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ただ喋るだけの青春

作者: 徳永夏樹

「大沢やん」

 宮島大樹(みやじまだいき)は学校帰り、幼い頃からよく訪れている坂上商店の前に置かれているベンチにクラスメイトの大沢ひらりの姿を見つけ、自転車を止めた。

「大沢やで」

「いや、分かってるって」

 ひらりはショートカットの髪に特に目立ったパーツはないのに全てのパーツが輪郭に合っているのか可愛い顔立ちをしている。その顔を大樹は心の中で大沢バランスと呼んでいた。きっと少しバランスが崩れてしまえば可愛いは平凡になる。大樹は奇跡のバランスを作り出したひらりの両親に心の中で勝手に拍手を送った。

「家、この辺じゃないやろ?」

「どの辺やと思う?」

 ひらりじゃなければ鬱陶しいと思ってしまう質問だが、ひらりに聞かれると何故か真剣に考えさせられてしまう。大樹は少しでもひらりの気に入る答えを出そうと真剣に考えた。

「この辺じゃない事は確かやな」

「そうやな。この辺じゃない事は確かや」

 考えた答えが間違いではなかった事は楽しそうに言ったひらりの顔が物語っている。

「この辺じゃないのにここで何してたん?」

 きっとどこに住んでるか聞いても適当にはぐらかされそうだと大樹は話題を変えた。

「宮島を待ってた」

 その言葉に一瞬ドキッとするが、簡単に騙されはしなかった。

「俺がここ通って帰るって知らんやろ」

「うん、初めて知った」

「じゃあ俺を待ってたってウソやん」

「ウソって言い方は止めてや」

「じゃあなんて言えばいいん?」

「リップサービス」

「それもウソの一種やん」

「でもウソって言うのは悪い感じがするけどリップサービスはいい感じやろ?」

 表情を全く変えずにひらりが喋るので、冗談で言っているのか本気なのか判断する事が出来なかった。

「やろ?って聞かれても俺からしたらどっちもどっちやけどな」

「私が違うって思ってるからそれでいいねん。座ったら?」

 ずっと自転車に跨ったままだったが、ひらりがスペースを空けてくれたので、遠慮なく座る事にした。

「その前になんか買って来る」

 店に入ると大ちゃんいらっしゃいと店主である義和と君江が笑顔で迎えてくれる。もうおじいちゃんとおばあちゃんと言ってもいい歳だったが、大樹は小さい頃からの癖でおっちゃん、おばちゃんと呼んでいた。祖父母の家が遠い大樹にとって坂上商店は祖父母の家も同然だった。

「大ちゃんももう高校生か」

「それ言われんの五回目ぐらいやで」

 店は少し大きな声を出せば端と端で会話出来る広さで、そこには駄菓子からお酒、子供から大人までを対象にした品物が並べられている。大樹が中学生の時に少し離れた所にコンビニが出来、商店の存続を心配したが、夫婦のいつ潰れてもおかしくないという言葉とは裏腹に店は変わらずだった。

「赤ちゃんの時から知ってるんやから何回でも驚くやろ」

「学校は楽しい?」

「まだ分からん。高校生になってまだ一週間やからな」

「一週間でも楽しいか楽しくないかは分かるやろ」

「俺には分からん。勉強嫌いやしな」

 ここではバーコードを通す事はせずに夫婦が金額を直接レジに打ち込むので、大樹は商品を見せお金を置いた。レシートを受け取らない事は分かっている義和は代わりに

「楽しまなもったいないで」

と言葉を掛け、大樹はへーいと適当な返事をして店を出た。


「大ちゃんはよくこの店に来るんやな」

 店を出るとひらりは弱みを握ったとばかりの顔で大ちゃんと呼んだ。大樹は買ったアイスを食べながらひらりの横に座った。坂上商店の看板は錆びて所々文字が欠けているのに店前に置かれている二つのベンチは誰かが塗り直しているのかいつもキレイな赤と青だった。

「ガキの頃から来てる。初めてのおつかいもこの店やったな」

「へー、そうなんや。って事はこの辺に住んでるんやな」

「あそこが俺んち」

 坂上商店がある通りの突き当りにあるアパートを指さした。外観が古くて明らかに安アパートの風情を醸し出していて少し恥ずかしい気持ちもあったが、事実は変わらないと素直に言う事にした。

