いい夢だと思ったら悪夢だった件
なんか色々やらかしたんでそのごめんなさいの気持ちも込めて投稿。夕方過ぎにもう一個投稿できるかな……
天国とはなんぞえ?死とはなにかね?そう、一度は考えたことがあるだろう。主に思春期の不安定な年だけど。後は入社一年目の新入社員とか。
まぁ、普通に考えてみれば生きている人間に死とかそんな概念は想像するしか方法がなく、“死の世界を見る”なんてことは宝くじを当てるより難しいことだと思う。って言うより自分のことを神と言う変な少女より「私、死んだことがあるの……」と、しんみり言った方が説得力と言うものがあるわけで……。
と、そんな事を言っちゃっている俺なんだが早速だが先程の言葉を訂正しよう。天国、極楽浄土はあったんだと……ッ!
ただ広い空間に埋め尽くす程、一面に色とりどりの花が咲いている。赤から青、そしてオレンジと想像つく限りの花が模様を描くように咲いているその光景はイメージ的には紅茶の国のお人が白いワンピースを着て「ウフフ」と、紅茶を飲んでいそうだなと容易く想像ができる。そんな幻想的、だが絶対無いとは言い難いその光景のど真ん中に純白の髪を風になびかせている少女が見えた。
「まぁ、それ以前に紅茶の国にすら行ったこと無いんだよなぁ……」
生粋の日本人なんで自国に愛があるんです!と、全世界に向け宣言できそうだが……まぁ、日本って言い感じに外国に染まってきてるし……と、考えすぐにやめた。純粋にこんな景色の前で考えることではないだろう、そう思ったからだ。
春の風、そう表した方がいい心地よい暖かい風は服の間をすり抜け、通りすぎていく。最近伸びてきたこけしじゃない髪の毛に感動をしながら回りを見渡し、俺の正面の少女しかいないことを確認した。これは……神のお告げかなにかかしら?このまんま正面の少女と恋に落ちてこの花畑で一生を過ごせと神のお告げなんだろう。考えるのをやめ、そう決めつけた俺は一歩一歩、慎重に進んでいく。流石に花に興味はないとは言え、わざわざ咲いている場所にずんずん進んでくほど無情じゃないんでね。
(後ろ姿でこんな心揺さぶられるんだから顔はどんな感じなんだろうな……天使のような柔らかさを持ったすべてを包容して許してくれる優しさの持ち主だといいな)
容姿の話かと思ったら完全に内面の話に移行しているがそんなことはお構いなしに進んでいく。後ろ姿で惚れさせるこの少女は少女でも美少女に違いないと……!
着実に進んでいき、あと少しで手が届きそうになった瞬間、ゆっくりと少女が振り向き……
「あ、えっと……俺はフェルンって言うんだけどフェルって愛と今後に向けて愛称で呼んでくれても――」
恐怖。
別に京都の豆腐で京腐。なんちってじゃなくて普通に生物が本能的に感じる恐怖が全身を覆った。
言い終わる前に少女の表情が完全に見え――人ではないと悟った。
元は美しかったであろう、その顔も赤く染まっており端々から見える痕から切り傷だと悟った。その表情に暖かみはなく、感じるのは無機質に、そして無情に見つめる本来、収まる場所に収まっているはずのものは神経で辛うじて繋がっている状態、そんな飛び出た眼球が見つめるだけだった。
最初に感じたのは恐怖。何故こんなものがこんな場所にいるのかと恐怖を抱いた。その時には正面にいたはずの少女は消え、残ったのは苛立つように激しく揺れる地面だけだった。そして聞こえるのは――
「……さ……フェ……ん!……フェル様!……コンチクショウッ!」
「え、あ、おはよ……ッツぬほおおおおおお!?」
何度呼んでも起きないフェルに対し、多分プロレス技にありそうなこう、顎と足を持ち上げて……まぁ、一言で言うと真っ二つに折られてしまいそうな危険な技を繰り出している途中だった。
いつの間にか生暖かい風で眠っていた俺は夢を見ていたらしい。しかも周りの環境が織り成す最強最悪の悪夢だけど。
何が後ろ姿で心踊るだよ……踊ったのは心臓だけでしかも一人遊びで今すぐにゴーシュッ!してしまいそうな感じだったので凄く怖かったです。
んで、どうやら目的地に着いたようでそれを言おうとしたら寝てやがって。起こしても「後……後……三時間」と、ふざけたことを抜かす俺に何かが切れたのかプロレス技を決めたドールだったらしい。らしいってか確実に俺が攻撃受けてるかららしいも糞もないんだけどね。うん。
「よし、寝覚めは最悪。コンディションも良いとは言えない状況で俺に何やらせようとするのかねぇ? ねぇ、ドール君?」
「全部自分のせいなんですけどね……なんと言う責任転嫁。既に起こったことなので何も言いませんがここから起こることは説明したはずなんですけど……後、私神様なんですけど」
「神だかゴットだが全能神……全部同じだが現世に降りている時点で神も糞もないだろうに……」
後、これからのことは完全に忘れていただけなんで。ええ、ホントすんませんね。