火の中に入ったら……蒸発だよな(ドールの場合)
一日開けての投稿……ん?それ以外に特に言う事もないですね
どうすることも出来ず立ち竦む俺だが俺には大切な家族がいるんだ、こんな業火なんて気になんてしていられるかぁ!って言って走って行ったらラノベの主人公みたくあり得ない力とか手に入りそうだけどこれ以上別に要らないし、それ以前にこれ突き進んだら死ぬから。炎の熱で肌を焼かれ、森が燃えて出た煙りを吸って肺を駄目にしながら進むとかほんと勇者だな。……やんないけどね?
十分吐いて気が楽になったのかドールが立ち上がり、自分の……自分の自分を見つめ水で流す。ま、まぁ栄養分としては良い感じだけどドールにも胃とかあんだね。初めて知ったわ。
労いの意味を込めて次は……いや、次でもないか。担いで移動することにしたので持ち上げようとするのだが……何故抵抗する?あ、あれか?スカートの中が見えるとかそんな感じか?大丈夫。俺は見ないぜ?見せてるだけだぜ?
結局何の解決にもなって無い感じだがそれは置いといて、取り敢えずお姫様抱っこで移動する。どっちにしろ振動は感じるから酔うと思うんだけどな。腹を圧迫されないよかましかね。
「熱気と振動が伝わって正直何にも言えないぐらい微妙な感じです……。もっと迂回して行けないんですか?それともワザとで……うっぷ」
「ここで吐くなよ?てか、折角ご要望のお姫様抱っこにしてんだから文句言うなよ投げ飛ばすぞ?その場合蒸発とかすんのかな?」
「こんな所でエセSっぷり晒さなくても」
「エセって言うなエセって」
軽い軽口を叩きながら……軽いがめっちゃ交差すんのな。まぁ、火のすぐ隣を走ってんのはそれが最短距離ってやつだからね。流石にこの火の中を突っ走る馬鹿じゃないしそれもドールも思っての軽口だと思ったんだけど……大丈夫だよな。分かって言ってるよね?
少し心配をしつつ、迂回していくと自身のスピードもあってか直ぐに村が見えて来た。大声で叫んでみようとするがすぐ隣から火の中から飛び出して来たレッドトカゲに驚き、声が出なかった。てか、デカ過ぎんよ……驚き過ぎてエルフィの身体から抜けちゃったし。何、そんなに大怪獣バトルの中に一般庶民(魔法使い)を入れたいの?かまってちゃんなの?かまってちゃんならしょうが無いな……入った瞬間首を含めて全てが一瞬で蒸発して消えてしまいそうなんだけど。
絶体絶命!そんな時に華麗に現れたのは……俺の胸程の高さしかない小さい子供だった。
「あっ!もしかしてフェル兄ちゃん!?フェル兄ちゃんだよね!俺だよ俺!」
いや、知らないんだけど……と言うか素手でレッドトカゲをぶん殴りながらオレオレ詐欺紛いな事やるんじゃねぇよ……顔見えてる時点で既に成立してないんだよね。
もう、情報が多過ぎて一番大切な事最初に出て来てないし……あ、レッドトカゲの事じゃないよ?なんか間抜けな感じがあるけど大型のトラックがトランスフォームして体中から火を撒き散らしている感じだぜ。