「メッチャ近いやん」

「うん、メッチャ近い」

「そりゃもう高校生かって感慨深くもなるな」

「まぁ、そうやな」

 初めてランドセルを背負った時や中学の制服を着た日、そして高校に受かった報告も全部母親である環の次は坂上夫婦だった。環が撮った写真の三割は坂上夫婦も写っている。

「それ美味しそうやな」

「うん、メッチャ美味い。俺はアイスの中やったらこれが一番やな」

 クッキー生地にチョコアイスが挟まれているアイスは大樹が子供の頃からの好物だった。

「まだ楽しいか分からんの?」

「丸聞こえやな」

「聞かれて困る事もないやろ?」

「ないな」

「じゃあいいやん」

「いいんやけどさ、会話が丸聞こえって事はツッコんどいた方がいいやろ?」

「ツッコまれんかったら、普通に受け入れんねんなとは思うな」

「やろ?ってか大沢ってちゃんと関西弁なんやな」

「なにそれ?」

「いや、なんかあんま関西弁似合わん顔やから」

「ギャップ萌え?」

「なんでそうなんねん」

 そう言いながらももしもここが東京で周りが標準語を喋る中、ひらりが関西弁で話し始めたら可愛さ二倍増しだという事が簡単に想像出来た。

「そもそも関西弁似合わん顔ってなんなん?」

「分かってて聞いてるやろ?」

「なにが?」

 ひらりの顔は本当に分からないという顔をしていて、わざと褒めさせようとしてるんじゃないかと疑った事を大樹は反省した。ひらりは気を悪くした様子もなく

「大ちゃんは関西弁顔なん?」

ともうからかう口調ではなく、大樹の事を大ちゃんと呼ぶのが当たり前の様にそう聞いた。

「俺はいかにもって感じやろ」

「やろって言われても分からんねんけど」

「ちょっとやんちゃな下町の男って感じせーへん?」

「そうなん?」

「えっ、違う?」

「いや、分からん」

「分からんのか」

「うん、分からん」

「分からんならいいわ」

「そもそも下町の男じゃなくても関西弁顔はいるやろ」

「それはそうかもな」

「なぁ、一週間も経ったら楽しいか分からん?」

「話し戻すんや」

「うん、戻す」

 最初は淡々と話すひらりの口調に少し戸惑いがあった大樹だったが、今は妙に心地良くなっていた。

「大沢はどうなん?」

「私は普通に楽しいで」

「普通に楽しいってなに?楽しいに普通とかあるん?」

「あるやろ」

「俺には分からん」

「じゃあそのアイスはどれぐらい美味しい?」

「これはメッチャ美味い」

「じゃあそのアイスの次に好きなアイスはどれぐらい美味しい?」

「これよりは下かな」

「それって普通って事じゃないん?」

「それが普通って事なんか」

「そうやで」

「そうか」

 こんなにも盛り上がらない会話なのに何故か心地良く、穏やかに過ぎていく時間を大樹は悪くないと思っていた。

「でもさ、普通に楽しいって事はメッチャ楽しいって訳じゃないんやんな?」

「普通やからな」

「それでいいん?」

「だって一週間でメッチャ楽しいまでいったらその後は落ちていくだけやろ?それよりも今後上がっていく方がいいやん」

「メッチャの上があるかもしれんやん」

「それはあるかもやけど」

 ひらりはそう言って言葉を止めた。気になった大樹がひらりの方を見るとひらりは上を見上げていて、その視線の先には電線に止まっているカラスがいた。大樹の視線に気付いたひらりはイタズラっぽく笑って

「早よ食べなアイス取られんで」

と言い、大樹はそんな事はないと思ったが、ひらりを笑わせようと残っていたアイスを一気に口に入れた。

「メッチャ楽しいの上が毎日続いたらしんどいやろ」

 ひらりは大樹の行動に何も言わずに話しを続け、カラスがもうここに用はないと言わんばかりに飛び去った。大樹が飲み込むまでしばらく時間が掛かったが、ひらりは言葉を続けずにただ空を見ていた。

