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恐怖を感じた

 暗闇から抜けるとまた暗闇が広がっていた。

 深淵を覗くとき、深淵もまた~的なことが頭を過ったが別に深淵を進んでいくと深淵が広がっている的なことを言いたいのではない、と考えたのだが……暗すぎて心細くなるな。

 門から出た先は暗闇だった。流石に門を進んでいく中で前も後ろも分からない、そんな完全な暗闇ではなく、少しぼぅっと赤い光が所々を照らしていた。いわば少し明るい暗闇なのだ。結局は暗闇なんじゃねぇか。


 先が見えない程まで暗いといった感じではないので先に進めそうだが……えっと、これって真っ直ぐ行っても良いのか?どこへかは理解できないが魔王と言えば城だろう、そう仮定して向かっている最中で足下からガブリ!とかやられたら堪ったもんじゃないんだけど?


「……なんか照らすものでもないのかな。正直、赤い光を持って歩くってのも手だが……なんか召されそうで怖い」


 いや、俺は生きていくなかで一つも悪いことはしてなからね?うん。人間が普段することしかしてないし天国には直行できそうだが……こいつが怖いな。

 そう言って、隣を歩くドールを見る。神と名乗っておいて普段と態度が変わらないのがイヤらしい。だから淫乱って言われんだよ。主に俺が言ってるんだけどな。


「そう言うことならこの場一帯を照らすことぐらいは出来ますよ? 神なんで」

「神ならさっさとこんなの終わらせて……終わらせる? あれ、俺って来る意味あったっけ?」


 多分、恐らく無い。てか絶対無い。そう俺は信じている。

 ま、まぁ、やることがなかったら観光でもしてるかな?校外学習的な感じのあれだな。その行き先が魔界って時点で行きたくなくなるけどな。それでも行くのがフェルクオリティ、それが俺。全ての原因は……って、俺が死んだときに話したあいつは誰だったんだ?完全にドールの話し方じゃなかったしな……しかも男っぽかったし。聞いてみるか?

 暗い、その言葉通りに照らそうと天にドールがふんぬって、生み出した光球を投げ爆発した。その瞬間に薄暗かったこの空間は昼間と同様、いやそれ以上の明るさになった。


 魔界は一言で言えば不毛の大地。そんな印象だった。

 地面はなにかで固く覆われているようで砂って感じではなかったが所々に見える茶色い植物は少しさわっただけでも崩れ……あー、うん。意外と固かったわ。

 地面は赤黒く、見渡す限り所々に無駄に硬い植物がはえているだけだった。不毛ではなかったけど……肝心なクトゥルフもどきはどこにいるんだ?ここが根城なら溢れかえっていると思うんだけど。

 まぁ、それ以前にここに来る前に結構踏み潰していたし全部いなくなったのかな?疑問に思っているとドールは何かを察したのか無い胸を張って言った。なんか見ているこっちが虚しくなるな。


「何故ここにはモンスターがいないのか? と、思いのフェル様。はい、実際は沢山……ゴキブリみたくひしめき合っていたんですが丁度良かったんで浄化させときました。どうです、この有能っプリは!」

「本格的にお前だけで魔王討伐しろよ……って、そんなんじゃなくて」

「ほぇ?」


 突然話を遮られたドールは情けない声をあげるがそれ以前に浄化って言葉がきているから何にも思わねぇんだよな。浄化と言うなの死を持って滅してやる。ああ、死した後はちゃんと巡られるようにエサとして有効活用させてもらうさ(ニッコリ)みたいな黒さがうかがえるのが以前との違いか?死体はないようだしエサとしては使えない感じだけどね。

 そう言えば魔王は聖剣だっけ?まぁ、勇者の武器である先っちょ無いこれでしか倒せない感じだったのを思い出し、自分の有効性を見いだせた。結局は俺も動くんじゃねぇか。


「ほぇ? じゃねぇよ……そう言えばお前神なんだろ?」

「唐突に何を言うのかと思えば……それは常識みたいなもんじゃないですかー、小学校の教科書にだって書かれそうなものですよ?」


 ……って、書かれてねぇのかよ。


「んまぁ、それは良いけど……俺って死んだとき誰かの声……あー、なんだろ? 老人って程ではないけど渋味を感じる声だったんだけど――」

「あ、それが本来『水』『支配』で出てくるはずだった人ですね。代わりを頼んだ訳なんですけど……」


 “知っている?”と、言い終わる前に問いが返ってきやがった。いや、早いに越したことはないんだけど食い入る感じで入ってきても……ねぇ?

 ……ん?それなら疑問が一つ出てくるんだけど……




 俺 が 想 像 し た も の が 出 て く る っ て 言 っ て た よ な ?



 軽く、いや本気で鳥肌が立ちました。俺はそもそもの問題、ホモじゃねぇ!戯れるのは友人としてが限度だよっ!

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