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始めての...

「基本的には使いたい魔法を想像して魔力を流す。あ、魔力は適当にうーん、ってやっとけば流れるよ。多分」


「うん、分かっ...多分?」


使いたい魔法とか言ったって何を想像すればいいのん?てか魔力とか言う謎物質。あれ?物質か?まぁそんなもんを全く関係の無い世界からやってきた僕ちんには扱えないと思ったが吉日。やらなくてもやらされるこの現状。人権人権って叫びたいがどうせ聞いてもらえないので言われた通りにやります。へい。


(えっと、やっぱ基本も基本。ド基本の火属性からか?ならやっぱコンロとかそういう系を想像すんのかな?)


コンロ...コンロ...と考えながら魔力を流す。魔力というものが何なのか知らないので流れているかどうか知らないのでやりようが無い。うーん、って何だよ全く。可愛いから許す、だが母親なので減点だな。

うーん、うーん、やってると流れているのかルル母さんが話し始めた。


「うん、うん。そう言う感じ。次は魔法を発動させる為の言葉だね」


「詠唱とかそんな感じ?」


え、俺大声で「ファイヤぁ...ボォールッ!」とか叫べないよ恥ずかしい。ほら、日本人特有の発想力の豊かさで無詠唱覚え無いとね。完全に他種族どころか人種すらも馬鹿にしている発言だよね、これって。日本人じゃなくても発想力もあるし物事も自由に考えられますぅ。いや、俺も日本生まれなんすけどね。日本生まれ日本育ち日本で死んだ極々平凡な高校一年生。いや、もう死んでる時点で平凡もクソもないけどね?


「うん。まぁ詠唱って程しっかりした物じゃないけどやっぱ初級は詠唱ありの魔法。中級が詠唱を無くして発動。上級からは無詠唱なんて当たり前だし少し自分なりにアレンジしているね。取り敢えず上級目指していこー」


「お、おー!」


「良い返事だね」


火水風土の基本属性と光闇の表裏属性。熱氷烈剛の基本属性上位バージョンの10個はそのまんま「『火よ!』」とか属性名言えば発動するんだと。確かに詠唱もクソもないな。そこまで格好良くないが属性の分け方が中二臭くて俺は好きよ?とりま烈とか剛は風と土の上位属性っぽいけど熱氷程の熱意は感じられないのが少し残念ッス。


って事でコンロをイメージ。何時でも発動可能何ですけどいまいち実感が沸かない。これから火を出して人間という種族を飛び抜ける筈なのに緊張感とかそんな感じのものが足りない。そんな事を思っているフェルの近くでは球体状に水を集めていつでも沈下準備オッケよ?と言わんばかりにスタンバっているルル母さん。だから俺が使う前に使っちゃダメでしょ...魔法スゲェ!とか素直に思えないでしょうが...。


(そんな事を思っていても仕方無いか...いざ初めての魔法!)


体中を駆け巡っていた魔力が急速に一箇所に集まり、フェルの言葉一つで発動可能となった。その感じを身体で感じながら心で感じた属性名を唱える。これがッ...俺のッ...俺達のッ...魔法だァ!!!


「『水よ』」


言葉に反応し一箇所に集まっていた魔力は外に放出されフェルの正面近くで集まり下に向かって...放出した。


(あ、魔法って楽しいかも)

やっぱ最初は危険性の無い水の魔法からだよねー安全だよねーウォーターカッターって言うのもあるみたいだけど便利だよねー。

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