完璧人間の話
彼はいつも首輪をつけていた。
何の変哲もないただの赤い首輪だった。強いて言うならその赤は血のような少し黒い赤色だった。
僕のいる町では5年に一度神が遣わしたと言われるような天才が生まれる。
運動や学業は完璧。教えたことはすぐに出来、顔面偏差値も高く誰もが羨む人物像ができ上がる。
そんな完璧人間を街がほっておくはずもなく、その子は生まれた時から大人たちに甘やかされたり好きなものを買ってもらえるなどの素敵な空間が用意される。
そんな生活を凡人たちは羨ましがりそしてそんな生活をしている奴を恨むのだ。
昔大好きだった先生がよく言っていた言葉がある。「集団生活の中では誰かが不幸くじを引かなければ成り立たないグループがある、その中に入ってしまったが最後元の幸せには戻れない」…と。
どんなにすごい人でも助けを求めている人全員を助けることは不可能だと思う。
実際、助けを求めたのに助けて貰えずに死んでしまった人もいるのだから。
そういえばこの言葉を教えてくれた先生は今どうしているだろうか……?
あぁそういえば〇〇〇しまったっけ!
やはり世界は上手くいかないな。
誤字脱字ありましたら優しく教えていただけると助かります。
アンチはお帰りくださいm(__)m