バトル……の前の休憩
説明し忘れている部分があった気がするんですけど……多分忘れたんで大丈夫ですね。そのうち思い出すんでその時は跡付け的な感じで……
『待ちに待ったァ闘技の大会ッ!今回は異世界から召喚されたと噂の勇者と、学園長直々の教え子が出場と、ある事だけあって何時にも増して賑わってるぞぉ!ちなみに俺は期待のニュービー、アーサー君にかけるつもりなのだが一体どうなるのかッ!?と、私、自称実況兼、解説者として呼ばれております〝フィルス〟がお送りいたします』
巷で有名らしい人の自己紹介から始まったこの闘技。お送りいたしますってどっかの提供みたくなってんだけど……ちなみに絶対他国から支援金とか貰ってるっしょ?一年に一回の血で血を拭う、汗で汗を流すそんな熱き闘い、参加しねぇ〝漢〟はいねぇだろッ!?(半ギレ)
いやー、何か一回戦でワザと負けたら権力ふんだんに使いまくってやるとか言われたもんですから、ええ、気持ちも気分も滅茶悪いですよ。これだから大人は黒い。見た目はあれだけど。
「参加者は自分が戦うブロックを確認して分かれて下さーい」と、そんな係員っぽい服装をした教師が参加する生徒を捌いて捌いて捌きまくる。まあ圧倒的に参加する人数が少ないってのもあるんだけどな。
そんな係員の指示に従い、自分が出る〝B〟ブロックのエリアに移動する。何かクラスといい、順位といい、完全に永遠の二番手なんだけど……血液型は流石にわからないけどね!
最初に戦う相手は勇者なので色々後障りないように退場しなくては……と、考えているのだが見た事のある背中が目に入った。と、言うかこっちに向かって来ている。
「おー、フェルと一緒って事は序盤ではかち合わないって事だよな……流石に戦いもしないで決めるってのはちょっと駄目な気もするが……まあ生徒会だもんな。お互い優勝目指して頑張ろうぜ!」
「お前は生徒会にどんなイメージを持ってんだよ……ああ、お互い優勝目指そうな。って、何でお前がここにいるんだ?クラスから一人出すって時にお前が立候補したのにすげぇ驚いた記憶があるんだが」
何故かうちのクラスには勇者だから強制的に出る事になった勇者と、学園長の言葉と生徒会所属の為強制出場する事になったフェルの二人がいるのだ。流石に自主的に出ないってのは駄目だろうって事になってアーサーになったのだが……理由が「モテたいから」意外の理由が見付かんないんだよな……モテたくて始めるなんちゃってバンドマンかよお前。
フェルの質問に少しバツが悪そうに頭を掻くアーサー。そして「ココだけの話な?」と、念を押すようにして話しだした。
「実は俺の家系って生粋の竜使い一家何だけどよ……」
「生粋のって……んまあ、続けて」
「まあ長くなるから軽く説明すると怠け過ぎて契約交わした竜ブチ殺すぞって言われたんだよな……正直それされたら完全に破門だからさこれにエントリーしたの。多分契約交わしてない、普通に人語話せる竜乗ってる奴見たことあるだろ?ここらへん巡回してる感じだし」
アーサーの言葉で家から出発したとうしょに遭遇した核食少女の事を思い出した。恐らくそれであっているのだろう。多分。
よーするに親が怒ってるからやってますよアピールみたいなもんか?てか、アーサーって結構名門っぽいとこ出身なのな。そうに見えないけどな。
「ふーん、そう言う事」
「おう。んな訳で最低でも二戦は勝たないといけないんだけど……クソッ!タッグマッチだったらおんぶに抱っこで要られたんだけどなチラッ」
「めっちゃ過大評価されてる感じなんだけどそんな事無いからな?試した事無いだけだけど……てか、俺へいへい乗り回してる奴と戦った事あんだけど結構弱かったな……その強さで勝ち進めんの?」
実際問題、初めての……何だ、フュージョン?を使った記念すべき相手なんだが苦戦した記憶は無いんだよな……いや、ただ相手が弱かっただけってのもあるかも知れねぇんだけどさ。
フェルの心配にアーサーは済まし顔で応えた。すっげぇ苛つく顔だなおい。
「ふっ、契約と言っても通常の手段では人が扱える四分の一程に抑えられるのだが、俺等の家系は特殊で100%発揮出来るんだぜ!驚いたか!」
「おう、そろそろ一回戦始まるから行ってくるわ。お前も頑張れよ」
「あ、え、うん……ドールちゃんも頑張ってな!って、やっぱ二人はセットなのな。期間限定とかじゃなく」
人を限定商品みたく言うなよ……セット料金は通常の金額より少しお高くなりますが愛が詰まってますのでご安心無く。はい。
若干アーサーのテンションに引きつつも、逆に自分の気を引き締め……られないがこうはなるまいと心に誓いながら闘技場へと進んでいくフェルだった。
次回ッ勇者との最終決戦ッ!では無いですが久し振りの異世界っぽい戦闘シーンです。