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意外も意外です

えー、どうも毎回内容忘れるので一話分見直したりするのですが...畜生、昨日の俺のせいで結構面倒じゃねぇか...

無駄に豪華なソファーに座り、マノンを待つ。もうこれ完全に頼らなくても俺一人でホイホイ行ったほうが良かった気が今しなくも無いが既に手遅れなのでゆっくり待とう。まぁマノンはすぐ隣に座ってるんだけどな。これじゃあ相手側の両親に「娘さんを下さい!」って言うあの感じになっているよな...完全に付き合うとかそんな過程を通り越してのこれだからな、急展開過ぎ。いや、付き合ってすらいないんだけどね?


毎度お馴染みくだらない事を考えつつ...あ、てかドールいたの忘れてたわ。まあ事情は向こうで話したから分かっていると思うけど...ドールだもんなぁ...

無駄に静かになった空間で柄にもなくじっと黙って母さんが出したと思われる菓子を食っていた。やっぱかぁ...そんな光景を見ながら母さんが切り出した。


「ふぅ、もっと時間が掛かると思っていたけど意外と早かったのね?時間が掛かる原因はフェルだけど」


「ねぇ?俺に対する評価ってどんくらいなの?クッソ低いと思うんだけど...」


「それは私が一応説得しましたから...」


え、何?無視?酷くない?もういないもの扱いされてるんじゃない?って事は俺が何してもバレないって事?だったら俺はっちゃけるけど?暴れるぜ?この悲しみを動力源にして暴れてやりたいと思ってますが後が大変そうなのでここはじっと待っておくのが得策でしょう。


「なんかマルナって母さんの前に出るとなんか固くなるよな。なんか嫌な事でもあったのか?」


「いや、そんな事はないけど...って言うか黙ってくれない?話し進めないんだけど?」


「あ、すんません」


畜生。俺とマルナの仲だったら笑って殴られる程度の事だと思ったんだが意外と違うみたい。まぁ殴られる時点で仲がいいとか言い辛いけどな。はい、そんな訳でじっと人形のようにしときますよーだ。コンチクショウ...あ、ドールそれ美味そうだな。


ドールと一緒に菓子を食べている様子を見て話を遮られなくなったと判断したのかマルナはいきなり本題を話し始めた。


「フェルが私が選んだ方に行く、と言っていたので私の意見を言わせてもらうと学校に行きたいです」


「学校?...え、学校!?」


この中で一番驚いたのはフェルに違いない。と言うか他の人は平然とし過ぎなんだよ...え、それじゃあこの俺が背負っているリュックは何なの?別に要らなかったって事だよね?うわー恥ずかしい。いや、そういう問題じゃないんだけどね?


「黙ってろって言われた手前で話すのはなんだと思うんだけど一応言うぜ?俺はまぁどっちでもいいって言ったから拒否する、と言う考えは無いけど学校ってアレだぞ?金がかかるやつだよな?今すぐ稼げとか言われそうだし、入学とかはどうするんだ?もう終わっているかもしれないんだぞ?」


うん、拒否しないとか言っておいて何だけど...あー!行きたくない面倒臭い!なんで生き返ってまでも勉強しなくちゃいけないん!?馬鹿じゃねぇの!?だから上辺だけは賛成しといて質問と言う名のアレで絶対行かせないようにしてやる...


その質問は来ると思っていたのかそれ程動揺することなく平然とした様子だった。


「お金は稼ごうと思えば稼げる位だしまだ入学まで二、三ヶ月はある。それに成績上位の三名は入学金免除って聞いたことがあるしお金を稼ぎながら勉強って手もある。一応フェルが住んでいるところには本が何冊かあるでしょ?」


「いや、金を稼ぎながら勉強って思っていたよりも辛いからな?しかもどんな方法で稼ぐかはしらんけど多分モンスターとか狩って稼ぐんだろ?毎晩夜遅く、朝早くまで勉強漬けで疲れている中で命の奪い合いなんて普通に考えれば頭おかしいと思うぜ?」


「そ、それは...」


厳しい現状を目の当たりにして厳しい表情を見せるマノン。そこで少し考える様子を見せるが完全に目線が母さんの方を見ている。何考えてんだよ...

そこで待っていました!と、ばかりに出番を待っていた母さんが声を上げた。


「あ、お金の心配は別にしなくても良いわよ?まだ現役の頃に稼いだお金がたんまり残っているし。それに勉強ぐらいは私もデデスも教えてあげる事は出来るわよ?一応学校行きたいと思って勉強していた時期があってやっていたんだけどねぇ...その前に結構有名な冒険者から仲間にならないか?ってスカウトされてね...」


マジかよ...金の心配がなく、勉強も割と出来そうな現状。絶対仕組んでいたろ...めっちゃマノンドヤ顔でこっち見てるし...


