10年後
Q.10年後ってただ単に面倒臭くなっただけでは?
A.その通りなので何も言えません
「学校に行くか、冒険者になるか選べ」
「キャラがぶれぶれなのはさておき、結構な選択ですけどこれ絶対?」
いきなりこんな選択を狭まれたのは理由があってだな...それは10年前の事だった...
いや、こんな始まり方で申し訳無いけどそこまで大した理由は無いからね?
10年前、ルル母さんからの名でゴブリン宅にこんにちわした以外は殆ど自宅でドールと遊ぶか、外でドールと遊ぶかの二択だった。それかたまにジジィの家に行って妹やマルナ(ジジィのアレ)に顔を見せる位だった。時々ルル母さんが「魔法の練習しようか?」と、言ってきた時もあったがドールとの遊びの中で魔法を使ってやるものもあった為別にいらないか、と思って避けていた。
そんな生活が続いていき、五年が経った。
流石に五年も経てば小さい子特有の愛くるしさも薄れていき男の子特有の〝男らしさ〟女の子特有の〝女らしさ〟が垣間見える年頃になった。ここまで全く話題にも出てなかったフェルの見た目はまぁカッコイイ系と言う感じなのだが何故か金髪。そこで実はデデス父さんの髪は染めてあって元は金髪だったと言う事実が判明したのだがそれは割愛。
そんな男らしさも五歳の時の約束の前では屁でもなく、決闘が行われた。
本来は決闘と言うのは「正義は俺にある!」と言うのを力で説明する場なのでルールは〝殺しは御法度〟だけと言う物だったが流石に全ての魔法使うのはセコ過ぎね?との理由で急遽我が妹、ルチアナと同じ属性を使えとの暴論で決闘が始まった訳なのですがこの五年間火、水、土、風の四属性と支配魔法しか使ったとこ無いフェル君には圧倒的不利な状況で結果は勿論敗北。その後、ルル母さんとデデス父さん、ドールと力を合わせクソジジィをボッコボコにしたのだが一応負けは負けだ、なので勝者の言う事を一つ聞く、事で「えっと、じゃあ離れ離れになった五年を取り戻す為に誰よりも一番近くに居させて欲しいな...」と、少し怖い命令を聞いて俺の10歳は終わった。
その日から毎日リチアナと一緒に遊び、ドールも一緒に入れてのおままごと(俺の希望)をしたりと割と楽しい一日過ごし、その時の敗北を忘れないように一応氷の魔法を使えるように特訓した。だが、その時に事件が起こった。それはジジィのアレ、マルナを見た時に口では言い表せない心のざわめきを感じたんだ。「これは...恋...なのか?」その時は自分の本当の想いを感じれずに〝恋〟と断言してしまったんだ...
その出来事があってからリチアナ、ドール、フェルの中にマルナが自然と入るようになっていた。どうやら俺の気持ちが伝わっていたらしくリチアナが手を回していたらしい。いい妹を持ってお兄ちゃんは最高だ。その時はこう思ってしまった。何故かリチアナは無理をするように笑って俺と接していたのだがその事実をドールから聞いてとても胸が苦しくなった。実の妹なのにクソジジィとルル母さんの手によって引き裂かれた本来あるべき五年、いやそれ以上の時間は奪われてしまっていたんだ。俺はその事実を知って決着を付けようと決心した。直ぐにマルナの家に行き、その想いを伝えようとしたのだが「ここにはいない」そう言われてしまった。
もしや!?そう思って暗い、そして遠い道を俺は一生懸命走った...ああ、長くなりそうだから手短に説明すると、その時はリチアナがマルナを呼び出して「兄をおねがいします!」って言ってたらしいんだけど長く接するに連れてマルナも好意に思ってたんだけどその場に突然現れた俺が爆弾発言するんだけど、俺って転生する前階段から落ちて死んだじゃん?その時に最後に見た光景がスマホ片手に笑顔浮かべてこちらにレンズを向けているJKだったんだけどそれ以来女を見ると恐怖って言うか殺意が湧くようになったんだよね。マジ恐怖。
