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あの出来事の裏側

 ほのぼのと移動するフェル達であったが殆ど忘れかけている。と言うより完全に頭の中からどっかいちゃってるリチアn……謎の人物はと言うと時間は一日とちょっと遡る。




「……来ないな」

「来ないですねぇ……」


 この世界には存在してないはずの車の助手席、後部座席で窓から様子をうかがっている二人の男女が呟いた。

 最初に呟いた男は室内、そう言って良いのか謎だが全身を覆うほど長いマントを羽織っており、顔はフードを被っているせいか全く容姿が見えない。のだが、フードからはみ出ている金色の髪とマントの上からでもわかる逞しい肉体が誰かを物語っている。

 次に呟いたのはフェルに伝言を言った……謎の人物だ。言うまでもなくリチアナである。助手席に座る男とは格段に声の高さが違う。


「だから言ったじゃねぇか待っていてもしょうがねぇって。どうせ、アイツは王女s……いや、ルノアが起こした騒動に乗っかって逃げてると思うが?」


 冷静にそして冷徹に良い放った運転席に座る、黒と白が入り交じった灰色の髪が目元まで伸び、髪と髪の隙間から見える瞳は鋭くとがっており、視線があうだけで凍てつくされてしまうようだった。頬から鎖骨にかけてナニかで抉られたような古傷が目立ち、助手席に座る男とはまた違った肉体をしており小さく、必要な箇所に凝縮されたような体つきをしていた。


 そんな事を言うと後ろに座っていたリチアナが思いっきりフードを引っ張り、灰色の髪と冷徹な瞳が驚きながら振り向く。


「そんなことはないし!お兄ちゃんはそんなことは……しないとは言い切れないけど約束は守る人だからっ!」

「また、兄か……アイツは兄じゃねぇと言っていたみたいだがそれは信じねぇのか?前言っていた通り、兄の事は何がなんでも信じるんだろ?」


 フードを強く握り締めたリチアナの手を振りほどきつつ、言う。振りほどくさいに立ち上がったせいで目と目が至近距離で合ってしまい、少し顔を赤く染め、それを隠すように窓の外を見つめる。

 灰色の髪の男の言ったことに、自分が言った矛盾に気がつき戸惑いを隠せない様子のリチアナ。

 それを見た金髪の男が助け船を出す。


「もうそれぐらいにしないか仲間割れは。正直言って今はそんな場合じゃないだろ?元とは言え勇……」


 続く言葉を無理矢理遮った灰色の髪の瞳に写る光が強く揺れる。


「やめろッ!……俺はそんな称号も名誉も名前もアイツと一緒に置いてきた……だから、」


 少し、溜めを作り熱くなった心を冷ます様子を見せる。そして、今の自分に相応しい名前を新しく名乗る。


「……リスタート。そう、リスタートだ。俺は俺の人生をやり直す。お前だってそうだろ?……ガルバ」


 そう、リスタートが隣に座る男に向け学園最高学年。実質最強の男、生徒会会長である男の名を呼ぶ。

 いきなり呼ばれた事に驚いた様子だったがすぐに平常心を保つかのように口を固く閉める。


「最初、フェルンを脱獄させるのに手伝えって言われたのは今でも印象に残ってるな……学園の代表が犯罪者を脱獄させようって言い出すからな。まぁ、フェルンが犯罪者ってのはよく分からないが学園長が失踪したんだ。そんな事が起こったら壊れてもしょうがねぇ……」

「……言い過ぎだ」


 今度は金髪の……ガンバが声を上げ、リスタートの言葉を遮る。フードに隠されて見えないが強く拳を握り締めている様子が見える。

 そんな言い合いをしているうちに正面から何か人の気配を感じ、扉のロックを解除する。解除した瞬間に後部座席に黒い布を顔に巻いた女性が現れる。


「ある程度城の中漁ったけどやっぱり見つけられなかった……ごめん」


 なんの事だ?すぐにリチアナとガルバが思うがすぐに少し前に起こったリスタートが協力的になる原因の事件を思い出す。

 それはアーサーが無差別にドラゴンを放ち、その時は勇者のままだったリスタートがその後王城に呼び出された事が発端だった。


 当初はこの事件が勇者の仲間を集めるために行った出来事に気付いたホルスナス・フェルンの犯行だと思った王城の王が流石に学園内までは手を出しづらいと考え、その妹であるリチアナを呼び出し、拉致し、国民の前で宣言し、処刑することでこの事件を解決しようと考えたのだが希少な氷属性の保持者であり、珍しいヒールボイスの使い手であることから殺す、そんなことは考え直そうと考え直したのだがそれを見かねたリチアナの家族の記憶を改竄した魔眼の使い手であるリューグが国王とその側近の記憶を改竄。その後に自殺。記憶を正すための唯一の手段がなくなったのだが、記憶を改竄された王達は作戦通りリチアナを呼び出し、捕まえる。ではなく、総勢五十数名の魔法使いの手によって殺される筈だったのだが何となく嫌な予感がしてこっそりついてきた勇者達に救われるが、時間を稼ぐため攻撃を受けたせいで致命傷を負い、捕まえられた光景をまじまじと、見ていた……。


 そう言えばこんな出来事があったせいで色々と吹っ切ることが出来たのかもな、そう呟いたガルバだったのだがリスタートが試行錯誤して作った車の音に掻き消されて耳に届くことはなかった……。

伏せてるように見えますが気のせいです。あと、名前かいてないのは忘れてるせいです。すんません。

だって存在感無いんだもん……

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