朝っぱらから
何かよく分からない夢を見たな……腕四本ってなんだよその時点で化けもんじゃん……まぁ最高時速が120㎞の俺も十分やべぇけどな。
取り敢えず……今何時だろう?
そう思い俺は周りを見たが……あれ?マルナどこ行ったんだ?俺が悩んでいるとドールが目を覚ました。
「……あ、おはよう御座いますーえ?マルナちゃん?確か……もう行ってるような気がする?」
「ああ、おはよう。先に行ってるならいいや。ってとこは結構ヤバイ時間なんじゃないの?」
「あ」
「いや、あじゃねぇよ……」
少し焦る様子で身支度を済ませ、お世話になった場所に礼をして去る。布とかそこら辺は次来る奴にプレゼントって事で置いとこう。俺達は学園の制服と金が入った袋さえあれば十分だよな。てか、マルナ上位三位に入ってなかったら金がかかるんだけど……知ってんのかな?気持ち袋も軽くなって……るかな?多分。
村人の服の状態で結構アレだが受かるまで我慢だな。少し瞼が重い感じだったのでドールに顔を突っ込んで洗浄。結構便利なんだけど……見られたら終わるな、これ。
どうやらドールも同じ事を考えていたらしく少し呆れ顔だ。分かるが顔に出すなよ……
「では、出発ですかね?」
「まぁ出発だがお前少しは荷物持つ良心とかは無いのか?結構重いんだぞこれ。しかもお前の服も入ってるんだが……」
「えっと、あれです、あれ。今までの借りの返しとか?」
「借り作ってんのは俺じゃなくお前だけどな……持つけどさ。てか、朝っぱらなのか昼間だからか良く分からないが静かだなぁ」
「ですねーもぬけの殻みたいな感じで少し気味が悪いですねー」
静か過ぎる町中を進む事数十分。門真正面から見えていた城っぽいが実は学園だったりする良く分かりにくいものの近くに来た。壁にガッツリ『受験結果発表!誰が落ちるかなぁ〜?』と書かれてあって正面から喧嘩売っている感じだ。何で落ちる前提で書いてんだよ……ま、そうだけどさ。言い方ってもんを、ね?
そんな事を考えながら進んで行くと壁一面に貼られた紙が見えてきた。と言うか人がいっぱい過ぎて良く見えないんだが……てか、朝静かだったのはうるさい根源がここに集まっていたからなのかな?それだけじゃないよな……みんな低血圧とか?
ま、そんな感じで俺も進んで行っているのだが何故か紙に何も書かれていない。不思議に思っていると隣りにいた奴が話し掛けて来た。
「それって聞いた話によると時間にならないと書いてある内容が見えないって言う紙なんだってな。あ、俺はアーサーだぜ、よろしくな」
「お、おう。そうか……フェルンだ。フェル、とでも呼んでくれ」
「よろしくなフェル!んで、後ろにいる可愛い子ちゃんはツレ?」
そう言って後ろにいるドールに目をやった。
「ああ、コイツはドールだ。えっと……ツレって言うか何て言うか……友達以上恋人未満みたいな感じか?」
「え、私は主従愛の塊みたいなもんですし愛で溢れてますよ?ほら、フェル様も私の愛で溺れてみませんか?」
「何かの商品の売り文句みないな感じだな……てか、お前からは愛のかけらも感じ取れなんですがそれは」
「仲が良いんだな二人は……」
そう言ってアーサーは呆れた表情を見せる。黙れアーサー王、アヴァロンで最後を迎えたいのか?ま、言う程アーサー王とか詳しくないから語れないけどな。てか、名前がアーサーって結構恥ずかしくないのかな?
新しい仲間を初日で作ったフェルは自慢げだったがこれ以上友を作れなくなるってのは後の話。
アーサーって良い感じですよね。まぁ題材にしないので軽く流して終わりですけど