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二人の仲

勝者はアーサー。

そんな審判の声に驚きが隠せない様子の勇者とその仲間。一方、やっぱりフェリ達は別の事について会話をしていたのだがそれは置いておこう。一国の王の娘がやられたってんなら結構な一大事だよな。まあ、生娘じゃない時点で既に……って、結構初めてに執着してんのな、俺。


別に勇者達の性事情についてはあまり触れないでおこう。そこまで興味が無いからね。無いからな?


勝負は王女が周りに配置していた球体の守りをすり抜け、横薙ぎに腹を打った事で決着がついたらしい。らしいってのは終わる前に対戦表見て来たせいなんだけどな。たかが数分で勝負が決まってしまうとは……世も末だな。意味は知らんけどさ。


「えっと勝ち残ってんのは俺、アーサー……あ、リチアナもだっけか」


リチアナ、まあ勇者のメンツの二人は俺とドールが倒したんだけどな。二人揃ってか弱いクラスメイトを襲うなんて最低じゃないか!いや、それが戦いって奴なんだろうけどさ……。それでも戦う前は何か一言言って貰えると……そうしないとほら、正当防衛って奴?異世界でも万全に反応しちゃうからさ。

それにしてもこんな環境破壊する為に生まれましたと言っても過言では無い奴らがいんのによくこんな原型留めてられるのな。それが異世界マジック?


次の対戦相手は……と、考えていると何か思い出したのか「あ、そう言えば」と、声を出した。


「そう言えばファーレンさんも残ってましたね。流石一年主席って奴ですかね……」

「へぇ、意外だな。……って、次の対戦相手ってアーサーじゃねぇか。あの事実を知った後で戦いたくなかったな」

「その場に居合わせた私の方が……いや、男のフェル様の方が心配ですね。貞操的な意味で」

「……無いとは言い切れ無いから怖いがいざとなったらドールの中に入って『俺の正体はこの女が妄想で創りだしたものなんだ!』って言って逃げるか。流石に先にそっちを失うのは……なぁ」

「中に入って……意味的には卑猥と解釈も出来ますが私とフェル様の間では別の意味になって通じ合える。……隠語ですね」

「流石にそれは俺の言い方が悪かったが解釈の仕方がおかしいんだよな。通じ合えるってならその解釈はおかしいよな?って話」

「え、なんですかその反抗的な態度は。もしかしてこれが世に言う反抗期って奴ですか?キャー怖い」


フェルの睨むような視線にわざとらしく分かりやすいように身振り手振りを踏まえ、怖がる仕草をするドール。それを見たフェルはため息をついた。反抗期に反抗するってこれいかに。


「あー、何だ。八つ当たりって奴だな。正直言って普段する事無い戦闘?に苛立っていたみたいだ。すまん」


トーナメント表を見る為に控室から少し離れた場所に行っていた為、闘技場まで距離があるのだがその途中で横を歩いていたフェルに頭を突然下げられたドールは慌てる表情を見せ……ず、何時もの整った顔を幾分も余すとこ無く発揮した表情で……言い回し面倒いな。ただ単に何時もの表情で頭を下げるフェルの肩に置き呟く。


「大丈夫ですよ……だって、私は主従愛に満ちてますから」


何時もの表情で懐かし……くも無いが久し振りのセリフを聞き、少し笑ってしまったが直ぐに顔を上げ、グレたこけしヘアーを……いや、最近少し伸びてきたんだからね?で、


「その主従愛って設定まだ続いてたのな……」


前よりも仲が深まった(気持ち)二人であった。

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