面倒くさいやつだ。とすぐに気づいた僕は箱型ブロックの中に入っていた剣をどこで調べてもらえるかだけ聞いてそそくさとギルドを出ていった。
ふぅ...とため息一つしてさささーっとギルドから離れていく。
依頼とか見れなかったけど、まあいいか。このカードは冒険者カードで、僕はSランク勇者級冒険者だと分かったんだし。噂になるに違いないだろうけど。
剣のことだけ調べたら、さっさと冒険に出よう。
武器屋にて、剣を調べてもらう。武器屋の人はジロジロと念入りに念入りに調べていた。たまにハンマーで打ち付けたり、素振りをしたり、何時間か調べられた。
見ていても暇なので、その間僕は近くにあった服屋を見ていた。
そこには、数々の美しい服やかっこいい服が並んでおり、服一つ一つ、オーラに包まれているような感じがした。
少し見ていると、サロペットのワンピースを着た金髪の美しい女性を見つけた。異世界なら、美女や美少女なんかどこにでもいるかもしれないけど、その人は違った。誰よりもオーラがあって魅力的だった。僕はその女性にみとれていた。
その女性が僕に気づいたのか
「なんでしょう?さっきから私をジロジロと見て?」
少し怒りをまじらせながら僕に問いかけてきたので、僕はハッとした。
「す、すみません。あなたがとても魅力的だったのでつい」
魅力的を口実にして、この場を去ろうとしたが
「あなた、もしかして、Sランク勇者級冒険者ののマキ・マサハル!?」
いやいや、どうやって気づいたんだよ?この国の噂の広がり方凄いな。インターネットとかないだろうにどうやったらこんなにも早く噂が広がるのやら。
「はい」
とだけ言って答えてあげたが
「マジ!?じゃあ私とパーティ組もうよ!」
彼女は僕の手を握手で握りつぶすようにしてお願いしてきた。
握力何!?恐ろしいなこの人! てか、異世界に「マジ」とかあるのかよ! この世界のギャルさんですね、この人。
かなり驚いたが、すぐに落ち着き、よーく考えてみた。美女とパーティを組んで冒険だぞ。どれほど幸せか考えてみろ。と自分に言い聞かせた後、すぐにギルドに戻る準備をした。
「さあ、行きましょう」
少し頬を赤らめて、自信に溢れた顔でそう言う。
「早く早く!」
彼女も急かしてきたので、瞬間的にパーティ登録してギルドを出た。ギルドでの出来事はあまり語りたくないので、これだけにしておこう。
さて、異世界で新たに仲間が加わった。
自己紹介してもおっか...
「私はシェル・エルフォード、シェルって呼んでね。で、私はBランク魔法使いで、風と氷魔法が得意!」
あ、彼女は僕のランク目当てだった。いや、分かっていたがな。Bランクで、風と氷かよ!僕は五属性使えるし、全部威力最強だぞ!
守ってくだちゃい!とでも言いたいのか!?
はぁあ...僕ってこれからこんなことばっかりなのかな...また少し落ち込みつつ、そろそろ剣も調べ終わった頃だろうから、武器屋に戻る。
戻るなり、武器屋の僕の剣を調べてくれていた人が目をギンギンに開いてこう言った。
「お前さん、この武器Sランクだよ」
声は落ち着いてはいるが頭の中は落ち着いてないんだろうな。顔に出ているし。
ダイヤモンドやカブトムシを見つめる子供みたいに興奮していた彼は僕に渡ししてこう言った。
「いいもの見たよ。お礼にこれを受け取ってくれ。」
その、「これ」とは、まさにお・か・ね!だった。ま、そうなりますよねーいらないすよ。
「ほら、受け取れって」
強引に僕の手に擦り付けてきたので、仕方なく受けとった。数えてみると、金のメダルが三枚、銀のメダルが十枚。これ結構大金じゃないの?と思いつつ
「ありがとうございます」
とお礼を言って受け取っといた。後でシェルに計算してもらおう。
これ以上武器屋にいるとまた誰かが噂を聞きつけてやっくるだろうから、さっさと出ていき、そこで外がもう夜なのに気づいた。
真っ暗な夜空を見上げて、キラキラと光る星を数える。
元の世界とは比べ物にならないほど、沢山の星が活き活きと光り輝いており、僕はそれを少し眺めていた。
建物は綺麗に磨かれた鏡のような窓がオレンジ色に光っていて、そこから賑やかな音が聞こえてくる。
今夜はここで泊まっていくつもりだったから、シェルに宿屋へ案内してもらい、同じ部屋で夜を過ごした。
別に変なことはしてないからな!!!
ベッドの位置も結構離して寝たからな!シェルが寝ている間に胸を少し揉んたりなんかしてないからな!
次の日、僕は大きな旅の準備をして剣をしまい、宿屋を出た。シェルは荷物が少なく、杖と服とお弁当だけを持っていた。
全部ショルダーバッグに詰め込んで
「準備万端!」
と、自信満々にそう言った。
本当にそれだけで大丈夫か?一応心配した僕は寝袋や料理用ナイフなどを近くの店で買っておき、荷物にしまっておいた。
荷物入れ。それは、あの膨らむ箱型ブロック!である!...それと、一応無くしたら困るので、小さなバッグを用意して、その中にしまっておいた。
さあ、準備完了。冒険へ出発だ!!!
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