勇者戦
完成であります(o ̄∀ ̄)ゞ
参加者が全員各ブロックに配置が済んだ為……って、バトルロワイヤルじゃ無かったのね。まあそしたらめっちゃのぐっちゃになるもんな。と言うか闘技場自体がそこまで広く無いし入んないか……。
んな訳で拡散器でそんな感じの内容を、って何故拡散器があんだよ……それを言うなら一月前に買ったカジュアル系の服も何だけどな。剣とファンタジーと辛うじてモンスターが蔓延る世界で何故カジュアル系があんだよ……ファッション発展させるより身体を守る防具とかその素材の功績とかが先だろうに……っと、言いつつも俺も何着か買ったんだけどな。
ほら、俺も歳だしファッションとか身嗜みに気遣う歳頃なんだぜ?どっちかと言うとみっともねぇから買っとけって言われただけなんだけどな。
控室からでも聞こえる観客達に声に緊張するが、何時もどおりの平常心で、と考えているのだがそう簡単に行くわけなくガッチガチに固まっております。魔法が間違えてどっか飛んでいったとしても俺は別に責任取らないからな?まあ勇者がどうにかしてくれるんだろうけど。多分。
てか、魔法とかあるんだし何とかパワーとかそんな感じで結界とか張れないのかな?ほら、蚊よけみたいな感じのアレっぽい感じだし。
あ、そう言えば実況する人?実況者?解説者って人は何か出番間違えたみたいで今は休憩中だそうだ。これが終わったらやるんだしその分ギャラマシで上げとけば良いだろうに……一般開放の時にやるんだよね?あの人。
汗をダラダラ垂らしながら何時にも増して気持ち悪い顔をして考えていたのだが……自虐すんのも結構無理があるな。しかも俺は別に気持ち悪い顔はしてないし。してないよな?イケメンだし。
「では、対戦者の方も準備が出来たそうなので中に入っていいですよ。あ、後くれぐれも殺したりしないで下さいね?一応そこは自己管理って感じになってますけど」
「始まる直前で言うことではないですよね……?」
珍しくもドールがツッコんでいるのだが気にするな。勇者もTPO位は弁えて……るよね?いやー、勇者が日頃何を相手に頑張ってんのか分かんねぇから怖いな……盗賊とかのアジトとかホイホイ入っていって壊滅とかさせて無いよね?そんなんだったら平気でヤッちゃいそうなんだけど……初めては好きな人とが良いのぉ!まあ初めての相手は階段っつう無機物だったから好きもクソもないんだよな。寧ろ嫌いな方なんじゃね?知らんけど。
ちなみにTPOは時、場所、場合を指すんだが流石に分かんねぇ奴はいないよな?勇者危ういけど……多分大丈夫だろう。
そんな少し高く不安な気持ちを位立ちながら控室に扉を開け、闘技場……ここは格好良くコロッセオとか言っとくかな?さっさと勇者をコロッセヨなんちって。
ドールと一緒に並びながら歓声が浴びる闘技場に進んで行った。
うん、流石にね俺もビックリしたよ。てか、結構ビビりなんだけど今はそれは良いか。んで、ドールと一緒ににこやかに進んで行ったんだけどな、想像していた「二体一は卑怯じゃないかッ!」と言った言葉は事前に学園長が説明していたらしく特に何も言われなかった。そのせいかめっちゃ勇者からの目線が怖かったんだけどな。
で、俺達と勇者の闘いに興味があってすっごく盛り上がってんのかと思ったら控室まで聞こえていた歓声の殆どが俺に対する罵声だったと言う新事実!いや、俺も相手方そうだったら喚き散らすけどさ……十五のガキに何ムキになってんですかねー?
あ、この歳じゃ成人って扱いだったよな失敬失敬。……何その馬鹿に馬鹿って言っちゃいけない理論みたいな感じ。俺泣いちゃうよ?
