大樹の槍と、王女の杖
へいへーい。いや、特に何もないです。
冷静になって考えて見ると恥ずかしい感じなのでいそいそと去っていったフェル達。
まぁ次の試合がアーサーと第何王女との戦いなので見てみたいって気持ちが出てきているんだけどそれ以前に一国の王の子、あれ?王女って王の子だよな?言葉的に王妃が妻だもんな。
んで、そんな大切な相手とどんな表情、様子でやるのか楽しみなんだよな。別に性格は悪くないよね?誰でも気になることだよね?
勝手に墓穴を掘った感じのフェルだったが、そんな事とは関係無く進んでいったアーサー対王女の戦い。ちなみに参加者は特等席(控え室)からバッチ覗いているからよく見える。その分流れ弾当たったら嫌なのでフェルは普通に席を取っていたのだ。
別に用意周到とかではなく、アーサーとか勇者を冷やかすために用意したんだけどな……まさか初手から殺しにかかってくるとは思ってなかったからな、うん。しょうがないっちゃあしょうがないが……すっごい納得がいかないよな。普通に痛いの嫌だし……
フェル達と同様、審判の掛け声と共に戦いが始まったのだが掛け声がかかる前に王女様は「これは公平な勝負ですので手加減は無用ですわ……あ、無用です」と、言っていたのが気になるところだ。顔面にぶち当てて牢屋に入るパターンとか無いかな?宣言しちゃったせいでその可能性がなくなったけどな。残念だ。
ちなみにいつもお馴染みドールは屋台で買ったポップコーンやフランクフルト等をモグモグと一生懸命になって口を動かしていた。一生懸命になる場面が違うと思うが……多分激しい戦いのせいで腹が空いたのだろう。どっちかと言うと空いたのは俺の財布の方なんだけどな。キツいの分かってんだろ……多分。
それにしても魔力配給とかの理論で上手く纏まりかけていたのに破壊しやがったせいで「お前、魔法の塊みたいなみんなんだから食事要らなかっただろ!」と、ツッコみずらくなったのが辛いな。内心ではずっと思ってるけどな。
最後のフランクフルトを食べ終わった瞬間と同時にアーサーが持つ、大樹の様な槍と王女が持つ、魔法の杖の先に剣を取り付けました感漂うヘンテコな物がぶつかって甲高い、金属音のようなものが響きわたった。