逃げたら勝ち
久し振りの四属性集合によりテンションが上がってんのかと思いきや……
「ふんっ、やっぱりナンバーワン主従愛の持ち主は私ですよね、フェル様?」
「え、何、まだその設定続いてたの?」
「ふぅー!設定じゃないですしー!本人公認ですしー!私達の主従を超えた関係は今も続いてるんですよっ!」
「サラッと自分の言った事の真逆言ってるんだけど……私達が出て来ない間に変わってると思ったら変わってなかったんだね……ね、フェル君?」
「俺に話を振るな。正直言って主従超えた関係が家族な件」
フェル、ドール、カレスが駄弁っている中、ルトとエルフィは目の前の自分に腰回り以上ある枝の連撃と、その隙を伺って攻撃してくるアーサーの攻撃を受けていた。
「え、エルフィさんっしゃがんで下さい!」
「は、はいッ!」
ルトが叫び、エルフィが突撃する時の勢いを消さずにスライディングの要領でルトが放った目の前を高速で飛んでいる特大の杭を避けた。
エルフィに向かって飛んでいた大樹の枝は突然出てきたルトの土の杭で止められ、破壊された。
その事がどうにも不満だったらしく、地中から今まで以上に地上まで根を深く張り、養分を吸収しようとしていた。
「そうは、させないッ!」
すかさず地を蹴り、空に浮かんだエルフィは手に持った小刀を大樹の方に向け空気の弾丸を放とうとするが……
「俺もいる事を忘れないでほしいな」
「ッ! やっぱり決めれない……ルトちゃん、も一回!」
「う、うん!みんな、集まって!」
見え無い筈の弾丸はアーサーの槍によって拒まれた。だが、それでも諦めずに手を変える。
エルフィの掛け声により、ルトが周りの土に呼びかけ、前作った様に手を型取り、胴体を作り、足を生み出す。
「……ッ!?これで良いですか!?」そう、額に汗を浮かばせながらエルフィに問い掛ける。
ルトが作った全長十メートル以上の頭の無い巨人を見たエルフィは歓喜し、フェル達は驚いた。戦隊の衣装着て巨人……いや、巨大兵器作ったら完全にロボットじゃん、と。だが、ルト曰く中に入って操縦は出来無いとの事なので少し残念だ。
流石に十メートル超えの巨人を相手にするのは難しいと考えたのか大樹に手を起き、緑のオーラを放ちだした。そんな他所から見たら神秘的な光景なのだがやられる側はたまったもんじゃ無く、今まで世間話で盛り上がっていたフェル達も動き出した。
「ルトはそのままエルフィと一緒に適当に攻撃!俺も適当に攻撃するから!」
「適当なんですね……」
「適当なんだ……」
「適当で何が悪い。よく分からん光はなっている奴に突っ込む馬鹿がいると思うか!?」
「「そーい!」」
ひまな時間に作ったと言うフルフェイスの仮面を軽くなおしながらルト達に命令をする。適当で何が悪い。
ちょっと癇に障ったので先に懲らしめる(性じゃない方)……と、思ったのだが思いっ切り穴を蹴られ怪しい光を放つアーサーの元へ飛んでいく。主従愛どこ行った!?
蹴飛ばされ、地面に激突しそうになるもギリギリ受け身を取る事に成功し、難を逃れたフェル。この運でアーサーもぶっ飛ばすか?そんな事を考えていると近くで大きな爆発音が聞こえた。援軍来たら難しいぞこれ……。身構えていると何故か大樹を触っているアーサーが小さな声で「ちっ、足止め出来なかったのか……伊達に勇者に仲間は名乗ってないって事か……」そう吐き捨てるように呟き、こっちを見てニヤリと笑った。
その瞬間大樹事アーサーが消えていた。
残ったのは頭上で何かを唱えている様子の小柄な女と巨人。そしてさり際に何かを言われ、青い表情をしているフェルだけだった。
取り敢えず一章はこれで完結です。次は……って、『復讐』投稿しないとアレですよね。流石に。
長期休暇で戻るに戻れない……てな感じになってるんで、次からはそっちを投稿しますね。大体50いかないくらいで区切りつくイメージですし。
暇があったらやめたやつも……って感じですね。