「なんでツッコめへんねん」

 ひらりが一人だったらいい雰囲気だが、横に口いっぱいにアイスを頬張った自分がいる横で黄昏ている状況が理解できず、思わず大声を出していた。

「なにが?」

「俺がアイスを一気に食った事にや」

「えっ、なんかツッコむ所あった?」

「あったやろ。カラスがアイスなんて食う訳ないのに俺は大沢の言葉を信じて急いで食べたんやで?何も言わんでもせめて笑うとかあるやろ」

「カラスもアイス食べるんやで」

「マジで言ってる?」

「大マジ。私は昔カラスにアイスを持って行かれた人を見た」

「トンビじゃなくて?」

「そう聞かれたらトンビかもしれん。でも同じ鳥やねんからカラスも同じや」

「同じやないやろ?大沢の理論やとカラスもニワトリもペンギンもハシビロゴロウも同じって事になる」

「ゴロウって誰?」

「あれや、口ばしがメッチャ立派でキリっとした目をしたカッコいいやつ」

「それはゴロウじゃなくてコウや。ハシビロコウ」

 そう言ってひらりは笑った。ニッコリではなく、アホやなってニュアンスが含んでいる様な笑い方だった。

「ゴロウもコウも一緒やろ」

「それは全国のゴロウさんとコウさんに失礼や。大ちゃんだって大樹も電気も一緒って言われたら嫌やろ?」

「その例えなんやねん」

「パッと出て来たのが電気やってん。とにかく違う物と一緒にされるのは嫌やろ?」

「自分は鳥をひとくくりにしたくせに」

「鳥は鳥やん」

「そう言われたら間違ってはない気がする」

「そうやろ?」

 ここでようやくひらりはニッコリと笑ったが、大樹にはその笑顔が勝ち誇った顔にしか見えず、純粋なひらりの笑顔を見てみたいと思っていた。

「大ちゃんは勉強嫌いやのになんで高校行こうと思ったん?」

「その話題から離れへんのやな」

「話しの途中って気持ち悪いやん」

「じゃあ先にもっと途中になってる話しからしよ。メッチャ楽しいの上が毎日続くってしんどい事なん?普通に楽しくない?」

「メッチャ楽しい事が普通に楽しいって矛盾してない?」

「それはしてるな。メッチャの上が続くって楽しくていいやん」

 反論したらまた話しが逸れてしまうと大樹は指摘を素直に受け入れた。

「えー、でもさ、そんだけテンション上がる毎日って体力消耗するやろ」

「高校生なんてアホみたいにはしゃいでナンボやろ」

「でも大ちゃんはそうじゃないやろ?」

「俺はまだ楽しいか分からん状態やからな。大沢は楽しいんやったらもっと楽しめばいいやんって俺は思う」

「私は普通に楽しいがちょうどいいから。たまにはハメ外すかもやけど、基本的に普通に楽しかったらいいよ」

「大ちゃん、友達とこれ飲み」

 店の中から義和が出て来て、手に持っていた缶ジュースを大樹に渡して二人がお礼を言う間もなくまた店に戻って行った。

「大ちゃんの知り合いって得やな」

 手を差し出してきたひらりに遠慮しないタイプなんだなと思いながら一本手渡し、大樹も遠慮なくプルタブを引いた。

「美味しい。なんかいいな」

「なにが?」

「雰囲気ある店に寄り道してサイダーを飲むって青春って感じがする」

「青春ってもっとキラキラしたもんやろ」

「部活で全国目指すとか友達としょうもない事で笑い合うとかそんな感じ?」

「そう」

「確かにさ、部活で全国目指したりとかはさメッチャ青春やけど、これも普通に青春やで」

 普通に青春とは誰にとっての普通なのだろうか。そんな事を思いながら大樹は話しを続ける。

「これが青春?俺には分からんな」

「私には分かる。ただ喋ってサイダー飲むのに時間使うって贅沢って事も分かる」

「もっと時間は有効に使えって事?」

「大人になったら嫌でも時間なくなるからこうやってのんびりするのは悪くないって事」

「後悔せん?あの時の時間があったらって」

「あの時はあんなゆっくりとした時間を過ごせたって羨む事はあるかも」

「その時間で勉強してたらって後悔する事になるかもやで」

「勉強はちゃんとするよ。それこそ後悔せん為に」

「すごいな」

「なにが?」

「ちゃんと勉強するって言う所が」

「そりゃするよ。高校生の本分は青春と勉強やろ。そもそも勉強せーへん人達が来る様な学校じゃないやん」

 二人が通うさかのした高校は公立の中では有名大学への進学率が高い学校だった。部活動も盛んで施設も整えられており、学校生活は快適に送れるが、学校が約五十メートルの坂の上にある事から坂の上なのにさかのした高校という名前はおかしいとほとんどの生徒が口を揃えて言っていた。

