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閉ざされる道

ついに20話!

目指せ総合ポイント100!

 大魔王フィアビル・ボルソガーナとの戦いが長かったがあっという間に終わり、久しぶりに僕とシェルとメリナの三人が揃った。

 シェルはあの時に来てくれたのは奇跡だけど、なぜ早く来れたのか訊いた。


「ん、ああ、S+ランク以上は強くなれなくてさ、帰ってきたんだ」


 メリナと同じだ。やっぱり、普通の人間や魔族には限界があるみたい。技を極めることはできるが、それ以上威力を上げることはできない。

 この世界でそれができるのはマサハルと大魔王フィアビル・ボルソガーナだけ。

 とりあえずシェルには感謝だ。本当に助かった。沢山のお礼を言った。


「いやいや、そんなぁ」


 ちょっと照れ顔で喜んでいた。


 それと、三人揃っただけではなかった。

 元日本人の奏導龍さんも揃った。これまた物凄いタイミング。で、大魔王の一件を話すと


「おいおいマサハル君ー! まさかあの大魔王を倒すなんてね!」


「いやぁ、この二人のおかげですよぉ」


 僕も髪の毛をかきながら少しだけ照れた。

 そして導龍さんが真剣な顔になる。


「大魔王が消えた今、魔界大陸にある転移陣の封印が解けたはずだから、俺はそれ目指して。だから俺は日本に帰る。」


「本当ですか! 良かったですね!」


 どうやらこれで導龍さんの目標も達成できそうだ。


「そこでだ、一緒に行ってほしい。魔界大陸まで。」


 うーん、まあ来るとは思ってた。心配だし、暇だし、行ってあげるか。


「はい」


 そういえば、封印された獄竜なんちゃらはなんとかなったのかな?大魔王倒したからオッケーってことでいいのかな?

 どちらにしろ、まだ何も起きてないんだし、別にいいよね...?

 僕は獄竜のことは軽く後回しにしたのだった。


◇◆◇


 魔界大陸は、大魔王が消えたことと獄竜復活の危機によって大混乱が起きていた。

 各国は落ち着いていることもできずに、国民がどんどん避難していき、魔王らは只今会議中。

 すでに魔界大陸には魔王とその配下しか残っていなかった。


「大魔王が消えた...完全に死んだかはまだ分からない」


「どうせ復活してくるっしょ」


 フレドロスはこんな状況でも軽い気持ちでいるようだ。

 それが気にくわなかったのか、レミルルが珍しく怒鳴り声を上げた。


「こんな状況でよくそんな軽い気持ちでいれるわね!?」


「ひぃー、おっそろしー」


 フレドロスはそんなの気にしない。


「こいつはおいて早く話を続けましょう」


 獄竜復活とは、誰もが恐れることだった。


◇◆◇


 今、世界中どの国、どの種族でも混乱状態。それは神界も同じだった。


「おいおいおい、せっかくマサハルおさえたのに、結局マサハルと大魔王フィアビルの戦いで激しいエネルギー爆発が起きて獄竜復活しちまうじゃねえか!」


 武神ボルカッツが怒り狂った声を神界中に響かせた。


「まあまあ、大丈夫です。私が見た未来ではマサハルが解決してくれてますから」


 創造神ウェイは落ちつていた。創造神は神の中で一番強く、権力もあり、代表的な神として崇められていた。

 その言葉は真実だけを語っている。


「...」


 だからか、周りの者はすぐに黙り込んでしまう。

 けれども一人なっとくの行かない男がいた。


「そんなんで、そっかー! じゃいーやーってなるとでも思ったか!?」


 その後も神界では激しい口論が続いていた。


◇◆◇


 マサハルとシェルとメリナと導龍はアルファ大陸を出るため、船を予約していた。

 魔界大陸はアルファ大陸からペリカナ大陸を渡った所にあるので、長い旅になりそうだった。

 船は五人用のだったため、一人、ペリカナ大陸へ向かう人が乗った。

 その人はワルルロ・トルトという名の人で、農民の服を着て穏やかな人だった。

 農作物をペリカナ大陸へ運ぶためらしい。荷物が多い。

 ペリカナ大陸はアルファ大陸よりも技術や食の品も高く、人工も多い。

 ま、人が集まる大陸だからね。もしかしたら白米もあるかも?と少し期待もしていた。

 船で出発し、しばらく僕と導龍さんとワルルロさんでこいだ。一漕ぎ一漕ぎは以外と軽く、すいすいと前に進んだ。天気が荒れることもなく、風か強くなることもなく、波も高ぶらなくて安全だった。

