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第6話 初任務② 守るべきもの

私と咲弥は任務で柚子のフルーツガールズの保護の為に徳島県の剣山(つるぎざん)へ向かい、そこで目的の彼女に出会う。方言を話す彼女に対し、私は勝手に柚子の品種の1つである多田錦(タダニシキ)と命名した。


「多田…錦?何か、それは」

「柚子の品種の1つだよ。どう?」

「悪うないかも。ありがとう」

「君は1人でここに住んでるの?」

「いいや、もう1人おる。うちによう似た緑色の()や」

「その娘がどこにいるかとか分かる?」

「うちゃさっきからその娘を探しよるんや。手伝うてくれんか?」

「いいよ。それで、どこを探せばいいの?」

「どこって言われても分からん。だってあの娘は連れ去られたけん」

「何だって!?」


「咲弥、今何て言ったか分かった?」

「少しだけ。でも、助けないといけないってことは分かりました」

「それじゃあ、あれ使って」


私たちは『果実娘探査機(フールティルフルクト)』を使って錦ちゃんに似た緑色の娘を探した。

しばらく捜索し続けていると、反応のあった山奥の地点に何人かの男に囲まれたそれらしきフルーツガールを見つけた。


「胸こそは大きくはねぇが、エロい体してるなぁ」

「やめて!これ以上は嫌じょ!」

「そうやって聞きなれない語尾使うのもまたいいねぇ。その体で、言葉で、俺たちの財布と欲を満たしてくれよ」

「じゃあ、まずはうちの血ぃ飲んでくれる?」

「なんで血?まぁいい、んじゃあ、遠慮なくいただきます」


そう言って、密猟者らしき男はその娘の指に切り傷をつけ、そこを舐めた。


「!?!?!?!?!?!?ン×ーーーーーーーー!!!」


男の絶叫は、数秒にわたって続いた。


「ハァ…、ハァ…、何でこんなに血がすっぱいんだ!?俺を殺すつもりだったんだろうが、もういい、強制的に連れ帰ってやる!!抵抗すれば無論、殺す」

「そ、そんなぁ…」


それを見ていた錦ちゃんが耐えかねたようだ。


「ねぇお姉ちゃんたち、どうにかならんの?」

「大丈夫、今何とかするから。咲弥…ってあれ?咲弥?」


気づいたときには、彼女はリーダー格らしき男を横から狙っていた。


「咲弥、ダメ!!!」


私の声で自分に気づいたのだろう、目つきが変わった。

そして咲弥は男の鼻筋すれすれに発砲した。弾は狙い通りに鼻筋をかすり、切れた。


「痛っ!?何だ今の…」

「あなたたちは極悪非道なことをしています!!自分で何をしているのか分からないのですか!?」

「その服装は『FJVV(フィブ)』!?…いや、少し違うか。まぁいい。誰にせよ俺に敵対しようモンなら殺す」

「やれるならやってみてください!!」


そう言いながら咲弥はリロードせずに何十発も発砲した。しかし、それら全ては命中することなく全員の体をすれていき、気づく頃には男たちは全員傷まみれになっていた。


「連行する為にあえて殺しません。しかし、あなたたちのしたことは犯罪であり、決して許されません!」

「ふっ、ふざけるなぁぁぁ!!!」


男の1人が剣を振り回しながら咲弥に向かっていった。私はとっさに発砲してその剣を粉砕した。


「麗華、ナイス!」


「おい、こっちを見ろ!」


リーダー格の男の大声が聞こえ、その方を見るとあの娘の首に剣が突きつけられていた。


「殺されたくなければ、そこのもう1人も渡すことd…」


突然、男の声が消え、男は倒れた。そこを見ると、咲弥が恐ろしい目つきで立っていた。すると、咲弥は軽々と男の胸ぐらをつかんで持ち上げ、心臓があるであろう位置に銃口を突き付けた。


「咲弥、これ以上はダメだよ」


一言で落ち着きを取り戻した咲弥はその男を地面に叩きつけ、そそくさと他のメンバーを縛り上げ始めた。

開放され、緑この人たちは密猟者やないでよ色の()が私に近づいてきた。


「助けてくださり、ありがとうがーす」

「いいんだよ。それに、私たちは君たちを保護しに来たんだよ」

「まさか、あんたたちも密猟者か!?」


「すだち、このこの人たちは密猟者やないでよ」

「本当か?疑うてごめんなさい」


「別に、それはしょうがないことだから…。それで、君の名前は?」

「うち?うちゃすだちとしか…」

「そっか。でも、すだちじゃ物足らない気がするから、すだちの品種の『徳島1号』ってどう?」

「徳島…1号…、うん、悪うない!!」


そういって彼女は笑った。私は野良フルーツガールズに命名することに嬉しさを覚えていた。


続く

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