「まぁ、確かにな。俺もちゃんと勉強したもんな」

「嫌いやのに?」

「家からチャリで行ける一番近い所やからな。オカンに交通費は出せへんからチャリで行ける高校行けって言われたから俺には勉強するって選択肢しかなかってん」

「それでもちゃんと勉強したんはすごいな」

「すごいか?」

「うん、凄い」

「そうか。そんなん初めて言われたわ。それが当たり前やと思ってたから」

「それを当たり前やと思ってんのもすごいで」

「そういうもんか」

「そういうもんや」

 そうかと独り言の様に呟いて大樹は残っていたサイダーを一気に飲んだ。アイスを食べ、冷えたジュースを飲んだので体が冷えて来ていた。

「寒なって来たからそろそろ帰るわ」

「明日も来る?」

「ここに?」

「他にどっかある?」

「ないな。わざわざ学校に来るかなんて聞いてこんよな」

「聞かんな。それに学校で会ってもおもんないやん」

「おもんないって?」

「学校で会うのなんて当たり前って事。今日みたいにたまたま会うからいいやん」

「明日も来るか確認してる時点でもうたまたまじゃないけどな」

「私は来るか聞いただけで、明日もここで会おうって言った訳じゃないから。私がここに来たい気分になったら来る。だから会えたらたまたまや」

 これもひらりじゃなければ受け入れがたい言葉だったが、ひらりが言うと不思議とそうなのかという気持ちにさせられた。

「じゃあ明日たまたま会えたらまた青春しよや」

「そうやな。それが高校生の本分やからな」

「って事で今日の所は帰るわ。とりあえずまた明日学校で」

「会えたらいいな」

「それは会うやろ」

「そんなん分からんやん」

 そう言われてひらりが風邪を引いたり、身内の不幸などで学校に来れない事もあるのかと

「じゃあ明日ちゃんと学校行けて帰りにたまたまここで会えたらまた青春しよ」

と言い直した。さっきは学校で会うのは当たり前って言ってなかったっけ?という疑問はそっと胸にしまった。その言葉にひらりは少し嬉しそうな顔で頷いた。


「昨日の女の子待ってんのか?」

 坂上商店の前のベンチに座っていると義和が隣に座ってタバコに火を点けた。

「分からん」

「分からんってなんや?」

「分からん」

 ひらりがここに来るのか来ないのか。自分はここに居るべきなのかそうじゃないのか。何もかもが分からなかった大樹はそう答えるしかなかった。

「あの子は大ちゃんの彼女か?」

「それは違う」

「俺は大ちゃんの子供を見るまでは死ねんから早うしてくれると助かるんやけどな」

「それやったら遅くに子供作るからそれまで長生きしてや。そんで俺の子供もここに初めてのおつかいさせに来るから夫婦二人ずっと元気で居てや」

「それやったら早う子供作って孫まで見せてくれや」

「遅くに子供出来ても孫が生まれるまでおっちゃんが長生きすればいいだけや」

 大樹にとって坂上商店は生まれた時からずっとそこにあり、坂上夫婦と共に一緒に歳を重ね、なくてはならない場所だったのでいずれシャッターを下ろす時が来るとしてもその時は出来るだけ遅くあって欲しいと願っていた。

「おっ、来たみたいやな。またジュースでええか?」

 曲がり角からひらりの姿が見え、義和はタバコを消して立ち上がった。

「ちゃんと金払う。店潰れたら困るからな」

「そんなんで潰れるんやったらとうの昔に潰れてるわ」

 大樹の冗談に義和は笑って答える。せっかくだからと大樹はお気に入りのアイスを手にした。

「出世払いするからちゃんとつけといてや」

 その言葉に義和は右手を上げて答えた。

「大ちゃん来てたんやな」

「家そこやからな。大沢こそここに来る気分やったん?」

「なんかここの雰囲気好きやねん」

「それ分かる。これ半分ずつしよ」

「いや、いいわ」

 きっとひらりは喜んでくれるだろうと思っていた大樹は予想外の言葉に袋を開けかけていた手を止めた。

「食べへんの?」

「うん」

「昨日美味そうって言ってたのに」

「美味しそうって言ったけど食べたいとは言ってへんやろ?」

「それはそうやけど、美味そうイコール食べたいって事やろ?」

「それは大ちゃんの感覚や。私の中ではそうじゃない。ただ美味しそうやなって感想を言っただけや」

 ひらりの言う事に間違いはなかった。それならわざわざ美味しそうって言わなければいいのにと大樹は納得のいかない気持ちでいっぱいだった。

「でもこれ二人で食べっておっちゃんの奢りやから」

「そうなん?それやったら食べるわ」

 大樹は袋から半分だけ出し、ひらりが口をつける所に触れない様にと出来るだけ上の方を持ってアイスを割ったが、それは見事に失敗した。二対八に分かれたアイスの八をひらりに差し出した。

「全然半分こじゃないやん」

 呆れた様に笑いながらひらりはそれを受け取った。

「私、気にせんからこのまま半分まで食べたら?」

 そう言われて断ると変に意識をしていると思われると大樹は気にせずそうする事にした。

「なぁ、入学式の校長先生の話しって覚えてる?」

「いきなりなに?」

 早くしないと溶けてしまうと大樹は半分まで食べ切ってひらりに残りを渡した。口ではああ言ったけど、本当に気にしないのだろうかと思っていたが、ひらりは当たり前の様に渡されたアイスを食べ始めた。

