弱体化じゃなくて封印された
どんどん力が抜けていく。体を起こすことも出来ない。
シェルかメリナか分からないけど、なにか僕に言っているようだ。
しかし、それも聞こえない。もう体の感覚もなくなってきた。力が出ない。
何もできない。
視界が真っ暗になっていく。
なんで、なんで?
謎の遺跡調査に来ただけじゃないか。怪しいとは思ったが、まさかこんなことになるなんて。
「これは罠だよ」
僕の視界が暗くなっていく途中、誰かにそう言われた。透き通ったような、男の声だ。
あぁ………もう、だめだ………
それから数週間後。
「あれ、ここは?」
僕は確か遺跡調査をしていて………それから、どうなったんだっけ?
覚えていないな。
て、ここはどこだ?
石のレンガの壁に石のレンガの天井、古くさくて、そこら中にに苔が生えている。そして、所々に壁に松明がかけられている。薄暗い。
松明の火はその周りしか照らしてくれないから、あまり意味がないんだ。
それと、体が縛られてる?というか、動けない。
縛られてはないな、普通に動けないんだ。
でシェルとメリナはどうなったんだ?
僕は二人を呼ぼうと声を出そうとしたが、かすれ声すらも出なかった。
しかも、息をしていない?感覚もないな。
すると、コツコツと部屋の奥から足音が聞こえてきた。
なんだろう?誰が来るんだ?まさか、シェルとメリナは無事だったのか?
助けてくれ! 助けてくれ! 僕は頭のなかでそう叫んだ。
「おはよう、起きたかい?」
これは、聞き覚えのある声だ。シェルでもメリナでもない。
僕はじっとそいつを睨んだ。
黒いスーツで全身を包んでいる。
怪しいな。
「はは、そんな顔するなよ…俺、覚えてないか?」
言われてみれば…なんかやっぱり聞き覚えのある声なんだよな。
「分からないか。そうか、そうか、悲しいなぁ」
その男はやれやれといつ顔で言った。
なんだこいつ…
「まぁ、教えてやるよ。俺は…」
僕はさらにその男を睨んだ。
「ディーモだよ」
僕はそれを聞いて驚いた。
は?え?あいつは僕が殺したはずじゃあ?てか、ディーモにしては口調が荒いぞ?
まさか、復活とかあるのか?いや、まぁあるか。よくあるよなそういうこと、異世界って。
だいたい異世界のルールとして、こういうときは自分が覚醒しちゃって、脱出して……って感じだよな?
そうだ
(創造神様……?)
あれ?いやいや、まさか
(助けてくれー! どうすればいいんだー!)
………。
あれあれ?まさか、まさかな。
「ふはは、驚いたな?そうだよ、全部話してやる。俺は、お前に殺されたあと、すぐに復活したのさ。誰にもばれないようにな。それから、俺はお前へのリベンジを誓った。お前のことはずっと見ていた! そして、お前が旅をしている間にこの遺跡を作り、誰も受けないような調査依頼を出し、お前が食いつくまで待っていたのさ!」
それを聞いて僕はハッとした。全てが分かった。そういうことだったのか。
さらにディーモは話を続けた。
「まぁ、途中獄竜復活とか、厄介なことになったが、お前が一瞬で片付けてくれて助かったぜ…」
こいつ本当にディーモか?かなり性格も話し方も変わったような…そんなんどうでもいいか。
というか、リベンジって、なんでこんなことする必要があるんだ?
と思っていると、それに答えてくれるかのように
「で、リベンジと言ったろ?誓ったは誓ったんだが、お前が強すぎて無理だと確信した。だから、こうしてお前の力を封印したのさ!!!」
ふ、封印…?
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