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一度解散そして合流

ほとんど暇回ですが、最後の方はしっかり読んでねっヾ( -`д´-

僕がリーダーのチーム「チーター」と奇跡の出会い日本人のドロー・パルーヌ(前世、奏導龍)は、「チーター」の依頼クリアをした後、一度解散をした。

僕達はまたしばらく他の依頼クリアを目指そうと思うが、導龍さんはまた元の世界に戻る方法を探しに旅に出るらしい。

導龍さんと別れた日の夜。


「これからべルシアス帰って新しい依頼探すけど、何か他に案はある?」


僕らはこれからについて話し合っていた。


「そうだねぇ...どしよっか」


シェルが後頭部をかきながら考え込む。


「あの、それでなんだけど」


メリナが何かを言いづらそうにしていた。

恥ずかしがらずに言ってと言うとさらっと話してくれた。


「えと...」


メリナは初めて会った時みたいに照れ恥ずかしがりながら顔を隠し、話を続けた。


「一回、家に帰る」


今度は躊躇いもなくそう告げた。

一瞬驚きはしたが、すぐに受け止めた。


「うん」


暗闇の中、一つぽつんと明るい光が指す。

その光は僕が起こした明かり。その明かりは僕達の顔を少し明るく照らし後ろには大きな影が。


「お母さんたち心配してるかもだし」


優しい子だ。ついでに冒険の話とかするのかな?そうだったら可愛い...。あ、でもあの夜の話は...メリナのことだからそういう所は除いてくれるよね...アハハハハ

結局、僕とシェルの二人になった。

なにか懐かしい雰囲気を感じながら僕らはべルシアスへ帰った。


それから一ヶ月。メリナはまだ戻ってきてないが冒険中。

FランクからSランクの全ての依頼をクリアしつくしてしまったチーム「チーター」は、あてもなく冒険中。

だからか、僕らのファンだと名乗る者たちがサインを下さいとうるさいのだ。

今は落ち着ているが、いつ来るか分かったもんじゃない。

などと考えながら森の中を歩いていると


「ねぇ、マサハルぅ最近暑くない?」


とシェルが言い出したのだ。

僕はチートのおかげで暑さとか感じないけど、(なぜか熱さは感じる)彼女は感じるのか。

てことは、今までは春で今は初夏! 的な?

僕はふと空を見上げる。そこには、カッ! と眩しく照り輝く太陽があった。

それを見て僕は思った。もしかしたらここは太陽系の中なんじゃないのかと。

宇宙は広い。どこまで続いてるかも分からない。だから、この世界も地球から遠く離れたひとつの星なんじゃないのかと。そう思った。

だとしたら、宇宙へ出て、そのまま地球に飛んでいけば帰れるってことか!?

一つの説が生まれた瞬間であった。


「なぜこれに気づかなかったんだ!」


僕は人差し指を太陽に向けて立てた。

そうひとりで喜んでいると


「あつぃー」


シェルの声が聞こえて元に戻す。

僕はこのことを導龍さんに伝えようと思い、ギルドの伝言連絡交換所へ行き、導龍さんに伝えるようにお願いしといた。

これで一回合流し、説を試してみよう。と思った。

ギルドに行くなりファンと名乗る者達がサインサインとうるさかった。相手をしていたらもう夜になってしまったのだ。

この世界は夏っぽいけど、元の世界はいつだろう。転生前は秋だったから、冬かな。もしかしたら修学旅行も終わってるかも...?少し寂しくなった。

それを感じとったのか、シェルが理解したような顔をしてとんとんと僕の肩を叩いたのだ。慰めているつもりなんだろうか?

その夜、夢で修学旅行の妄想をしていた。


︎︎◇◆◇


解散して一ヶ月。この世界に転生して三ヶ月。

僕は暗ぁーい人生から開放されるかのように死んで異世界に転生した。そしたらチート能力とチート武器を持っていて冒険者登録までされていて、冒険に出てみれば、色んなやつに出会い、助け、戦い、仲間が増え...

