セカンドうまんま
投稿ッス。正直、場面進んでねぇから飛ばしてもいいんスけど……見てもらったほうがありがたいッス。
旅とは何だろう?ふと、そう考えてしまう。
行き先も行き方も果ては何処に着くのか分からない、未知の場所で手綱を握る。仄かに香る女の子特有の甘い匂いに幸福感を覚えながら全く変わらない景色を見ながら進んでいく。
コンチクショウ、せめてもっと代わり映えのあるザッ異世界!って感じを想像してたんだけど事実は小説より奇なり……は違うな。想像してたより圧倒的グンマー感で驚きを通り過ごして眠気さえ感じてしまう。圧倒的グンマーの風評被害。行ったことねぇからわかんねぇよ、俺は地元を愛する愛があるからな。……うん。
話が逸れてしまったのだが何を言いたいのかと言うと目的地の決まっていない旅って何だろう?ってことよ。
唯一の話し相手だったカレスは無理矢理馬車に馬くくりつけて後ろで寝てやがるし、ドール達は乗って移動した数分後に寝てやがった。食って寝てって赤ちゃんかよ……。
代わり映えの無い景色にうんざりしながらそういえば、と思い出したことがあった。
「……あの場所にあったエメラルドグリーンの石って何だったんだろうな。つか、エメラルドグリーンの緑具合は凄いな」
まぁ、エメラルドが緑を表しているのか知らんけどな。金色の光的な感じで大体光は黄色いだろって思うんだけど多分それは違うな。
地味に暖かい風と心地良い振動で眠くなってきたので適当に袋から食べ物を取りだし、頬張る。見た感じ非常食っぽいけど今非常事態みたいな感じだし良いよね。ほら、腹が減っては戦はできぬ、て言うじゃん?その場合の戦って何だろうって気にもなるがその時はその時だ。カレスが寝ちまったせいでわんわんおとかぬこがバイオなハザードになって襲ってきてるのでほいほーいってやっつける。言い方的に軽いけど青っぽい血って結構グロいのよ?何故青いのか知らんけど。
「んっと、あれって完全に人倒れているよな……?」
ほのぼのしながら進んでいき、日がくれ始めた頃やっとドール達が目を覚ました。これで、やっと交代できるな、と考えていた矢先にケツを天に突きだして倒れている人形のものを見つけた。何故倒れているのかってよりどうしてそんな格好なのかってとこが気になるな。
一応、口に出して確認したのだがドール達は眠そうに目を擦るばかり。いや、助けようかって意味だったんだけど分かんなかった系?それともそんな無理しなくても俺の言うことに従いまっせ的な感じなのか?或いは寝起きで頭が覚醒してないだけ?
そんな心配をしてみるのだがモンスターに襲われても動じない、鋼鉄のハートの持ち主であるうまんまはお構いなしに進んでいく。もっと考える時間をくれよん。
そんな俺の心の叫びを感じてかカレスが起き上がり、謎の人物。ケツ突きだしを見る。
「……うーん、一応呼吸はしているみたいだし見て見ぬふりでも良いと思うけど」
そう、呟き目を細めてじっくり観察をする。何か分かったのかふぅ、と息を吐き出し繋がれていた手綱をほどき、うまんまではない馬に跨がる。
「それに見た感じだと女の子っぽいしスルーで良いと思うけど……暴れられても迷惑なだけだし」
「迷惑って……俺の心配はしないのな……」
それか信頼感からでるあの身内ネタ的な感じ。
今更だけど女に抵抗があるってフラグも糞も建たなくなるのね。これぞフラグクラッシャー、しかも常時発動。正直キャッキャッウフフなこともしたいのよ俺も。男だし、良い年だし。ほら、若かれし頃の過ちとかあるじゃん?年取って「あの頃は勢いに任せてやれたんだがのぅ……歳の関係か立つことすら稀なんじゃよ」とか言ってみたいじゃん?多分ヤったとしてもそんなことは言わねぇな。
俺が独断で勝手に決め、後で「ロクでなしクソ野郎」と、言われることは避けられたので安心して通りすぎることが出来る。前を通ってる最中でガバッと起き上がり、
「あ、あの、食べ物を恵んでくれませんかっ!な、何でもしますから!」
と、言われた気がするのだが反射的に「てめぇに渡す食いもんはねぇ。そんなに腹が減ってんのなら自分のクソでも食っとけ!」と、言ったことに軽く驚いた。俺ってそんなことも言えんのな……。こうやって俺の回りから女の子が減っていくのであった。