「うん、美味しい」

「やろ?で、なんでいきなり校長の話し?」

「なんかさ、授業中にふと思ってん。先生の雑談とかって結構覚えてるけど、校長先生の話しって今まで通して何も覚えてないなって」

「覚えてないんじゃなくて聞いてないんじゃないん?」

「うーん、そうかもしれん。でも気持ちは聞いてる」

「それどういう事やねん」

「今日から高校生かって気持ちはシャンとしてるから真面目に式には出席してるんやけど、気持ちだけで頭と耳は別の所に気、取られてる可能性があるなって」

「それはつまり段々飽きて来るって事やな」

「そうとも言える」

「そうとしか言えんやろ」

「そう言う大ちゃんは覚えてんの?」

「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございますは覚えてるで」

 ひらりを笑わせようと思って言った言葉だったが

「そんなんやったら私も覚えてる。私が聞いてんのはもっと中の話し」

と真面目に返されてしまった。教室では屈託のない笑顔で友達と話しているのにと大樹は内心不貞腐れていた。

「高校の入学式は何も覚えてないけど、小学校の卒業式の校長の話しはちょっと覚えてる」

「どんなんやったん?」

 大樹は咳ばらいをし、ぼんやりとしか覚えていない校長の口調をマネ始めた。

「きっと皆さんは今私が話している内容は長くてつまらないと思っている事でしょう。私の話しはそれでもいいですが、皆さんの身近に居る大人達の話しはちゃんと聞いて下さい。その時にはありがたみが分からないかもしれませんが、大人になってから分かる時が来ます。大人達がうるさく言うのは自分が後悔して来た経験があるからです。同じ後悔を子供にさせたくないからこその言葉です。みたいな感じやったかな」

「確かにメッチャいい話しやな」

「やろ?俺、これ聞いた時にオカンがうるさいのも俺の為かって思ったらちゃんと話し聞ける様になった」

「大ちゃんは素直なんやな」

「大沢は違うん?」

「私は元々お母さんに反発なんかせんし、お母さんもそんなにうるさくは言ってけーへんから」

「オトンは?」

「お父さんは一人娘が可愛くてしょうがないから甘やかしてばっかや。寧ろお父さんの方がお母さんに色々言われてるわ」

「オトンの服と一緒に洗濯せんといてとかないん?」

「ないな。お父さんちゃんと清潔やし。さすがに一緒にお風呂は早々に卒業したけど。でもさ、大ちゃんはその言葉覚えてるって事はちゃんと話し聞いてたんやな」

 ひらりが立ち上がったのでもう帰るのかと思ったが、店の中に向かってごちそうさまでしたと声を掛けてまた座った。

「聞いてたんかは謎やけどな」

「でもさ、全く聞いてなかったらその部分も覚えてないやろ?ずっとつまらん話しやなって思いながらも聞いてたからこそ頭に残ったんちゃうん?」

「かもな。でももしかしたらつまらんなって思ってて急に校長が誰しも思ってる事を口にしたからそこから聞き始めた可能性もある」

「でもその校長はちゃんと聞いてる人に自分の言葉届けたんはすごいな。これぞ校長って感じや」

「確かにな。自分の話しを長くてつまらんって言ったんが正解やったんやろうな」

「ほとんどの生徒と親が頷いたやろな」

「そうかもな」

 その時実際どうだったかは覚えていなかった。大樹は校長の話しを心に刻んだが、卒業式の後に校長の話しが話題に出る事はなかった。大樹自身もひらりに校長の話しをされ今まで思い出す事のなかった言葉を思い出した。そして大樹の頭の中はあるイメージが浮かび、それが思わず言葉になって出ていた。

「引き出しみたいやな」

「引き出し?なにが?」

「校長の言葉が引き出しから出て来たみたいやなって」

「もっと分かりやすく言って」

「大沢に校長の話しされて俺は校長の話しでなんか喋れる事あるかなって頭の中で考えるやん?そんで出て来たから靴下が片方しかなくて引き出し開けて探してんのと似てんなって思って」

