そういえば
ついに第三章です!
楽しんで読んでください!
祭が終わり一週間が経ったころ、僕はバーリオンについて考えていた。
明らかに日本人が考えたようなメニューばかり。そしてあの建物自体も。
マサハルはまだ他にも異世界人がいるのだと確信した。
最近はのんびりしていたから、シェルとメリナも暇、暇、暇。という感じだから僕は二人をおいてバーリオンへと向かった。
その建物をまた見上げた。やはり、元の世界で何度も見た造りだ。
鉄筋骨組みにガラス張り。どう考えてもビル。
「よし、行くか」と僕は独り言をぶつぶつ喋りながらまた一階の一般人エリアに入る。「いらっしゃいませ」という店員さんたちの優しい声が僕を包み込む。
そして、席を選ばずに店員さんに話しかけた。
「すみません。上の階まで行きたいのですが」
「はい。では、あちらのエレベーターからどうぞ」
その言葉を聞いてまた驚いた。てか、すんなり上に行かせてくれるのか。
エレベーター、やはり日本だ。てか、そのまますぎる。
そのエレベーターとは、予想通りエレベーターだった。
上ボタンがあって、そこを押せば扉が開き、階を設定することで上に上がる。
とりあえず、僕は二階に行ってみた。
そこもまた一般人エリアだった。
そこから五階くらいまで同じだった。
六階で変わった。貴族エリアだ。しかし、まだ開店したばっかりだからか誰もいない。
入っていいのかな?と戸惑いながらも足を踏み入れる。
ここの店員にでも訊いてみるか。
貴族エリアの席を見回しながら豪華だなと思う。
「すみません。少し訊きたいことがありまして」
貴族エリアの店員もやっぱり変わっていた。とてもピシリと姿勢がよく、顔もしっかりしていて、服装もかなり高そうな黒スーツ。
この人も結構金持ちか?と思ったけど、そんなことはどうでもいい。
「ご用件は?」
その男はなぜか僕を鋭い目で見てきた。
「ここの、店長というか、社長のかたって…?」
僕にしては言葉を選んでいるつもりでも、やっぱり丁寧語は難しい。
「最上階にいらっしゃいますが、誰も行けませんよ」
男はなんか敬語が薄くなっている気がした。
僕を一般人だと思って下に見ているのか?でも、実際一般人……でも有名人だし…なんか自分を盛っている。
「じゃあ、お会いする方法って?」
「たまにここ貴族エリアに一緒に飲みに来ますよ」
貴族エリアに飲みに来る、か。
「何時くらいに?」
僕は自然と早口になっていた。どんどん質問を投げ掛けていた。
「夜八時から十時にいますね」
「ほんとですか!?」
気づけば僕は、会計の机を思いっきり叩いていた。
「はい……」
「じゃあ、また来てもいいですか?」
僕は一回落ち着いて手を離す。
「一般人は固くお断りしております。ご来店の場合はプラチナ二枚です」
たしか、プラチナは日本円で二十万円。でも足りるぜ!
「もちろん、払いますよ」
僕はそう言って店を出た。
はぁー、でもまあ会えるってことだし、夜まで何かするか。それにしてもあの店員うぜぇなあ。
僕はバーリオンからシェルとメリナがいる宿まで戻っていった。
もちろん、二人はいなかった。多分出掛けているんだろうと思いながら僕も買い物でもするかと思い、バッグにお金を積める。
いや、一人で冒険もいいかもな?と思い、今度は剣を持つ。
どっちにしようかと迷った……
「オッケー、なんか依頼を探そう」
僕は結局、ギルドに行き、自分にちょうどいい依頼を探した。
でも案の定Sランクの依頼なんて……
「あった!」
で、伝説の食材……ヤーションを探して採集…?
