それ以前に母性本能は無い
投稿しないと思った?残念、しましたんです!……残念はおかしいな。
やる事も決まり、各自チクチクと裁縫を始めているのだが……メイド服って作り方分かんのね……深くは聞かないけど。
やり方?経営方針とかは追々考えて行くみたいなので特にやる事がなくなったフェル。ドールは採寸の為別室に。生徒じゃないんだけどなあ……
と言うかよくナチュラルにメイド喫茶て選択肢が出てきなよな。普通に考えて出ないよな……出ないよね?
特にやることが無いのでやってる様な雰囲気を出しつつ、先程再会した勇者達の方を観察する。なんか人間観察ってミステリアスな雰囲気が出て良いよな。何が良いのか知らんけど。
そう思い、何故か近くにあった布生地を手に取り、私物の裁縫道具で縫い始める。男も女も関係無く最悪の事態に備えて裁縫道具の一つや二つ、携帯してるよな?まあ、俺の場合はドールの為ってのが一番なんだけどな。何これカップルみたい。
勇者の方を横目で見てみると、勇者は自席に腰掛け、ハーレム要員?を周りに配備している。言い方的に城に立て籠もってるって感じだな。
「やっぱ下級とはいえドラゴンは疲れましたね……皆は特に怪我とかしてない?」
今になって聞く事か?既に学園の校舎の中、と言うかクラスの中なんだが遅過ぎね、と思ったのだが勇者的にも思う所があるのだろう。周りのハーレムメンバーの反応を見て見る事にする。
「私は、大丈夫。身体、丈夫だし」
「えっと、私も大丈夫ですわ……あっ、大丈夫……よ?」
勇者に気遣ってもらって嬉しいのか(?)顔を軽く染めながら応える二人。別に何もツッコミとかはしないが……やっぱ金か?それか勇者としての権力か?それ以外に好きになると言う理由無いと思うのだが……まあ恋は突発性だからね多分。恋愛したとこ無いボクチンには分からんとです。さっさと寝て身籠らせて平穏な生活に堕落させてあげようか?(良い笑顔)
初めて勇者パーティーをじっくり見ているのだが……何か変態っぽいが気にするな。見ているのだが第何王女だっけ?まあ王女と出身孤児少女って結構な組み合わせだよな。奴隷って言う立場だったら変わってたんだろうけど……。それ以前に奴隷制度あんのかな?異世界パワーで物量跳ね返しそうなぐらいなんだけど……
おっとっと、危ねえ危ねえ。裁縫ってたまに針ぶっ刺さることあるから心臓に悪いんだよな。いや、ただ単に慣れてないだけかもしれんが。
と、裁縫に集中していたら軽いぬいぐるみが完成した。……あれ?俺綿とかぶち込んだっけ?と言うかぬいぐるみ作った事無いんだが……ま、日々の修行の成果()って事に……俺がぬいぐるみを作り終わったのと同時に勇者の方から声を張り上げた様な声。まあ怒鳴り声だな。それが聞こえた。正確には外からなんだけどな。
「おい!そこに見えるのは勇者じゃないか!ここで会ったが百年目、今長年の決着を付けるぞ!……って事で降りて来い!」
長年……勇者召喚されたのって最近じゃなかったっけ?召喚されたってのにヒステリックな状況になっていない勇者を見ていたら軽く忘れていたぜ……。
と言うか外の人とお知り合い?
「……やれやれ。正直戦うのは好きじゃ無いんだけど大切な仲間達との時間を奪われちゃったら少し本気で相手にしないといけなくなっちゃうね。そんな訳だから少し待ってくれるかな?直ぐ終わらせてくるから」
「ん、分かった。心配は要らないと思うけど……ん、頑張ってね」
「ええ!?あ、貴方そんなはしたな……い、いえ……わ、私も……が、頑張って行って下さいね!」
「流石にこの場でキスされるのはちょっと予想外だったけど……うん、僕なりに期待に答えてみせるね」
そう言って窓を開け、軽やかな舞を見せながら飛び降りたのだった……階段って言う便利な物があるんだからそれを使って降りろよ……正直ロマンと危なさが比例しねえぞ。
……と言うかツッコミしないって言っておいて何だけどホント、こんな場で接吻するとか……それでも武士の子かッ!?いや、勇者はともかくどちらかと言うと剣士とか戦士よりな血筋っぽいしね。片方は王族だし。
色々軽過ぎんだよ勇者諸々。まだドールの方が節操……節操……はあるのか?流石に俺以外の前ではムフフな表情してないよな……。
俺、凄く心配です(母性本能)