ピアッサー!?
ホアタタタッタタタタタタッタタ!!
最後ら辺がよく分からない会話だったが、それよりも重大な事が起こった。
「……毛布類がどっか行っちゃってやがる」
数分前?数時間前?にはあった筈の毛布類が綺麗サッパリ無くなっていたのだ。確かに持って行っちゃっていい的な事を言ったような気もするがこんな短時間に持って行く奴がいるかよ……いるから無くなってんだけどな。
毛布類は別に買えば良いだけなんだが金が入った袋を忘れずに持って行って良かったぜ……流石にこれを忘れていたら何も買えず、寒い夜を越さなくちゃいけない……うん。いや、分かってるんだぜ?俺も言う程馬鹿じゃねぇんだけど……。
思い返せば俺はトカゲの死体売って大金?を稼ぎ出した訳なんだけど圧倒的に重量が足んないんだよね、ほんと。
言い訳すんのもアレだから率直に言うとマルナに取られました。
「提案なんだけどドールってお湯沸かせる?」
「残念ながら私どちらかと言うと水よりなのでお湯は出ないんです……はぁ、誰かさんのせいで今夜は寒くなりそうです」
「……カレスって暖房器っぽい事出来るのかな?」
「温める、と言うよりも燃やし尽くすの方が言葉的に合ってる気がしますけど」
「だよなー」
だよなー、考えていた事が全て駄目になってしまい少し落ち込み様子を見せるフェル。ちなみに俺が考えていたのはカレスを呼び出して丁度いい火でキャンプファイヤーだったのだが意外にも意外。魔法の火は人間を焼いてしまうのだー。そんな訳で却下。強過ぎんのも裏目に出ることはあんのよ?
そっか……って事はカレスとドールでお湯作るって作戦も多分絶対人が入れないような温度になるのが落ちかな。てか、そうに違いない。
今の夜になったら寒くて凍え死ぬかも知れない、と言う一大事を打破する為にフェルは思考する。ま、一日位外で寝ても風引くぐらいで済むから別にどうでも良いんだけどな。でも、今を楽しまなくちゃな。
「ふむ、ちなみに手持ちに……100万程か?多分、そんくらいあるけど何が出来る?」
「毛布が買えます」
「あ、100万もあれば十分足りるか」
「そうですよーフェル様。ここは別に世紀末なヒャッハーじゃ無いんで毛布の一、二枚端金ですって」
「お前に端金って言われる硬貨になってみろよ!惨めだろ!?」
意外にも買えそうなのでテンションが戻る。逆に何故100万で足り無いと思ったのか不思議だ。と言うか完全に荷物が減って歩きやすいのでマルナに感謝だ。まぁ無断で取っていったのは後で絶対ピーするけどな。
「って事で毛布買って床屋にでも行くか。この髪の長さ校則違反で引っ掛かったら嫌だしな」
髪以前にピアス付けている時点で終わりだけどな。ちなみに誕生日の夜奴なんだけど……意外とアレ、穴開ける奴?無くて針ぶっ刺したんだよね……アレは痛かったわ。
お前はもうタヒんでいると願っていたい。