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やっと動き出すよ!ちょっとだけど!

「はぁ……何となく分かりましたけど何故それを俺に? 聞く感じだと圧倒的に支配魔法優遇されているって感じで、俺が力を理解したら敵対する可能性もありますよね?」

「理解したらって言葉が出る辺りまだ、抵抗はできるってことだよね?」


 確認をとるように言われたその言葉を聞き、失態を犯したことに気付いた……まぁ、聞く感じだと賢王様って同じ支配魔法持ってる相手だと支配したものをぶつける位しか方法が無いように思えてくる。まぁ、ドラゴン出されたら終わるんだけどね。


「フェル君が言うことも分かるけど僕は敵対はしないよ。折角の支配したものを失いたくないし……まだ、死にたくないからね」

「え?」


 最後に何か言った気がするが聞き取れなかった。大体こんなのがすごい情報なんだろうけど……まぁ、良いか。既に王都で脱獄犯ってなってるだろうし、落ちるならとことんだ。ほら、毒を食ったら皿まで食っちまえ的な感じだね。ゆるいけど。


「気にしないで良い……で、僕にメリットがあるかないかだっけ?勿論あるさ。ほら、中身は違うけど同じ支配魔法持ちじゃないか」

「そんな暴論に近いものが通るなら世界に争いなんてありませんよ……」


 だって、人間って元を辿れば同じ種類なんだから……ってなるじゃん?無駄に知恵とかがあるから通じないんだけどね。まぁ、賢王様がただ単に優しい人物って可能性もなきにしもあらず。


「ははっ……まぁ、神に愛された者同士、仲良くやっていこうじゃないか」

「……愛されたって、完全に神様二股してますよね。女か知らないですけど」

「神様にとっては男の一人や二人、変わんないんじゃない? まぁ、フェル君の方が愛されてるけどね」

「女が苦手な俺にとってはただの恐怖ですよ……いや、ホントに女か知らないですけど」


 神に愛された、その単語を聞き、少し止まってしまったが何とか言葉を捻り出せた。確か……ドールが言っていたな。神に選ばれたとか愛されたとか。コイツら裏で打ち合わせでもしていたのか?と思うが絶対に違うと断言……は出来ないけどそうは思う。ってことなら勇者は選ばれた者って事か……?あー、よくわからねぇな。

 投げ出したくなる気持ちを抑え、少しでも多く疑問を抱えようと思ったが話はそれで終わりらしく立ち上がり「ああ、君の言う賢者?大賢者?は僕の弟子なんだけど気を付けた方がいいね。アイツも支配魔法持ちだし……」と言い、手を差し出す。それは昔聞いたことがあるけど姿を変えるもんじゃないのか?……まぁ、取り敢えず差し出してもらった手を握り、扉に向かう。


「では、これから加害者の……貯金だっけ?を貰った後はどっか旅行に行く予定なので俺はここで……」

「あ、その件何だけど多分、白紙になると思うよ」


 頭を軽く下げ、ドアノブを握るが後ろからそんな言葉を掛けられる。えっと、って言うことは何、ここで監禁するぞ?的な意味だったりする?

 少し、疑問に思いながら賢王様の言葉を待つ。


「さっき見せた通り王都……いや、周囲の国にはある程度の管理機械があるのだがその情報だと今すぐにでも戦争が始まるっと言う情報がある」

「……えっと、って事はこんなぼんやりしていたらイケないってことですよね?」

「まぁ、君も見ていただろうから深くは言わないが既に避難命令は出してるし、避難も終わった頃だろう。後は戦える者だけが外にいるだけだ。……こんな風に戦うと思ってなかったんだけどね」


 あ、そう言えばあの糞ジジィが弟子って事は賢王様って結構なお歳で?と、考えていたのだがわりと現状はヤバイらしい。つか、本当に中身丸聞こえなんだね。素っ裸じゃねぇか……ん?今思ったけど俺の名前分かるってことは少なからず目に留まっていたってことでしょ?それが闘技場前からだったら……うん、終わったな。既に変態の称号はゲットしていたんだね……いっそ、全ての称号ゲットしようかな!(白目)

 外に出たらバチコンやる可能性があるから気を付けてね!って言われて出た次第であります!遠くから地響きのような音が聞こえてるのは気のせいだと思います!地下に逃げようかと考えたが助かる前に女が見た感じ結構いたのでどちらかと言うと、外の方が安全かもね。既に一般人を名乗れなくなってきてるがそれでも俺は名乗るぜっ!


「俺は一般人の筈なのになぁ……全ては良く分からん見えねぇ奴のせいだもんな」


 隣を愉快そうに歩くドールの姿に少し、癒されながら怒号が聞こえる外に出た。温厚そうな人でも戦争って言えば性格ぐらいは変わるもんなぁ……出させてくれるかな?







 誰もいなくなったことを目で確認し、音が去っていくのを耳で感じ、やっと気が抜けると背伸びをしながら息を吐く。


「はぁ、まさかいるとは思わなかったけど……多分大丈夫かな?必要そうな情報は全て出したし、不利になる情報は……まぁ、なきにしもあらずだけど」


 必死に考えた結果、考えが空回りしたが怪しまれなくて済んだがそれは多分、フェルの頭が緩いせいだろう。無駄なところで感が働くのに……と、考えソファから立ち上がり、窓を開ける。普段聞こえない喧騒や怒号、そして砦を壊す音が聞こえる。まだ、大丈夫だ。


「それにしてもこんな戦争より、魔王の方がよっぽど重大な気がするんだけどなぁ……何処行っちゃったんだろう?壊されて居場所が分からないからなぁ」


 以前あったことを思いだし、溜め息をつく。確か溜め息は幸運を出すんだっけか?そんな事を考えつつ、自分の出番が来ないことを願いながら雲一つない青空を見上げる。

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