 たまに魚類系の魔獣に襲われることはあったけど、それ以外は特に何もないままペリカナ大陸に着くことができた。

 そこで短い時間だったがワルルロさんと別れ、僕らは違う道を歩いた。

 今夜はどこがに泊まるか夜営するかして夜を越す。

 どこからか酒に酔った男らがへろへろな踊りや歌を歌って賑やかに騒ぐ音が聞こえた。

 僕らは結局、近くの森で夜営することにした。


「さて、明日からどうするか」


 導龍さんが話したいのは魔界大陸に行った後の話。

 別に帰る気はないんだけど、作戦を考えるのに協力した。シェルとメリナに何かを感づかれるとまずいので二人はぬきで。


 翌日。早々に出発した。作戦は魔界大陸についてすぐに実行する。

 今日も魔界大陸に向かってまっすぐ進む。

 白米とか探すのは帰るときにしようと、とりあえずここでは諦めたのであった。


「ねーねー、ここ涼しくない?」


 シェルが両腕を上げてぷらぷら左右に揺らしながら言った。なんだろう、涼しさを表現しているのかな?


「僕には分からないけど、ドローさんは?メリナは?」


「うん、確かに俺もアルファ大陸よりも涼しいと思うね」


「私も思う!」


 あれ、なんか感じてないの僕だけ?と、少し独りになった気分にされた。

 ま、チートのせいだからねーと自分に言い聞かせていた。


「気にせず歩こーう」


 一人やる気をみせて歩いてみたけど、なんの反応もない。今度は気まずい気持ちにされた。それからひとつの小さなため息を吐いた。


 久しぶりにしりとりとかしながら一時間ほど歩いた。朝早かったからか、動物が見えない。

 歩いていた森の中は驚くほど静かだった。

 そして時間がとても長く感じた。何もなかったのがさらに時間を長く感じさせた。今まで急展開の連続で、時間が早く感じていて、急にこうのんびりした感じになると長く感じるものなのだろうか?

 少し考え込んでいた。

 本当になんにもなく逆に心配した。

 気づけばまた海だ。魔界大陸に繋がる海だ。しかし、船はどこにもなかった。

 そりゃそうだよな。魔界大陸に繋がる船を出す人なんかいない。

 導龍さんがため息をついているのが見えた。

 するとシェルが


「そういえば私、瞬間移動できるんだった」


 てへっと舌をだして頭に手をあてて彼女は言った。

 今頃遅すぎるって、と思いながらもシェルを中心に円になり、目的地までひとっ飛びした。


 目を開けるとそこはまた砂浜。誰もいない。

 ここが魔界大陸?と思いながら海を見渡す。それは、本当に海なのか疑うぐらい汚かった。

 うえっと言いながら吐きそうな気持ちになる。

 浜を出ようと、奥に見えた海岸沿いまで歩いていると


「何かいる!」


 メリナの小声が聞こえた。

 その場にサッと伏せた僕たちは息を殺して固まった。確かに上の海岸沿い歩く人影が見えた。

 そいつはなんか整った貴族服みたいなの着ていてとてもそこら辺を歩く住民とは思えなかった。

 たったったっと歩いて過ぎていく音が聞こえたあと、思いっきり息を吐き出す。ばれなかったみたい。


「このまま行ってもしかたない。何かばれない方法を考えよう」


 導龍さんの提案は、それっぽい仮面を着けて、人間だと思われないようにするらしい。


「ムズくない?」


 シェルがそう言ったが、「別にいい」と導龍さんがピシャリと言った。

 それっぽい仮面を着けた僕たちは海岸沿いを堂々と歩いた。ひそひそ歩くと逆に怪しまれるし、隠れながら行ってばれたら大変だし、ここはあえて堂々と歩くんだ。

 しばらく歩いていると、右を通りすぎた男の姿をした魚みたいな人に話しかけられた。


「お前ら、みねぇやつだな?てか、まだ残ってたやついたのかよ、報告しねぇと」


 と、僕にははっきりそう聞こえたが、他の三人は何を言っているのかさっぱりという感じだった。

 この人もさっき見た人影とよく似た服を着ていた。まさか魔界大陸の者はみんなこんな豪華な服を着ているのか?と少し羨ましがった。


「遠くから来たもんでね」


 とか言ってなんとかごまかせたが、まずいな。

 また歩くと町っぽいところに来た。しかし、何もいなかった。一人も、誰も。とても静かだった。たまに建物に入ってみたけど、誰もいない。どっかでアイドルのライブでもやってるのか?その時はそう思っていた。

