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武神のガチ修行

「やっぱ運動の後の水は美味いねぇ」


 モナモナの森にてメリナと修行中だった僕はただ今近くの透き通った綺麗な川で水飲み休憩中。

 ここの川の水は本当に綺麗。

 飲みながら感心し、水を顔に思いっきりかける。

 汚くなった顔や髪の毛を洗いつつ、瓶に水を注いでいく。

 それをメリナに渡して彼女が飲んでいた。

 「じゃ、次行きますか」とメリナを連れて歩いていると


(お前がマキ・マサハルだな?)


 初めて聞く知らない人の声が頭のなかに響いた。これは創造神様の時と同じだ。

 でも声が違うということは違う神様?


(どちら様ですか?)


(フハハハハ!!! まあ分からぬよな! 俺は武神ボルカッツだ!)


 武神?ボルカッツ?おお、修行やら僕の強さを見て来ましたかー。

 まずは丁寧に


(お初にお目にかかります。こ存じの通り、僕がマキ・マサハルです)


 なんか下手かな?丁寧語~とかよく分からないんだよな。


(そうかそうか、まぁそんなに丁寧にしなくていいさ)


 よかった。ほっと心のなかで落ち着きながら話を続ける。


(で、何の用です?)


(あぁ、お前のせぃ…じゃなくて、なんか色々あってな、この世界のエネルギー割合が狂って大昔に封印されたはずのヤバい竜が復活しようとしてんだよ)


 僕のせいじゃね?


(そこで、今この世界でもっとも強いと言ってもいいお前を俺が鍛えに来た!)


 そういうことねー


(あと、お前いつもエネルギー漏れ漏れだから、魔法の威力の制御だけじゃなくてエネルギーの制御もできるようにするぞ)


 あ、それだよね。やっぱり。

 まぁでも、確かにエネルギーがどうなっていたかは気になっていたし、エネルギーの制御とかもしといた方がいいのか。

 この話乗った。


(分かりました! で、どこで?)


 そう聞いたとたん、世界が光った。懐かしい、あの感じだ。

 やっぱり。白くて先がどのくらい続いてるかも分からない空間。

 久しぶりですな。もうこの世界は神の世界と言ってもいいかな。


(ここで修行するぞ)


 さっきの声が聞こえたが、姿がない。と思ったが、すぐに

 目の前にガッチガッチに鍛えられた鋼鉄のような筋肉をもった男が現れた。

 お、おお...と驚きながらその男を見上げる。


「早速やるぞ。あと、現実世界は今動いてないから大丈夫な、安心して修行しろ」


 男が僕に話しかけた。

 この人が武神ボルカッツなんだろうとすぐに分かった。


「はい」


「早速だが、なにも教えないでエネルギー制御しろと言ったらできるか?」


 そりゃあ、もちろん無理ですね

 なんか色々全身に力いれたり力抜いたりしてみたけど、なにも起きない。


「無理です」


「そうか、そうだよな」


 彼は手を顎に当てて考え込んだあとこう言った。


「じゃあ、まずは自分のエネルギーが見えるようにしてやろう」


 言われたとたん、僕の視界に紫色のモヤモヤした煙のようなものが浮かんだ。

 多分これがエネルギーだろう。


「見えたっぽいな」


 その煙は僕の回りをぐるぐると漂っていた。


「それを動かせるか?というか、それが縮んでいくまでもっかい色々試して」


 僕はその煙を見つめながら、さっきみたいに色々試してみた。

 まずは全身に力をいれる。すると、煙が一気にもわぁっと増えた。

 逆に、力を抜いてみると、少しだが、少なくなった気がした。

 次に、その煙を手で掴むようにかき集めてみた。

 するとその煙は僕の回りに自動的に集まり、みるみると縮んでいった。

 ボルカッツは喜びを見せていた。

 彼はなんとかこれで封印は解けるだろうと思ったのだった。


「こうですか?」


「そうだな! さすがだ!」


 もちろん、これだけなはずないよね...


「じゃ、今度は早速だが俺とガチ戦だ!」


 エネルギー制御はありがたいけど、やっぱりそうだよねー。


「さあさあさあ!」


 ボルカッツは急に手からハンマーを取り出して僕に向かってぶんまわしてきた!


「おわぁ!?」


 それは避けれたが、右からまたハンマーが!

 それはしゃがんで避けれた。

 こいつ、急に襲いかかってくるとか、おかしいだろ...一回離れよう。

 手をボルカッツに向けて風の勢いを利用して吹っ飛んで離れた。

 その間に剣を抜いて光を宿した。

 創造神様から属性の宿しかたを教えてもらってマスターしたからな!

 しかし、宿し終わったところで目の前にさっきのハンマーが!


「えぇぇ!?」


 驚きの声を上げながら剣を構えて身を守った。

 その一撃は剣から僕の全身に伝わって、鳥肌が立った。震えた。

 じんじんする。

 だが、ハンマーは重いからまた振り上げたところに隙が...無い。

 こいつ、ハンマー振るの早すぎだろ!おかしいって!

 僕はまた離れた。

 なのに、あいつの間合いはどうかしてる。十メートル以上離れてもハンマーが届くのだ。

 この戦いで距離をとるのは無駄だと理解した。

 ならば魔法で戦うのみ。

 このハンマー焼き尽くせないかな?と思いながら燃やしてみたが、意味なし。

 ボルカッツに直接炎を浴びさせたが、それも意味なかった。

 氷も、彼の熱い闘気によって溶けるし、水で冷やすこともできない。木で巻き付けようもしてもすぐにほどかれる。

 ボルカッツには五属性は通用しないってことか。

 相手は光属性なら、闇で対抗した方がいいのか?と思い始める。

 しかし、どうすれば

 僕は魔法でボルカッツの攻撃に対抗しながら考え込む。

 その前にあの必殺技を放ってみようか、あれたしかS+ランク超えてからさらに威力増したし...やってみる価値はある!