そんな訳でリチアナとか何故かドールは普通に接することが出来るんだけどそれ以外の女が無理になってしまったんだよね〜的な事を話したらマルナ唖然とした表情でさ、そのままリチアナに家まで送ってもらうまでずっと状況が理解出来ない的な表情とっていたらしいんだけどその後は知らん。て言うかその後はある程度距離をとって話しているんだけどな。
こんなのが続いてまた五年。基本的に15が成人らしんだけどよくわからない部分があるからこれも割愛。
フェルン15歳でリチアナ13歳。マルナは俺と同い年で15歳。割とマルナはパツキン美少女って感じなのだがやっぱあの時の光景がフィードバックするっているかちょっと近寄りがたい感じなんですね。まぁ五年も経てば慣れるもんだしある程度は触れ合ったりするけどな?あ、手を繋いだりと言う事ね。これをドールに言うと「この私を差し置いてそう言う関係になるなんて卑怯です!」とからかってくるので余り言いたくない事実。大体この私ってどの私だよ...別にそう言う関係でもないだろうに...てか前従者とか自分で言ってたよな?その設定はどこに行ったんだよ。
と、そんな感じで成人したのはいいものの上に戻る。俺がこの10年間遊びまくっていたせいで怒りゲージマックスになったそうで究極の二択を出して来やがった...
「絶対だけど?毎日毎日遊び倒して、言う事聞いてたのは五歳までで、それも2、3日経った瞬間言う事効かなくなって...何回反抗期あるんですか!?反抗期の移動販売ですか!?」
「てかドールと接し過ぎて口調もドールに似てきてるし...反抗期の移動販売は売る方も悪いけど買う方も悪いからな!?それは!と言うかおはようの代わりに上乗るのだけはやめてくれない!?最近父さんも俺に優しくないんだよね!?と言うか『フェルが...フェルさえいなくなれば...』とか言い始めているから構って!可愛そうだから構ってあげてよ!」
「だって臭いんだもん♪」
「もんじゃ無い!もんじゃねぇよ!いい歳したオバちゃんのくせによぉ!?ちょ、首は締めないで!首は直接命に関わるからぁ!!マルナヘルプミー!どうせ何時も通り見てるんだろ!?」
その言葉に反応してフェルがいる部屋の扉が開く。
「ずっと聞いていたけど悪いのはフェルだと思うんだけどな...でも言う事聞いてくれるんだったら助けてやらん事でもないよ?」
何故ここにマルナがいるかと言うとジジィが四ヶ月前程に旅に出ると言い残してどっか行ってしまったからだ。一人でジジィの家に住んでいてもいいが色々と不便なところもあるだろうとの理由で一番仲がいいお宅にお邪魔させてもらう事にしたらしい。らしいってのは家から帰って来た瞬間に突然そう言われたからだ。そのせいでジジィの趣味の家庭菜園までも父さんが管理することになったのだが滅茶忙しいとの事。その場所を別な感じにしても良かったのだがジジィが帰ってきた時に無かったら寂しいだろうとのご意見で家と同時に管理している。ちなみにジジィ宅にはフェルンことフェル、ドール、リチアナ、マルナが住んでいる。もう完全にハーレムな感じなのだが俺のせいでそんなことはお構い無しだぜッ!みたいな事になっているのでご安心を。ちなみに家庭菜園を無くしたら食卓的にも厳しくなるって言う理由もあったらしいが今はそんなに関係が無いか。
ちなみに家庭菜園デカすぎて趣味の範囲超えているらしくローテーションで管理をしている。仲が良いのよ?まぁ首絞められていたけどマルナの協力で脱出ができたから良し。最近こんな状況ばかりで言う事を聞く、と言う名の貸しがめっちゃ増えているのが悩みです。
パツキン美少年フェルとパツキン美少女マルナの愛と友情の物語。二人は真実の愛は見つけられるのか!?そして闇に隠されたリチアナとドールの影とは!?次回、フェルとマルナの距離が縮まる!?お楽しみに!(嘘です)