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初めての夜

ちなみに今日は調子が良かったです

その後行きが嘘だったかのようにモンスターと出会わない事に疑念を持ったのだが倒したところで何にも何にもなんないので帰宅。

計七匹のグレージャーウルを討伐した事により三万五千の報酬が手に入ったマンディ。何か奢らせてくれ、というのでしょうが無く自分が着ていた鎧を買わせた。正直遠距離砲台たる魔法使いの俺がそんなクソ重い物身に付けたって何にもの役に立たないっての。寧ろ重くなっちゃって走れなくなったし。そんな訳で原価……だと完全に足らないので余分に討伐した二体、一万で売っておいた。俺って優しいんだね。

短い間だったけど俺の命を守ってくれた事に感謝して丁重に渡しておいた。絶対あの防具屋の野郎ぼったくりやがったな。ただ単に思い胸当てなんて不良品どころじゃないぞ。


その後近いうちにもう一度狩りに行かないか?と、誘われたのだが丁重にお断りさせてもらった。狩りっていうか完全に寄生プレイになっていたもんな。まあ、それ以外にも理由はあるけど。


そんな感じで時間を過ごし、日も丁度いいぐらいにくれた頃早速寝間着に着替えベットインして寝ようとしているドールを叩き起こし、また軽くなった麻袋を担ぎ叫んだ。


「よし、ドール。夜の街に繰りだそう!」

「夜っていうよりまだ夕方なんですけど……しかも今お金使っちゃたら今後どうするんです?まあフェル様が卒業まで成績上位キープするってのなら文句は無いですけど?」


そう、くるりと仰向けに動き目だけを動かしてフェルの方を見て言うドール。意外にもまともな事言うもんだからビックリしちゃったぜ。


「夕方も夜も俺が言ったら言った方になんだよ。後、金の問題はモンスター虐殺してけば楽に稼げるだろ?というか今日買った鎧?胸当て?それが異常に高かっただけで他は十分に足りる額だと思うぜ?多分食べ物ぐらいしか買わないだろうけど」

「随分可愛い夜遊びですね……いや、夕暮れ遊びで……まあ、どっちでもですよね。そんなに言うんだったらフェル様の想像以上にお金を使ってやりますからね?後悔しないで下さいね?それと最初の発言はちょっと……流石の私でも許容出来ないというか……」

「正直最初の発言は照れ隠し的意味なんだからそんなに真剣に受け止めなくても良いんだけどな……っと、そう言う事ならさっさと支度して行くぞドール!」


行くと分かったらさっきまでの少しはっちゃけたテンションに戻ったフェル。何となく表情が死んでいるような気もするが気のせいだ。

先に行くぞ、と待ちきれなかったようでその言葉を残してかっこ良く階段付近で待っていたかったのだが寝間着に着替えて潜っていたのだと思っていたのだが実は着替えてなく、支度して行くぞ!の部分で勢いよく飛び出してきたので割と驚いた。


「へへっ、どうです驚きましたかっ!?フェル様の言動、行動を先読みして心の中を読んでいるのではないかと錯覚させる技術フェル様……なんちゃらの力はっ!」

「そこまでしてんだから最後までちゃんと決めろよな……しかも錯覚って言っちゃってるし。まあ準備に時間取るよりは良いけどな」


誰もいなくなった部屋の電気を消し、鍵を閉め……無くてもいいか。なんか忍者っぽいメイドな人が巡回してるっぽいし。深夜出会ったら完全に失神、とまではいかないものの軽く意識飛ぶレベルだな。どっちも似たようなもんか。

夕日がまだ差し込むと言っても昼間ほどの明るさは無いので既に照明等がバッチリ付いており、夕日が差し込む教室で気になっているあの子の姿〜といったシチュエーションが無くなったのでざまぁと思ったのだがそこで見ている男とは別の男が出てきたら良い感じだな、と思ったのでノーコメントで。既にノーではない件。


麻袋を肩に担いで歩くってのはちょっと変な感じがしたので金貨数枚だけ取って後は部屋に放り込んでおいたのだが硬貨が床に当たる音が想像以上に五月蝿かったので後悔した。

歩いてる最中で扉がバンッと開いたら嫌なので少し早歩きで唯一の脱出場所、階段まで向かおうとするのだが横からドールに腕を捕まえ急停止。出来ずにその場でコケる。いてぇ。


