全校の前で
真新しい制服を着た、金髪の少年が約300人の生徒の前に立った。
今年で三年になる生徒は132名。二年になる生徒が76名。そして新入生が184名。そして例外が三人、計384だ。あれ?数えてみると約400何だが……
圧倒的な人の目で少し戸惑う様子を見せたフェルだったが後でドールにでネタにされたら嫌だな、そう、不敵に笑って緊張を解した。
そしてもう一歩前に出て拡散器を手に持ち、話し始めた。
「……ん、どうも今年この学園に入る事になりましたホルスナス・フェルンです。先程一年主席のファーレンが挨拶した通りなんですが俺からも少し話をさせて下さい」
少し顔が暑くなるのを感じながら声を震えさせないように平常心を保ちながら一言一言慎重に口に出す。最初は当たり障りの無い感謝の言葉。ファーレンを上に上げながら話を進める。軽く自分の事も話に混ぜ、興味が薄れない様に慎重に、でも長くなり過ぎないように適度に話していく。
そうして数十分間にも及ぶフェルの話は終わった。会話が終わり、頭を軽く下げた時には拍手喝采で流石に驚いた。だって、ファーレンより多いぜ?多分。ま、実際今になって考えてみると俺が言った内容はほぼ覚えてないしな……と言うか興味が薄れないようにって日本にいた時なんて毎回こんな集会寝てた記憶しかないのだが……一応それとなくやったから何も言われないと思う。逆に褒められる事だと思うが……駄目だな。今になって足が震えて来やがったぜ……
足がプルプルと、生まれたての子鹿のようになっていたのだがそれがバレないように俺の席に行くのが大変だった……なんかドールも呆気に取られた表情してやがったし。どうよ、これが俺の実力ってやつよ!もう一度やれって言われたら全力で拒否するけどな。
「……おー、フェル様お疲れ様です。意外としっかりとした話でしたね……なんかもっとふざけた話だと思っていたので凄くビックリしましたよ」
「ま、それが俺って奴だからな。てか、お前のふざけた話って割と碌なものが無い気がするんだが実際どんなの想像してたんだ?」
「え、普通に『アーサーの野郎の女を探してるぜっ!』的な事だと思ってましたけど……」
「お前それ全校の前でやったら完全にハブられるの確定じゃねぇか……しかも俺はそんなキャラじゃないし。と言うかもっと言うことはないのかよ……」
「……凄く格好良かったですよ、フェル様」
「ありがとな」
他愛も無い会話をしながら時間を潰し、学園長の会話が丁度終わった時に俺達一年に収集の声が掛かった。ちなみにファーレンはずっと寝ていたので絡まれなくて済んだ。ま、頭がこっちに寄っかかってきたんでドールと場所交代したんだが……流石に顔面に水ぶっ掛けんのはやめてやれよ……その後バレないように乾かすのが大変だったんだぞ?それでも起きなかったファーレンもファーレンだけど。
そうして学園生活が始まっていったのであった。
何言うのかサッパリなのでバッサリカット。どうせ寝ちゃうんで意味ないんですけどね川´_ゝ`川