「あぁ、そういう事か。その表現って結構使われてんで」

「そうなんか。まぁ、別にドヤ顔して言った訳じゃないし、俺が思う事は他の人が思っててもおかしくないから別にいいんやけど」

「とか言いながら俺メッチャいい事言ったわとか思てる?」

「マジで思ってへん」

「大ちゃんの頭の中には他にはどんな引き出しがあるん?」

「そんなん話題振られな分からん」

「それもそうか。じゃあ私が色んな引き出し開けさせるわ」

 それはこれからもここで多くの時間を過ごすという事なのかと聞きそうになったが、きっとそうだとは言わないだろうと聞かないでおく事にした。

「で、学校は楽しくなった?」

「昨日の今日でなんも変わらんやろ」

「変わる場合だってあるやろ。楽しいなんてちょっとしたきっかけで思うやん」

「例えば?」

「今日もまた私とここで喋るとか」

 ずっとお互い前を向いた状態で話していたが、ひらりはどんな顔をしてその言葉を言ったのだろうと大樹はひらりの顔を見たが、ひらりの顔には何の表情も浮かんでいなかった。

「もしそうやとしてもそれは学校が楽しいんじゃなくて放課後が楽しいって事になれへん?」

「放課後の楽しみがあったら学校に行くのも楽しみにならへん?」

「逆やな。放課後楽しみがあったら学校に行くんが嫌になる。大沢はそうじゃないん?」

「そもそも私は学校普通に楽しいって思ってるから」

「そこはその前提置いといてや。もしも学校行くの楽しいって思ってなかったとして放課後楽しみがあれば学校も楽しみになるん?」

「早く放課後になって欲しいと思うな」

「なんやそれ」

 ひらりの言葉に大樹は笑った。こんなにも肩の力が抜ける笑い方は久し振りで、今後もひらりとここで会うならきっとその内放課後の楽しみになる。大樹はそんな予感がしていた。

「大ちゃんは部活とかやらんの?」

「そう言う大沢こそ部活入らんの?」

「質問に答えてから質問してや。質問に質問で返す男は嫌われんで」

「俺は部活よりバイトしたいなって思ってるから。で、大沢は?」

 別に嫌われるのが嫌で素直に答えた訳ではないと言いたかったが、言い訳する男も嫌われると言われそうだとその言葉は大樹の心の中で留まった。

「全国目指すとか私には合えへんから」

「いや、なんでそうなんねん」

「私が入りたいのバスケ部やから。私には向いてない」

 その言葉に大樹は本当は部活をやりたいという思いが込められている様に感じていた。

「バスケ部やからなんなん?」

 ハッキリと言葉にした訳ではないのにやりたいという思いが伝わるぐらいなのだからやればいいのにと思いながら大樹は言った。

「知らん?ウチのバスケ部全国大会常連なんやで」

「知らんかったわ」

「ちなみにバイト禁止やで」

「えっ、マジで?」

「ううん、冗談」

 真顔で放たれたその言葉に真実はどちらなのだろうと大樹はひらりの顔を見た。横から見てもバランスの取れた顔立ちに大樹は思わず

「大沢ってバランスのいい顔してるよな」

と言っていた。

「それって褒めてる?」

「どうやっても褒めてるやろ」

「褒めるんやったらもっとストレートに褒めてや」

「大沢の顔にはバランスがいいって言葉が最上級の褒め言葉や」

「それやと特別可愛くもキレイでもないからなんとか褒めといた感満載やねんけど」

 そう言われても可愛いとキレイという言葉は何か違うと大樹は話しを戻す事にした。

「で、バイト禁止って冗談なん?マジなん?どっち?」

「だから冗談やって」

 元々そこまで話しを続ける気もなかったのか話しを変えた大樹をひらりはすんなりと受け入れた。

「ホンマに?」

「ホンマやって。しつこい男も嫌われんで」

 ここで言われてしまったと大樹は苦笑いを浮かべた。そんな大樹を笑う様にカラスの鳴き声が聞こえて来た。

「バスケ部以外に入りたい部活ないん?」

「んー、多分ない」

「多分ってなに?」

「中学の頃はずっとバスケやってたから、それ以上に面白い事があるとは思えん。でも私がそう思ってるだけでもっと面白いって思える事はあるかもやから多分」

「全国を目指すバスケ部とそうじゃないバスケ部の違いは?」

「練習量と部員と顧問の熱量」

「それ聞いただけでしんどいわ」

「やろ?私も想像しただけで疲れた。私はもっと気楽にバスケしたいからそれは趣味にする」

「うん、そうした方がええな。ただ楽しみたいだけやのに練習キツかったら結局続かんやろうし」

「なぁ、大ちゃんの名前は?」

「えっ、もしかして俺の名前知らんのに喋ってたん?」

 そうでもおかしくはない雰囲気がひらりからは漂っていたが、昨日宮島と呼ばれた事を思い出し、下の名前の話しだったかと答えてから気付いていた。

「名字は知ってるよ。宮島やろ?」

「宮島です」

 キメ顔でひらりの方を向いたが、ひらりは何が気になるのかベンチの下を覗き込んでいて大樹の顔には全く見向きもしなかった。

「下の名前は?大ちゃんって呼ばれるぐらいやから大輔とか?」

 ひらりが大樹の方を向いて聞いたが、今度は大樹がベンチの下を覗いていて目が合う事はなかった。

「大樹。大きいに樹木の樹で大樹」

「いかにも大ちゃんって感じや」

「別に大輔でも大樹でも変わらんやろ」

「ううん、大樹の方が大ちゃんっぽい」

 何を言ってもひらりの考えは変わらないだろうと大樹はそれ以上何も言わなかった。

「大沢のひらりって名前いいよな」

 入学式の日の自己紹介でひらりという名前が耳馴染みが良く、大樹はひらりの名前を覚えていたが、下の名前まで覚えてるのは気持ち悪いと思われるだろうかと横目でひらりの表情を窺ったが、ひらりの表情からは何も読み取る事が出来なかった。