 その町からとてもでかい黒く染められた城のような建物が見えた。多分そこに転移陣がある。そう確信した導龍さんは、急にテンションを上げて走り出した。

 それほど帰りたい理由があるのか?となかなか答えのでないことを考えたが、結局深く掘り下げるのはやめた。

 そして、その城に着いた。大きな門があったが、もちろん、兵服みたいなのを着ている者が門番をしていてそれより先には通れなかった。

 強行突破もありだけど、捕まったら意味がない。

 裏口でも探して入ろうとしたが、それもない。ならこの大きな壁を乗り越えるしかなかった。

 登ろうとしても滑って落ちる。

 こうなったら風魔法で浮かび上がるしかないか。

 それかまたシェルの瞬間移動を使うか。結局、また瞬間移動を選ぶことにした。これが一番安全だ。


「行くよ」


 シェルを中心に円になりまた急に空間が震え出す。

 そして、瞬きすればそこは大きな謎の陣のど真ん中だった。

 導龍さんがそれをみたとたんに叫びそうだったから口をおさえてなんとか。シェルとメリナはそれを不思議そうに眺めていた。


「で、どうやるんだ?」


 周りに警備とかはなく、とても見張りが薄い状態だった。

 導龍さんが顎に手をあてて考え始める。

 すると急にガシャンッ!という大きな音を立てて僕らがいた場所は結界に囲まれた。


「え?」


 周りを見るとそこには沢山の兵がいた。僕らはさらに囲まれた。

 そして聞き覚えのある声も聞こえた。


「マサハルと他...か。久しぶりだな。覚醒大魔王フィアビル・ボルソガーナだ!」


 覚醒を強調する大魔王のその声を聞いて一気にずしんと重力が加わる感覚がした。

 ドクンドクンドクンと心臓が一気に興奮し始める。


「くそっ、やはり復活するのか」


 導龍さんが舌打ちを打ってそう言った。


「これでどこかに転移しようとしたな?いやぁー丁度いいタイミングで復活したなぁ」


 僕らを上から見下ろして笑ってくる大魔王。

 一気に心臓の音が高まるのに気づいた。


「一回逃げよう!」


 シェルの声が聞こえた瞬間、僕らはその場から消えた。


「ちっ、瞬間移動か」


 大魔王は逃したことを悔やんだ。

 その後、兵をおさめて一度城に戻った。




 僕らは気づけば元いたモナモナの森にいた。

「はぁはぁ」と息を荒らすシェル。


「これ、ちょっと移動距離ありすぎてエネルギーがもう...」


 震えた声で最後の一声を発したあと、シェルはその場で倒れた。


「くそっ、間に合わなかったか」


 導龍さんが地面の草を力強く握っているのが見えた。


「惜しかったですね」


 そう声をかけたが導龍さんはこたえない。


「他に帰る方法を探す」


 とだけ言ってまたどこかへ旅立ってしまった。結局、帰る理由を聞き出すこともできなかった。

 しばらく三人で沈黙が続いたあと、メリナが最初に口を開いた。


「大魔王復活したけど、また狙われるかな?」


 そうだねと低い声でこたえた。


「でも復活したばかりだからしばらくは来ないと思うよ」


「そうかなぁー?」


 メリナは結構心配しているみたい。シェルの背中をさすりながらそう言った。


「それとさ、獄竜のことはどうなったんだろうね?」


 後回しにしていたことが急に降りかかってきた。

 そうだよ、なんにもおきてないけど、どうなった?


「分からないけど、そろそろ何かが起きようとしているのかもしれない。魔界大陸に人がいなかったのも気にかかるし、大魔王だって、めちゃくちゃ焦ってた」


 考えたって僕達には分からないことだろうけど、何かがあるのは分かった。

 そこでベルシアス王国で、王様に呼ばれたことを思い出す。

 そこに行けば何か情報をつかめるかも?と思った僕は、シェルの回復を待ちつつ、国に戻る準備をした。


 翌朝にはシェルはすっかり元気になっていた。寝ることによってエネルギー回復をすることができ、実際、太陽光を浴びているだけでも回復していっているらしい。まるで太陽光発電だな。

 シェルにもついてきてもらうことにし、早く準備をさせ、早速歩かせた。

 あの時は断ったけど、今行ったところで何か話してくれるかな?少し、いや結構心配になりつつも、早足でベルシアス王国に向かって歩きだした。

 朝日が眩しく照り輝いて前を見るのが少し難しかった。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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