「まぁ金の心配ななくても親が出した金で行くっていうのもアレだと思うけどな。さっきマノンが言っていた通り必死こいて稼げば足りるって言ってたし親のスネかじってまで行きたいと思わないけどな...それに母さんがやっていた勉強と今やっている内容は合ってるかどうかもわからないし...」


「あら?そのくらい頼ってくれたっていいのよ?逆にその位しか手を貸せる事ないんだもの。可愛い我が子が自分の意志で道を歩もうとしているのにそれに手を貸さない親はいないでしょ?それとも任せるって言っておいて実は行きたくないだけなんじゃないの?」


事前に話をしていた、とかでは無く本心から出た言葉らしくマルナも俺もビックリしている。人によっては親の寛大さに泣いてしまう場面かもしれないがさっきから煎餅か何か食っているのかドールのボリボリと言うドールの噛み砕く音が聞こえていてどうにも集中出来ない。まぁ入ってくるよりかはマシだけどさ。


「そんなんじゃねぇよ。ただ俺は気になった事を指摘しているだけであって別に反論をしている訳ではないし」


「でも、実際はマルナちゃんの意見を真っ向から否定してない?入学金をどうにかするって言う考えも『勉強との両立は無理だ』と言うし私が払ってあげるって言っているのに『自分で決めた事だから誰かに払ってもらうって言う考えは無い』って言うんでしょ?それに勉強は何冊か爺さんの所に関係する本が何冊かあるのにそれにも反論する。結局何をしたいか決めてたんじゃないの?服装も背負っているのもその関係でしょ?」


怒涛の母さんの反論の嵐を食らったフェルはそれの切り返し方を急いで考えていた。

(どうする!?最初から決めてたんだろ?って言われたら結構反論しづらいぞ?しかも大体の事は俺の服装見てればわかるし...入学金は親からの行為で貰うって事で一応よし完結してるし勉強については家庭教師がいるかは知らんけどそれを雇うって言われたら結構キツイな...いや、でもここにいる人達がアレな関係で呼べないか?だったらそれに関連している人を呼べば解決だよな...どうすっかな...)


何時の間にか菓子が無くなった事に気づかず、入っていた箱の中に手を入れっぱなしで考える。と言うかバターとか砂糖とか紙とかあるんだな。異世界と言えばそんなものは貴重品だと思っていたけど実はそんな事はないとか?それか転生者(フェル)もいるんだし昔、召喚か転生した人がいるのかな?まぁ菓子は知っている感じとは全く違うんだけどな。どちらかと言うと金平糖を少し大きくした感じ?


もう、俺から言う事もなくなり、後はマルナが何かそれでも行きたいと言えば完結するような流れになってきた。今更感半端ないけど俺って結構面倒くさい奴なのな。

母さんは言う事を言った的な感じを出しながらいつもと同じ様に紅茶を啜っている。ちなみに俺は中に何も入っていない事に気付き、少し恥ずかしい気持ちを抑えながらドールに手を突っ込んで手を洗った。最近分かった事実。ドールって体が水で出来ているから突っ込んだら結構手が綺麗になるのよ?


「ぬぴゅ!?なんでいきなり中に入れるんですか!?完全に今そんな場面では無いですよね!?あ、もしかして『今だからこそ』みたいなゲスい気持ちでやったんです?流石にヤラれるのにはもう慣れましたけど時と場所を考えてくださいね...なんか何も知らない人がこのセリフを聞くとえっちぃ感じですね」


「今やったのは完全に癖であれだったんだけどお前の発言で謝る気持ちが吹っ飛んだわ...」


小さい声でバレないようにやっていたが母さんに少し見られていたのでバレバレみたいです。サーセン。


言い合いから少し時間が経ち、ある程度時間が過ぎ静けさが場を支配していった。もうそろそろ俺がなんか言ったほうがいいのか?と、考え始めた頃何時の間にか顔を伏せていたマルナが絞り出すように声を出した。


「...行くのが難しいって事も色々問題があるって事も結構前から知っていたもん...だけど、今日、フェルの口から『お前と一緒に行く』って聞いて凄く嬉しかった...だから舞い上がっちゃって無理かも?って分かっていたけど言ってみたんだけど...やっぱ考えていたよりも結構問題が深刻そうだったし、フェルも何か嫌そうだったし...やっぱ嫌なのかな?って考えた時もあったけど...」


涙や鼻水にグズグズに濡れた顔を上げ、決心がついたのか声を張り上げて言った。


「一緒に行くって言ってくれた時がすごく嬉しくて...どんなに辛くても厳しくても行きたい!私自身が勉強が好きって言うものもあるけど、そんな好きなものを好きな人と一緒にやりたい!」


最後まで言い終わって本格的に泣き出したのだが...うん、まぁやりたいってのは分かったけど別にそれ違うので良くないか?って考えが浮かぶんだけど絶対言っちゃいけない感があるよな...てか、女の涙は困った時に出るって聞いたことがあるんだけど絶対に違うよな...あと、最後ら辺は割とマジで聞こえなかったんだけど...


マルナの考えを聞いてフェルも意見がまとまったのか母さんに抱き付いているマルナに聞こえるように少し大声で言った。と言うか母さんいつ移動したんだよ...


「まぁマルナが行きたいってのは分かったし、熱意もすごいってのも感じ取れた。勉強くらいは俺もどこまで通用するか分かんないけど俺も一緒にやってやるよ」


パァー、そんな音が似合う感じで赤く晴れた目を輝かせながらこっちを向いた。完全に泣くといつもと違う雰囲気だから困るんだよな...

フェルの決意した顔を見て、何かを言おうとしたマルナだったが誰か知らない男の声で遮られた。


「王都の使いである!勇者が召喚されたそうなので仲間を募集したい!確かここには希少な氷属性が使える者がいると記録に残っているのだが」

あー、無駄に長かった。誤字脱字等ありましたら報告お願いします。もう、寝ます川´_ゝ`川

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