退場
あれ?何で外に出ようとしたんだっけ?
んー、思い出せん。何か良くあるよね、立ち上がったのに何やるのか忘れちゃうって事。まぁ普通に考えて何か用事無いと立たないからな...
確か最後に考えたのは...いや、考えてるんじゃなくて外見てた気がするんだよな...
「なぁ俺って何で立ち上がったんだっけ?」
そう、問い掛ける。幸いにもここには三人もの心強い仲間がいる。一人役に立たないけど。
「何か最近親に対して結構フレンドリーに接してるわよね?友達じゃないのよ?そこんとこ分かってる?」
「私は...って分かるわけ無いでしょ?フェルじゃ無いんだから」
別に母さんに言ったつもりは無かったんだけどな...ま、そうなるよな。俺だって言われたらそう返すし。後は余り頼りにしてないドールだけか。
「確か妹さんが連れてかれるって言ってませんでした?」
「妹?」
妹?妹ってあの妹だよな?俺に妹っていたっけ?俺の記憶ではいなかった気もするんだけどな...ん、もしや隠し子とか?誰の?母親...は無いか。あの性格だし。じゃあ父さん?あのちょっとヘタレオーラが見え隠れしているあの父さんが?まぁグイグイ行ったら結構行けそうな感じだもんな。
と言うか妹って言ってんのに隠し子とか関係無かったわ。普通に間違えてた。てへ。
妹って何だろう?そんな哲学的な事を考えていると母さんが直ぐに拒否した。
「ドールちゃん。幾ら妹が欲しいからって嘘はダメよ?私達にも年齢とか体力とかあるんだからね?」
一切嘘偽りも無く真顔で言ってのけた母さんにビックリしたのだが...あれ?制限とかされてるんじゃないの?
マルナもそこで疑問に思ったようで先程泣いていたのにも関わらずめっちゃ真顔で質問をした。いや、だから...
「あの、お母さん?前話していた時は食料が畑だけでは持たなくなるから子供は作れないって言ってなかったですか?だから私達にも出て行ってもらった方が...って」
「ん?俺の方は王都が作るなって言っていたからって聞いたけど...まぁ今考えると普通におかしい話だよな。マルナの話もだけど」
「私の場合はフェル様とかマルナちゃんとかがいれば幸せだからそれ以上は望まないわって言っていた気がしますけど...まぁ女は三十を超えてから本番って言いますしね!」
おう...割と言いまくってんだな。しかも全部違う内容だし。この中では一番ドールの奴がいい感じだけど全部ホラって事になるのか?どう言う事なの?
今、この話題が来るとは思っていなかったらしく珍しく動揺していた。
「え、えっとね。えー、まぁ取り敢えずドールちゃんが言うには『妹』を追いかける為フェルが立ち上がったって言いたのね?」
((あ、話逸らしやがった))
珍しくマルナとフェルの意見があった瞬間であった。
「もう、ゴッチャゴチャになるから適当に終わらせるけど、ドールその『妹』がいたのはゴブリンがいた所に行ったのか?今見える感じだとそこしか無いんだが...」
「えっと、あ、そうですね。確かそこを通ってました。なんか男の人と一緒だったんで男が出来たんだと思ってたんですけど...」
場所さえ分かれば簡単。窓を開けて余り被害が出ないように風の魔法で...吹き飛ばす。いるとどうか知らんけどな。
「よし、さっさと勉強始めるか。確か三ヶ月位時間残ってるんだっけ?そんくらいあればまぁ行けるか」
「あ、う、うん。でも事前に登録とかそんなの無いから試験当日は結構人が集まるからしっかりやんないとね」
と、そんな訳で勉強を始める二人であった。まぁドールは俺の魔法って感じだから実質二人。ドールとやるのはクソめんどいと思うが相手はマルナだ結構行けるんじゃね?
まぁ。うん。