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早朝

イェスコメントです

清々しい朝に一人の少年の声が響き渡る。


「マルナ、行ってくるよ!」


急いだ様子で玄関前で中にいると思われる人に話し掛けた。それを聞いたように奥から声が聞こえた。


「うん、行ってらっしゃい。受かってるといいね」


「何言ってんだよ!受かってないはずが無いだろ!あ、もうこんな時間か……今度こそ行って来ます!ドール、さっさと行くぞ!」


隣にいる少女に声を掛け、学園へと向かう。今日は待ちに待った学園の合格不合格かわかる大切な日のだ。ウキウキしているフェルを祝福する様に空から数え切れない程の隕石が降り注ぐ。確認する前に隕石が〝落ちる〟って不吉だな……ま、運とかゲン担ぎとかよりも実力だもんな。気にする事は無いさ。

そう考え、少し走るスピードを上げる。最近は身体鍛えるようになってから結構走る速度上がったんだぜ?まぁ最高速度は120㎞程だけどな。確か人間の最高速度が40㎞だったっけ?鍛えれば速度上がるんだな。初めて知ったわ。


そんな速度でも付いて来きてくれるドールもドールだけどな……最近第二次成長期とかで腕が四本に増えたみたいでワシャワシャして動いてる。まぁキモくは……あるんだけど愛らしい感じだよな。うん。


「シャ、キスシャー!?シャ?クチョ、クチャズジョー!」


「あー、大丈夫だって。最近は腕を四本に増やすのが流行っているみたいだから友達できるかの心配はしなくてもいいな。通じ合えるかどうかわかんないけどな」


友達が出来るか心配していたらしいが杞憂に終わった。出来なかったとしても俺がいるからな!安心しろよ!


まぁ二次成長で腕が生えた以外に、今で言うニキビみたいな感じで顔面に苦痛の表情を浮かべている老若男女の顔が浮かんでいる。ファッションと捉えれば……ま、何となく理解は出来るかな?

にこやかな朝を迎え、背後に猛スピードで追突する隕石に押されつつ学園内に入……る前に空から降ってきたパンツに目がいった。結構布面積が少ない巷で言う勝負下着と言う奴だった。何時もの俺なら周りの目を確認し、誰もいないと判断してからさり気なくポッケに入れるのだがこの時の俺は調子に乗っていた。朝から清々しい朝を迎えたとこで調子に乗っていたのだ。


頭上でヒラヒラ舞うパンティーに手を伸ばした。まだ、届かない。だが、今のスピードだったら行ける、飛ぶんだ!いっけぇぇ!

短くコンパクトに足を縮め、空を飛んだ。一時的な飛翔ではなく、完全な飛翔。例えるなら翼を得たトカゲ。空を支配する龍と見間違える程の堂々とした姿だった。その背後にはドールが手を貸していたことを俺は忘れなかった。

これで、えっちぃパンティーをゲットだぜ!

がっしりパンティーを掴んだ瞬間、頭に強い衝撃を受けた。キンキンに冷えた眼鏡だった。


(眼鏡にあったらそりゃこうなるよな……長いようで短い人生だったぜ)


心配した表情を見せるドールに手を伸ばし心の中で謝罪の言葉を述べた。


(こんなパンティーより、ドールの履いていた使用済みパンツの方が色々と実用的だったのにな……まだコンプリート出来てなかったのが辛いぜ……)


ホロリと涙を流し暗い闇の中に飲み込まれていった……眼鏡は強かった……












「……はッ!?何だ、夢か……」

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