「夜道……では無いですけど人混みとかではぐれちゃうといけないので手、繋ぎません?って、言っても冗談抜きで迷子になりそうなので何か捕まるものを〜」

「まあ手繋ぐぐらいなら別に良いけど……」

「こうしてみるとカップルみたいですよね?多分」

「絶対言うと思った……でも、俺的にはそっちの方に捉えてもらった方が楽だしもうちょっと距離縮めっか?」


自分で感じる程カップル(付き合ってないが)らしい行動をとってみるフェル。そんな自分の考えるカップルらしい行動なのだが忘れるなかれ。ここは学び舎。東西南北、様々な人が勉学に励み、勤しむ為の場所なので……


『ふっじゅッッッッッッッんッ!異性交友は学園のルールに反しまッス!!』


変な爆音を鳴らしながらドラム缶にキャタピラが付いて横から火器っぽいものが出ている物体。通称ルール君。いや、初めて見たか知らんけど。知らんけど……多分捕まったら終わりだ。というかどっちかというとルールに反してんのお前なんだよなぁ……正直粘着性のある(・・・・・・)遠距離武器な時点で学び舎じゃない気がするんだよな。まあ教育方針はあの学園長なのでよく知らないが。


「と、取り敢えず今は全力で逃げて外に向かうぞッ!正直鳥もちみたいな奴にあたった瞬間クリーニング代ぶん取られるからなチクショウ!っていうか洗濯完全無料ならクリーリングもタダでやってくれよっ!」

「何か良く分からない物体出て来てキャパ超えたんでしょうけど壊れるには早過ぎますよ、フェル様っ!私を置いてトリップするのは卑怯ですよっ!」


半泣きで逃げているフェルの頭を軽く叩き、正気に戻したドールだったのだがいかんせん手を繋いでいる状態だったので叩いたのと同時にバランスを崩し、無駄に長い階段でコケ――――る前にフェルに抱き寄せられ空中に――――というか完全に飛んでいしまっている感じで中に現在進行形で放り出されているフェル達。何というか驚きとか戸惑いとかそれ以前に「……あ、これがタマヒュンって奴なんですね。玉無いですけど」生物学上は女としてに分類なのでゴールデンな玉は無いがタマヒュンという未知の感覚を知ったドールだった。


「あ、ありがとうございますっ!……っていうかこれ、着地大丈夫なんですかぁッ!?」

「そんの為の……魔法だろうがッ!!違うけど!『風よ』」


ドールをコケさせないように飛んだ為空中にいるのだがこのままだと無駄に高いく、長い階段のせいで無残な事になるので背に風を受ける感じで魔法を唱えたフェル。正直着地は……んまあ為せば成るさ!多分だけど。


ドールを抱えたフェルの背を押すようにして風が吹く。天井からぶら下がっている証明にギリ当たりそうになったのだがここは異世界クオリティ。二重詠唱とかそんな感じで風を吹かせ空気の入替えの為に開いている窓に滑り込むようにして……入るッ!軽く数十mはあるこの高さの窓をどうやって開け閉めするのか?と、疑問に思ったのだが結局は魔法なのな。

無事、かとうかは捉え方次第、人次第なのだが一応解決というわけで落ち着いた様子でゆっくりと地上に降りる。人の目があるのですっごく恥ずかしいのです。


「はあ……ちょっとよく分からなかった物体でしたね……やっぱ犯人は学園長とかですかね?未使用っぽいですし」

「未使用って……」


そう言えば、と軽く忘れかけていたのだが落ち着いた事により思いだしたので形だけでも感謝しておく。べ、別に本当に感謝とかしてるんじゃないんだからねっ!社交辞令って奴なんだからねっ!


「あー、なんかドールありがとな」

「ふ……ん?」


突然言われた感謝の言葉に戸惑いの表情を見せるが、理由が分かったのか何となく母性溢れる表情を見せ、返した。


「別にいいですよ。だって主従関係何ですから」

「えっ、それまだ続いてたのか」


フェルの言葉に吹き出したドール。それにつられてフェルも笑ってしまうがご愛嬌。さあ楽しい夕暮れ遊びだ!多分眠くなったすぐ変えると思うけど。それ以前に金銭的な問題か。


……特に書く事も無いので川´_ゝ`川

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