「書きやすさも抜群やで」

「ひらりってひらがな?」

「そうやで。漢字ってムズくない?」

「言われてみれば」

「大樹は画数多いから書くのめんどそう」

「もっとめんどい奴はいっぱいおるからな」

「それもそうか」

 そう言ってひらりは立ち上がった。カバンを持った所を見ると今度は帰る様だ。

「また明日」

 それは学校でなのかここでなのか。聞いた所でひらりからは答えは得られないだろうと大樹は右手を上げて応えた。


「大ちゃんフラれたんか?」

 二日連続坂上商店でひらりと過ごした後、土日を含めると一週間ひらりは坂上商店に来なかった。学校にはいつも通り来ていたのが、約束をしている訳ではないからと大樹は学校でひらりに話し掛ける事はしなかった。

 ひらりが来なくても大樹は毎日坂上商店のベンチに座ってアイスを食べていた。食べ終わってもしばらくベンチに座っていれば大樹がひらりを待っていると思われるのは当然の流れだった。

「そんなんじゃないから」

「でも大ちゃんはあの女の子の事好きなんやろ?」

 義和が大樹の横に座ってタバコに火を点けた。大樹の横にはラムネが二本置かれている。そのラムネはひらりが来たらと義和に渡された物で、取り置きと書かれたメモが貼られたラムネはもう何度も冷蔵庫から出し入れされている。

「男と女が会ってたら付き合ってるとかもう古い考えやで」

「じゃあ大ちゃんはあの子の事全く好きやないんか?」

「好きか嫌いかで聞かれたら好きやけど、恋愛感情の好きじゃないから」

「ばあさんもあの子はいい子やって言ってる」

「言ってるからなんやねん」

 大樹は膝に肘を立てて頬杖をついた。それを店の中から見ていた君江も外に出て来てもう一つのベンチに座った。

「おばちゃんも俺の心配してくれてんの?」

 小さい頃から君江が店の外に出て来る時は大樹の心配をしてくれる時だった。ベンチに座らずとも外まで来て家に帰るのを見送ってくれる君江の温かさを大樹はよく分かっていた。

「大ちゃんがそうやって座る時は心が寂しいって思ってる時やからな」

「そうなん?」

 表情を読み取られる事には慣れていたが、まさか何気ない仕草からも自分の心情を読み取られているとは思わなかったと大樹は驚いたが、それも一瞬の事でそれも当然かと受け入れた。

「小さい頃からそうやったんよ。いつも元気いっぱいの大ちゃんが面白くなさそうに頬杖ついたらお母さんが帰って来るの遅いとか友達とケンカしたって日ばっかりやった」

「俺は大沢に会いたいって思ってるんか?」

「そうやろな」

「そうなんか」

 母親に言われたら絶対にそうじゃないと反抗する言葉でも坂上夫婦が言えば素直に受け入れられた。

「学校では話さんのか?」

「話さん。俺も大沢もクラスの友達と話すから。挨拶ぐらいはするけど」

「なんやおもろいな」

「なにがおもろいねん」

「ここでやったら仲良う話してんのに学校やったら話せへんのがや。今時はそうなんか?」

「人によるやろうな。俺も大沢の事よく分かってないから。大沢が話し掛けてけーへんって事はそうなんやろうなって思って俺も話し掛けん」

「でも大ちゃんは話したいと思ってるんやろ?」

 ここに毎日来ている理由を君江はそう受け取っている様だ。大樹はひらりが来ていたら一人になってしまう。それは可哀想だと思っていたが、自分にひらりを待つ義理はない。そう聞かれて自分の中の素直な気持ちをひらりの為という押しつけがましい気持ちで上書きしてたんだという事に気付かされた。

「まぁな」

「じゃあ学校で言えばいいだけや。今日カッコイイおっちゃんとキレイなおばちゃんがいる店で待っとるってな」

 そう言って義和はタバコを灰皿に押し付けながら豪快に笑った。大樹は苦笑いを浮かべながらラムネを冷蔵庫に戻しに店に入った。メモを貼っているが、うっかり他のお客さんに買われない様に一番後ろに隠すように冷蔵庫に入れた。