 僕はボルカッツに構える。

 すると彼は少し首を捻って考えたようだが、まあいい! みたいな感じですぐにハンマーを振るのに戻った。

 隙を探しつつ、力をためていく。

 周りには防御魔法を張ってあるので、しばらくは彼の攻撃を防げる。

 狙いを定めた。

 手がボコボコと膨らみ始め、全身が熱くなってくる。


「うおおおおおおっ!!!」


 その瞬間。手から今までにない、更なる威力を見せた必殺封印魔法が放たれた!!!

 それは永遠に続くこの世界の果てまで飛んでいき、ボルカッツを直撃した。


「グオオオオッ!?」


 まるで魔獣みたいな叫び声を上げた彼は姿を消した。オーラも感じ取れなくなった。

 僕はその魔法を放った反動で後ろに吹っ飛んだ。

 ダンッと体を地に打ち付けて「痛ってぇ」と言いながら立ち上がる。

 そして見上げたそこには消えたはずのボルカッツがいた。


「おおっ!?」


 驚いてまた後ろに下がって地に尻をついた。


「フハハハハ、安心しろ。お前の勝ちだな。」


 そう言って彼は僕に手を差し出した。

 僕はその大きな手を両手で掴んで体を起こした。


「良かった。しかし、お前は魔法で戦いがちだ。剣も極めないとな」


 は?

 まだ続くの!?


「次は魔法禁止な」


 ちょちょちょっと、僕まだ剣はちょっと無理なんすけど!?

 頭のなかで叫んでも意味はない。

 それから、三日間ぐらいみっちり剣を鍛えられた。

 ここは現実世界じゃないんだけどぉ! 剣道いやや! とか嫌がったけど、結局やらされた。

 結果。一年分の稽古ぐらい鍛えられた。

 もう僕の身体はへとへと。

 手には豆ができながら振っていたし。豆は回復魔法で治せたけど、心の疲れは治らん。

 ばたんとその場に倒れていたら


「じゃあ、休憩したらガチ戦な」


 いやいや、無理だって...なんかもう声すら出なくなった。そんなの気持ちだけだとは分かっていたけど。無理だぁ...

 ボルカッツは剣道の間合いくらい僕から離れたあと、僕が知っているなかで初めて剣を構えた。

 それはまたごつくてデカイ。ハンマーとあんまり変わらないんじゃないかというくらい。

 これ、また急に始まるやつだと思った僕はすぐに剣を抜いて彼に向かって構えた。

 すると予想通りボルカッツから振りかかってきた。

 僕は素振りしまくったからか、振り上げが早くなり、守りも早くなった。

 ボルカッツの一撃を守り、空いた銅に斬りかかっ...たつもりだが、それを彼はたてに剣を構えて避けた。

 次の攻撃がくると分かっていた僕はさっと下がって彼の次の攻撃を避ける。

 振り下ろされたその大剣は、地面に叩きつけられ、彼の面ががら空きになった。

 僕はその面に向かって跳び跳ねて振り下ろした。

 しかし、それはボルカッツの素早い構えによって守られる。

 だがそれも僕は分かっていたから今度は空いた腕に斬りかかる。なのにそれもボルカッツの素早い剣の回転によって避けられた。

 攻撃が読まれているんだろう。そんなのことはもう前からよぉく分かってた。

 だから僕はその更に次を行くために避けられた腕から頭めがけて振り上げる。

 そんなに自分ばっかり動いていると逆にこっちに隙ができることを忘れて。

 ボルカッツは僕の空いた腹めがけて突進してきた。


「やべっ」


 僕はとっさに防御魔法を放ち、彼の一撃を守れたものの、突進の勢いで破れた。

 次にボルカッツが振り上げた時、僕の剣は彼の腹に入っていた。

 ズブッシャア!


「ぐはぁっ!?」


 よし! これで僕もボルカッツに剣で勝てたぁ

 と倒れたボルカッツを見て喜ぶ。

 彼の体は一瞬にして治り、上体を起こして僕の腕を引っ張って体を起こした。

 僕はその勢いで前に倒れた。


「いやぁ、お前本当に成長スピード化け物だな」


 今度はボルカッツが僕に手を差し出してそう言った。

 ボルカッツを倒す勢いで起き上がってみたがそんなの無理だった。彼はびくともしてないみたいだ。


「負けた負けた、マサハル、帰っていいぞお前には本当に驚かされたわ」


 ボルカッツのその声が聞こえたころにはそこはメリナと休憩していた川のすぐそこだった。

 僕は少しため息をついたあと、前を向いて歩いた。

 エネルギーの煙とやらは見えなかった。制御できているってことでいいんだよな?

 あ、そういえばボルカッツにS+ランクを超えたランクについて聞けばよかったぁ...っても創造神様が知らないなら武神様も知らないかぁ...

 剣を極めてもっと強くなったけど、これもランクに反映されるのだろうか?だったら今の僕の総合ランクは...?

 本当にこの世界で一番強くなったかも。これなら魔王にも勝てるかもな。

 それから、それが当たったのか喧嘩を吹っ掛けてくる悪魔や魔王がよってこなくなった。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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