ステラちゃんの過去
お父さんとお母さんは私が小さい頃に死んでしまったらしい。
だからなのか私の家はとても貧しかった。
頼れる親戚もなく、近所の人達にお願いして仕事をさせてもらいなんとかやりくりしていた。
けれど私はまだ小さくてあまり役にたてず、4つ年上のお姉ちゃんが私の分まで頑張ってくれた。
お姉ちゃんに迷惑をかけているのに何もできない自分がとても悔しかった。
ある日お姉ちゃんが冒険者になると言ってきた。
冒険者になればお金がたくさん手に入って今よりも生活が楽になるかもしれない。
そういってお姉ちゃんは村を出ていってしまった。
それからしばらくすると生活がだいぶ楽になった。
お姉ちゃんが村にお金を送ってくれて村自体が豊かになっていった。
みんながお姉ちゃんを褒めてくれてとても嬉しかった。
数ヶ月に一度お姉ちゃんは村に帰って来てくれた。
お姉ちゃんは体験して来たことを話してくれた。
一緒に旅をした仲間、魔物の群れ、巨大な地下迷宮、古代遺跡の探索。
それが本当なのかわからなかったが私はその話を聞くたびに冒険者に憧れたけれど体のあちこちに傷をつけていたのを見て同時に申し訳なくなった。
お姉ちゃんに助けてもらってばかりで私は何もできていないと思った。
1人で暮らして寂しいということも私のために頑張っているお姉ちゃんに言えなかった。
私が冒険者になればお姉ちゃんと一緒にいれるし、負担を減らせるのではないか?
そう思って私は稽古を始めた。
この国では16歳から冒険者になれる。
あと1年ほどたてば私も冒険者になろうと決心した。
たまに帰ってくるお姉ちゃんも私を指導してくれた。
そんな時だった。お姉ちゃんが杖をついて帰ってきたのは。
失敗しちゃったと笑っていたお姉ちゃんを見て涙が止まらなかった。
こんなになるまで無理させてしまっていた自分が憎かった。
冒険者になると言った時お姉ちゃんは猛反対した。
自分のようになって欲しくない、私が今まで稼いだお金があれば当分生活には困らない、そう言って引き止めようとした。
けど私は諦めなかった。自分の冒険者に対する気持ちを全部お姉ちゃんにぶつけた。
お姉ちゃんのように村の外に出ていろんなところに行きたい、今まで無理させてしまった分私が頑張りたいと言った。
お姉ちゃんはすごく悩んでいたけど自分も一緒に行くという条件で最後は認めてくれた。
私としては嬉しい誤算だった。きっとお姉ちゃんも私と同じように寂しかったのではないかと思う。
これからは家族一緒にいられると思うととても嬉しかった。
そして今日やっと私は冒険者デビューをする。
私の冒険はこれからだ!
戦闘シーン?まだ先だよ