一個飛ばし
タイトルに意味はないでござる。はい。
ただ、最後無理矢理過ぎたかなぁ
「この距離でも来ているってことは相当……」
「確かにそうだな……よし、取り敢えずは近くの国に行って様子を見てくるか」
そう言って中二病とガルバ先輩が車に乗り、走り去っていった。残されたのは変に笑ったドールとそれに負けず劣らず気持ち悪い笑顔を浮かべ、指をくねくねさせながら近づいてくるリチアナ。そして縛られ、リチアナの毒牙にかけられようになっている俺だった。見てないで助けてくれよっ!
「ふぅ、何とかなったけどお前は行かなくて良かったのか?そう言えばだけど」
「大丈夫です、安心してください!私たちの熱い絆は何人たりとも離すことはできないんです!」
「それは聞いてないから、うん。まぁ、これからどうしようって感じだな」
無事、上手く縄から抜け出したのは良いものの周りは異常に地面が半円型に抉られているし、カレス達は出せなくなったし一番残しちゃいけないやつらが揃っちゃってるから色々危ない。主に魂的な意味だけど。
取り敢えず、聞いた感じだと中二病はこの大襲撃から皆を守るため出掛けているらしく何もやることがない。勇者やめるとか言っといて勇者してるじゃねぇかよ、メンヘラかよってツッコミたくなる気持ちを押さえ、気になったことを聞いてみる。
「そう言えば魔王とか門とか言っていたけどそこら辺何とかしないといけなくない?いや、何とかしてるなら良いんだけどさ……」
「あ、そっちからなんだねお兄ちゃん」
「兄じゃねぇし、この現状は一番俺が近くで見てたからよく分かるよ」
流石にこんな綺麗な半円状で抉れてるとは知らなかったけどさ。こんな事になったのに始末されないとか優しさ通り越して仏だね。寧ろゆとりだね。言ってる本人が一番よくわからないけどさ。
普通はあぶねぇから殺しとくかとかあるじゃん?まぁ、そこら辺はリチアナが止めたんだと思うけど……それは感謝だな。
「その気持ちがあるのなら無抵抗に襲われても……」
「心の声が漏れてると言う以前に襲われるってどゆこと?性的?暴力的?」
どっちも嫌なんだけどね。
恐らく、性的と言う部分で反応したドールをおいといて俺の言葉で笑ったのかリチアナが落ち着くのを待つ。そこまでウケるもんでもないとおもうんだけど……。
「まぁ、それは嘘だけど……まぁ、包容で許してあげるよ」
「ん?ほんぽお?」
「何でバスとかボブとか出てくんだよ……何だよ、入浴剤で許してあげるって」
しかも使い方間違ってるし。それじゃあ俺が包まれちゃう感じだし。輸送されちゃうの俺?どこ?アフリカ?
と、一人でボケたり何とかしていると急に表情が変わったリチアナが喋り初めた。
「突然なんですけどネズミ色頭が前、聖剣を集めて作ったんですけど……何故か剣の形にならなくて……あ、因みに聖剣は唯一魔王にダメージを与えられる勇者の特権、聖属性の塊みたいなものなんですよ」
「本当に突然だな……ってことは、魔王を殺せないってこと?」
リチアナがブーメランと言った方が良い感じにひん曲がっている剣を取り出した。
柄とか取っ手?の部分とかは結構豪勢に装飾されているのに刃の部分がなぁ……このまんまじゃダメなの?って聞いてみると「ダサくないですか?……そんな感じでダメージが激減するんですよ」とか。何そのファッションセンスレベルみたいな感じ。私は秋冬両方使えるブーメランで攻撃力無限大アップよ!とかか?
無限大の時点で少し、動かした時点で世界が終わるな。と、考えてみる。
「これ、もっかい打ち直した方が良いんじゃね?やれるかしらんけど……」
「残念ながら聖剣とかそこら辺は神様に気に入られているか度合いで決まるらしいんですよ」
「何、今の中二病では気に入られていないってこと?」
当たり前っちゃあ当たり前なんだけどね。あんなやつを好きになったらコスプレイヤー大人気だよな。
少し、リチアナの発言で気になることがあったので世界の主人公足る俺がやってやろう!……え?打ち直せる場所は決まってる?どこよ?……ん?ビュッフェ?なんか旨そうな名前だけどそこに行ってみるかな。