 大樹が店の外に出るのと入れ替わりに小学生のグループが店に入り、義和も君江も店に戻った。もうここで待っていてもひらりは来ないだろうと大樹は自転車に跨った。


「なんで大沢の方が早いん?」

「だいちゃんが遅いだけや」

 義和のアドバイスを元に大樹はひらりにおじちゃんがラムネ買ってくれてるから飲みに来てと声を掛けていた。

「いや、普通に考えてチャリの俺のが早いやろ」

「なんで私が歩きやと決めつけてるん?」

「あっ、歩きちゃうんか。それは考えてなかった」

「いや、歩きやで」

「えっ、歩きなん?さっきの話しの流れやったら歩きちゃう感じやったやん」

「歩きじゃない可能性もあるでって話しやん」

「じゃあ歩きやのになんでチャリの俺より早いん?」

「チャリじゃ通られへん近道があんねん」

「えっ、マジで?」

「うん、マジで」

「じゃあ俺チャリじゃない方がいいんちゃうん?」

「それは大ちゃんが決める事や」

「今度その道教えて」

「気が向いたらな」

「いつ向くん?」

「それは分からん」

「じゃあ気が向いたら教えて」

「分かった。その時は教えるわ」

 大樹が店の中にラムネを取りに行くと坂上夫婦の言葉にせずとも全てが分かる視線を感じ、大樹は逃げる様に外に出た。

「これ大沢の分」

「ありがとう」

 ひらりは手にしたラムネを直ぐには開けず、取り置きと書かれたメモを見ていた。そして座ったまま店の中に体を向けていただきますと元気で明るい声で夫婦に声を掛けた。そういう所が好かれるんだよなと思いながら大樹はラムネのビー玉を落とした。

「えっ、なんで?」

「なにが?」

「ラムネって上押したら吹きこぼれてくるやん」

「ベンチの上にラムネ置いて上から思いっ気りビー玉を押す。で、押したらしばらく手そのままにしとく。それでこぼれんから」

「それだけ?」

「それだけ」

「ホンマに?」

「俺はおっちゃんに教えてもらったんやから間違いはない」

「それなら大丈夫そうやな」

 そう言ってひらりは大樹が言った様にビー玉を落とした。押さえている手に力が入っているのが見ている大樹にも伝わって来て、その必死さに自分の言う事だったら信じられないのかと言おうとしていた気持ちはなくなっていた。

「もういけると思うで」

 ひらりが手を離してもラムネが吹きこぼれる事はなかった。

「ホンマや。すごいな」

「おっちゃんが初めて見せてくれた時は魔法やと思ったな」

「大ちゃんの可愛い幼少時代?」

「今も可愛いやろ?」

「まぁ、ラムネ飲もうって誘って来たのは悪くなかった」

 絶対に否定的な言葉が返って来ると思っていた大樹はまさかの言葉に思わずラムネを飲み損ね制服にこぼしていた。動揺したのがひらりにバレると大樹は慌てたが、ひらりはまたベンチの下を覗き込んでいた。

「前も下見てたけど、なんかあるん?」

「うーん、メッチャ面白い事はないんやけどさ」

 そう言ってひらりはラムネを一口飲んだ。大樹は言葉の続きを待ったが、ひらりが口を開く気配がなかったので、大樹は話しの続きを促した。

「面白い事はないけど、なにかはあるんやろ?」

「うん。このベンチって塗り直されてる感じあるやん?でも裏は年季を感じるからそれがなんかいいなって思って」

 そう言われて大樹もベンチの下を覗く。あまり雨風に当たらないからかそこまでの劣化はなかったが、確かにそこに時間経過を感じさせられた。

「大沢ってちょっと変わってるな」

「ベンチの下に風情を感じるのが変わってる?」

「うん」

「私からしたらただ座ってんのもったいないなって思うけどな。どうせならちょっとした発見あった方が楽しいやん」

「言われてみればそうかもな。なぁ、連絡先教えて」

「なんで?」

「なんでって友達やったら別に普通やろ」

「私達友達なん?」

 まさか恋人なんて事はないだろうと大樹は冷静に判断し話しを続ける。

「大沢にとって俺はただのクラスメイト?」

「青春仲間やな」

「それは友達じゃないん?」

「友達ってアホな事で笑ったり帰りにファミレス行ったりカラオケ行ったりするやん」

「そっちのが青春っぽいけどな」

「こっちの方が青春やろ。ありふれてそうやけど、そうじゃない時間のが青春や」

「そうか。じゃあまたここで喋ろ」

 本当は事前に待ち合わせをしたかったが、この流れだとひらりは連絡先を教えてくれないだろうと大樹は諦める事にした。

「うん、私ここの雰囲気好きやし。そろそろ学校楽しくなって来た?」

「それは分からん。でも、ここで大沢と喋る時間は楽しくて好きや」

 そう言うとひらりは初めてニッコリと純粋な笑顔を見せた。その笑顔を見ながら大樹はこれぞ青春やなと思っていた。





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