思えば楽しかった。この世界が好きになった。

ま、変なやつに絡まれたことも少なくなかったが、今だってそうだ。

おっと、...それで、中には奇跡的な出会いもあったな。日本人との出会い。今はいないけど、日本に帰りたいらしい。希望はもう見えたんだけどね。

次会った時にそのことを話さないと。もしかしたら向こうも何か情報を持って帰ってくるかもしれない。

仮にそれで帰れたとしても僕は帰らないさ。帰ったってまたボロくそ人生になるだけなんだから。

僕は今の人生のほうがいい。

あの人がなぜ帰りたいのか知らない。もしかしたら好きな人がいたりして、その人を追うために?仕事が楽しいから?寂しい?

だったらいいよな。元の世界で目的があるなんて...羨ましい。

て、そんなのどうでもいいんだ。

僕が今することは...放浪!

その導龍さんと合流するまで。

でも、今暑いみたいだから、宿でだらだらと時間を持て余すのもいいねー

とか考えながら街中を歩いていた。

あー、こんなことを考えながら歩くなんてほんとに暇人になったもんだ。

というか、僕がギルドの依頼を全て達成しちゃったから、大体の冒険者達は暇なのか! そうか、これが冒険者ってものなのか。

がっくしと肩が落ちた。

おかげで大金持ちになれたんだけどね。冒険者で大金持ちなんて、全人類の夢なんじゃないか?異世界マニアだってそうだったろーなぁー...僕が達成しちゃったぜ〜っと。

ハッ! とうとう独り言まで...どんだけ暇なんだ僕。

意識を戻して歩いていると、ギルドが目に入った。

それとそのドアの前に立つ一人の男の姿も。

って、導龍さんじゃないか! 結構早かったなー! 暇じゃなくなるなー!


「久しぶりでーす、導龍...さん?」


その人は確かに導龍さんだったが、かなり落ち込んでいるようだった。どうしたのか、とりあえず中に入って話を聞かせてもらうことにした。

ギルドの中は人が一人もいなくてとても静かな状態だった。多分、僕が依頼を全て受けたから他の冒険者は何もすることがなくなって帰ったんだろ。

と思いながら、バーの椅子に腰かけ、適当にジュースを頼む。


「マサハル君、話なんだがぁ」


と、導龍さんが低く枯れた声で話しかけてくる。


「はい」


「元の...世界に帰る方法が分かった」


別に僕は帰りたくないんですけど。と言ってみたい。

でも今はそんな雰囲気じゃない。

シェルは隣の隣の隣の席に座り、口の中に溜まっていた唾液をごくりと飲み込み、こちらに耳を済ませていた。

元の世界と聞いて少し戸惑いも見せていたが、どうせ深く探ろうとしないだろうし、無視しといた。


「それがな、方法が封印されていた」


ダンッ! と右腕を机に叩きつけそう叫んだ。

そんなに帰りたかったのか?

それから置いてあった酒をがぶ飲みし、話を続けた。


「魔界大陸に、召喚陣と転移陣があった」


そう言うと少し機嫌を直したように見えたが


「それが日本に繋がっていたんだが、何者かによって封印されていた」


そして沈黙が現れた。

僕は沈黙が気まづすぎて、つい「何者って誰です?」と口を開いてしまった。


「決まった訳では無いが、多分大魔王だな」


その言葉を聞いて僕は驚いた。少し鳥肌も感じた。


「千年前に、古き伝説の勇者と乱戦を繰り返していたそうだが、勇者が死んだ後、姿を消した魔王だ」


異世界でよくある伝説だぁと思いつつ、僕は話に真剣になった。

だが、その話はそこで終わった。

そこで、今度は僕の話をした。宇宙から地球に帰えれる説! しかし、それはダメだと言われた。

そもそも、宇宙を越えられるかも分からないし、宇宙に行って地球にたどり着いたとしてもどれだけ時間が経っているかも分からない。

もしかしたらもう地球など存在していないかもしれない。

宇宙にいると時間があっという間に過ぎていくからだ。

元の世界に早く帰りたい理由は教えてくれなかったが、とにかく宇宙は反対された。

転移陣で一瞬で帰りたいらしい。

一秒でも早く。

僕は、そうですか。と言ってシェルを連れてまた導龍さんと別れた。

「次会うときは転移陣で」と、別れの言葉も告げられた。

本気なんだろうな、この人は。と、改めて思ったのだった。

最後までお読みいただきありがとうございます。

次回、やばいっす!

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