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披露

朝、清々しい天気がカーテンから漏れた部屋の中で騒ぐ男女が一組……


「どうです、このピシッと決まったワイシャツに黒の下地に青のラインのワンポイントがついたスカート、そして黒のハイソックスが私の細く、可憐な足を包み込んでいる完成された姿を見て何を思います!?惚れましたかっ!惚れましたよねっ!」


ドールがベットの上に新品の靴を履き、立ちながら無い胸を張りながら言った。その光景は多少目を瞑れば黒と青のコントラストが美しい、世間一般的に言われる美少女なのだが……フェルの問いは少し違った。


「ま、正直言うと可愛いちゃかわいいが部屋ん中、しかもベットの上に立つのだけはやめろよ?掃除の人が可哀想だ……っと、なら俺はどうだよ。地味に引き締まった肉体を引き立たせるかの様にピッシリと決まったワイシャツ。そこに青のラインが入ってちょっと中二臭いが女と違った感じだろ?どうだ、正直言って今すぐにでも飛び込んで来たいほど男らしさ溢れる姿だろ?」

「そうですね……」


ドールとは違い、ベットの上には立っていないが気持ち的には乗っている様子で首に締めてあるネクタイを少し手で弄りながら言うフェルの姿をマジマジ見つつ、どう言っていいのか考えるドール。

そして、考えが纏まったのか多少ながら頬を赤く染めつつ言った。


「例えるなら白馬の上に跨る王子……いや、それ以上の姿ですけど残念ながら私以外の人が見た瞬間目が目が離せなくなる、寧ろそれ以外はクソみたいに思える美形ですね……しかも服もそれを消さず、良い感じに引き立たせて……グッジョブです!」

「そう言うドールも一輪の花みたく可憐かつ、儚げな印象が見て取れるぞ?しかもその中に微かに見えるハツラツとした感情が実にミスマッチだがいい感じにバランスを保っていて俺以外の男が見たら脳汁ぶっ放しながら恍惚とした表情で倒れる感じだぞ?」

「「……よし、行くか(ますか)」」


フェルは女に対する殺意を抑えながら、ドールはそんなフェルを支えると誓い、何故か無かった筈のバックを手にぶら下げ教室に向かう。別に迷惑じゃないから良いけどさ……知らぬ間に物があったら怖いじゃん?サリーさんかっての……私サリーさん。勝手にそっちの家に入ってるけど別に良いよね?あ、先に飯食べとくから。みたいな感じの雰囲気あるぞ。いや、無いけど。

ちなみに初日は制服ではなく私服、しかも人の顔見ないように顔を伏せていた為、今日が初めてという事になる。と言うか二日目に新入生歓迎会って言うか顔合わせみたいな事をするらしい。そして主席と次席、つまりファーレンと俺が一年の代表として前に立ち、何か言うのだが……カンペとかねぇのかな?ゼロからってキツイぞ……しかもドールは俺の側近的扱いになっているのだが三人もいるのはおかしいそうでお留守番らしい。勇者は来賓の席と真逆の場所に座る事になっている。誰か変わってくれ……緊張で腹が痛いわ。

元は別に生徒会とかやっていた訳でもなく人の前に立つことも早々無い立場だったらから結構苦手なんだよな……これ。

まあ、ここでグチグチ言ってもしょうが無いか。


そう考え、軽く頬を叩き気を引き締めながら全校生徒の前に立った。主席のファーレンのドジ野郎が上手くやり過ぎて圧迫感が尋常じゃないんですけど……

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