討伐依頼とかじゃないことに気づいた。
でもSランクに頼む理由があるんだろう。例えばそこに凶悪な魔獣がいたりして。
だとすればSランクに頼むのも納得……とりあえず行ってみるか。
そこはカオス森林だった。
詳しくはカオス森林の奥、ファメリアナスという大樹の周りに生えているらしい。
そこはかなりの魔物や魔獣の数らしい。
「だからSランクなのかな」
と一人でぶつぶつと喋っていたら、あっという間に地図に記された場所についた。
まあ確かに大きな木ではあるけど、神聖の大樹ほどでは無い。
ただ、違和感を覚えた。
なんだろうこの感じ。魔物や魔獣がいるわけでもないのに、視線と殺意。
四面楚歌みたいな状態だ。
気味悪い。
「誰かいるんですかー」と叫んでみた。
でも特に意味はなかった。
もういいやと気にせずに歩くと、一歩一歩前に進む度、その視線と殺意が増した。
「なんだよ」
このとき、シェルとメリナがいたらと思う。
心臓の音がうるさく身体中で響き渡る。
とりあえず大樹の周りを探してみた。心臓がドドドドとリズムを刻んでいるようで面白くない。
見つけた。
これが伝説の食材、ヤーションだろうか?
虹色に光っているから眩しい。思わず顔を手で覆った。
とりあえずこんなところ早く出たいから、そっとその食材、見た目はキノコを取ろうとした…その瞬間!
「ウロロロララ」
変な鳴き声がこの森全体に響き渡った。
その鳴き声は僕の体を震わせた。
「なん…だ?」
すると今度は足音が。大きな体ということが分かった。
ドシン……ドシン……ドシン………
その音はだんだと近づいてくる。
これがここの魔獣なのか?と考えながら周りを見回した。
しかし何もいない。僕はさらに気味悪がった。
なのに視線と殺意だけが増していく。その感覚がしばらく続いた。
イライラし始める。僕はヤーションをもぎ取って走り出した。
すると今度は僕の背後から追いかけてくるような足音が鳴り響く。
ドシン……ドシン……ドシン……
それはどんどん近づいてくる。
僕はさらに走る足を早めた。
「ウロロロララ!!!」
その叫び鳴き声を聞いて、僕はとっさにうしろを振り向いた。
そこには化け物……いや、大きな銀の鎧で全身を隠した金に光る剣を持った騎士だった。魔獣じゃない。
「うおわっ!?」
急に剣を振ってきたので僕は慌ててジャンプし避ける。それで声が漏れた。
騎士を睨む。
それはなにも感情も意識もなく、ただ動く兵器という感じだった。
なら余裕と思い、僕も剣を抜く。
そして真上に跳び、頭から真っ二つに……出来なかった。
カンッという鉄と鉄をぶつけたような音が響いて弾かれた。
ならば魔法で、と構えなおすが、すぐに騎士に邪魔される。
「くそっ」
騎士の周りを走り回った。
タイミングを計って風魔法で木の上に乗り、また騎士に向かって構えなおす。
そして少し押さえつつも一気に必殺技を放った。
…………………………………………………………………………………………………………………………………。
その騎士は消え去った。
散りと化したのだろうか、だったら嬉しい。どちらにしろ死んでいる。もういない。
そう思った。が、
「う、ろ、ろろろら………」
今思うとこれは鳴き声なんかじゃないな、てか、魔獣でもないじゃないか。思い付くのおっせぇーと自分ながら思う。
見るともう頭だけになったそいつがいた。
「う……」
しかし、その騎士はそこで光を失い、散った。
僕は荒らした地を元に戻してから国に帰った。
この報酬を貰って早くバーリオンへ行こう。と急ぎ足で帰っていった。
ギルドで報酬としてプラチナ二枚を貰い、考える。
結局この冒険は何の意味があったのか、ただの暇潰しか…と呆れた。
プラチナ二枚だって今日バーリオンで払った金が返ってきただけだ。
もっと他にもやることがあったかもしれない。
僕はそう思うと大きなため息が漏れ出た。
宿には笑顔でいて疲れきったシェルとメリナがいた。
今更遅いかもしれないが、一度夜を過ごした女と思うと、接し方を探るようになってしまう。気まずかった。
でもこれからバーリオンに行くんだし…と思って落ち着いた。
ふと二人を見る。
僕を気にする様子もなく、二人で仲良く話している。
もう夕方だ。そろそろ八時。
「ちょっと、行ってきます」
二人には聞こえないような小さい声で言って部屋を出る。
そして空が真っ赤に染まった街を歩き始めた。
もう夜か、あっという間だなぁ…
街は夜に近づくにつれ、賑わいを増していった。
「はぁ、、、」改めてため息をつく。疲れた。これから日本人に会えると思うと少し気がなおる、わけない。
またため息をついて歩き続けた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
三章もよろしくお願いします。
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