ちょっと芽生えた俺の罪悪感が働いて弁解しようと罵声を浴びせ……イテッ!おい、俺にゴミ投げ……あ、これ小銭だわ。投げ返したろ。
で、弁解しようと闘技場の中心に向かって移動したんだけど……その途中で俺に向かって結構危ない感じの刃物が飛んで来たんだよね。そんなかんながあって今ここ。
「二人……と言うのは流石に実力差があって良しとしたんだけど……流石にもう一人目が女の子とはね……僕、フェルン君の事幻滅したよ」
「幻滅したんなら刃物投げて良いって理由になんねぇからなッ!?お前、俺の反射神経が無かったら首から上が無くなっていたんだぞコンチクショウ」
「反射神経が無くてもあっても当たってなかった様な気もしますけどね」
「ふっ、君と話していても特に意味が無いようだね。クラスメイトを攻撃するって少し心が痛むけど……しょうが無い、か。僕の仲間も待ってる死ね」
勇者の言葉が終わる途中で左手に神々しい光を放つ剣が現れフェルの首を飛ばそうとするが間一髪。地面に向け風の魔法を放った衝撃で避けた。
「会話の途中で俺を殺そうとするな!お前、始まる前に『殺しちゃいけませんよー』って聞いてなかったのか!?鶏だって餌時ぐらい分かんのに!?」
「その点に関しては大丈夫だよ。この剣は絶対殺す一歩手前位しか力出せないから」
「んなら〝剣〟ってややこしい名前使うなよ!ややこしいな、ほんとに!」
空中に飛んだフェルは傍らにいたドールをぶん投げ一緒に自分も降下した。突然空中にいて、気付いたら真っ逆さまな状態に驚きつつも何をやりたいのかをある程度理解した様子のドール。
避ける為に最低限飛んだだけであまり高度は無い為〝高さ〟という利点は余り使えないが
(それでも慢心している勇者の顔面に一発は食らわす!)
狙いを勇者が立っている地面に定め、何発かタイミングをずらしながら風の玉を放つ。これで砂埃をたて、見えない隙にドールがあの空きっ腹に当てる!
二体一の完全に嵌めたとしか言えないこの場を見て、相手が恐らく相乗以上の事をやってのけると思っていいない勇者に当てるはずだった見えない風の玉は……
「やはり、次席と言うのは嘘ではない感じだけど……これが次席?」
そう呟き、〝軽く〟剣を振り、見えない筈の風の玉を潰す勇者。……え、魔法切るのって流行ってんの?
第一撃はなんか力技で防がれたがドールの攻撃には避けられまい!多分!
「いっけえぇ!」
「ふん」
「ぎょぇえええ」
両手に水の玉を作り、下から上に打つように……するが剣をバットの様にして逆に打ち返す勇者。これじゃあ完全に噛ませ犬っぽいじゃん!?
「クッ、コイツ中々やりますよッ!フェル様」
「ほぼ何もやってないじゃねぇか……まあ、兎に角撃って撃って撃ちまくるか。体力を無くす作戦で」
「その後に総動員で袋叩きですね!」
頬の汚れを手で拭いながら笑顔で言ったドールの笑顔にちょっと震えたのだが内緒だ。幾ら敵だからって女を吹っ飛ばすなよ……敵意丸出しだったけどさ。
一発当だけ、そんな作戦をやめ、ヤラれるくらいなら最後の最後までうざったく振る舞ってやろうじゃねぇか作戦に移行だ。み、みっともなくないしっ!?おおお男の意地って奴だし!?いや、違うけど。
取り敢えずそう決まったら……
「……久し振りの『氷よ』」
流石の上位属性と言うだけあって効果も絶大……って、実際にどんだけ凄いか分かんないんだけどな。何かこう……グーンと地面の氷が凍っていき、勇者の所まで届く……前に翼を生やし、空に浮かんでいた……何でもありかよ……。
上位属性というだけあって流石に剣で切れないと思ったのか、それともさっさと倒して仲間の元に帰りたかったのか白銀の翼を大きく広げ、猛スピードで迫って来た。
(……見た目が男じゃ無かったらなぁ……)
そうしたら逆に気分が悪くなるので結局どっちも駄目なんだが……勇者の勇者っぷり凄くないか?と言うかこの面倒くささだったら魔王ぐらい倒せるだろ……いや、どんだけ強いかしらんけど。
と言うか戦闘シーンが分かりづらいような……ま、いいよね