ピザパーティー(ネタバレ)
遅れたって言うか纏まらさせられなかったので投稿。犯人はピザ
「始めましてでございます!エルフィ改めて新生エルフィでござるます!よろしくするでござる。にんにん」
「えっと、正直俺も詰め込みすぎたと反省はしている。うん、どうしてこうなった?」
ドール達が寝た後、秘密の特訓と称して言葉づかいを忍者っぽくしたんだけど見た目だけじゃなく、口調もパチもんっぽくなってしまった。後悔はしてないけれど、どうしてこうなったかの経緯が知りたいな。
あれだな。疲労が溜まって半分寝てる状態でやったからなのだろう。ほとんど記憶がないし、あったとしてのふわふわしてる感じだから参考にはなら無いよな。まぁ、寝惚けてるだけでこんなになるとは思えないのだが……。それは多分エルフィ自体の素質なのだろう。前世忍者かよ。
個人的には忍者改めて、ニンジャでも良いのだが世間体が良くないとのことでニンジャニンジャらしくすることに決まった。ニンジャで結局良いのね。
まずはニンジャの歴史から……ってことになったのだが
「外国、主に米の自己解釈に溢れた集大成のようなもんだな。歴史自体は余り深くないと思う」
そうは言っときながらあの国はいろんな意味で規格外だからな……調べれば物理で殴りまくるイカした軍団とかありそうだから怖い。
「私は……こっそり隠れて殺すってこと位しか分からないんだけど……」
「フェル様っ!私はくのいち系の成人誌は結構ドストライクですよ!主に足が!」
お前はもっと女としての自覚を……と、思ったのだがこれも個性だと割りきることにした。世界は広いんだし、普通にそんな女もいるよね。色々腐ってそうだけど。
因みにルトの考える忍者はニンジャに近いらしく、軍服は着てるよね?って言っていたので本当に癒しがカレスだけになってしまった。ニンジャが軍服着てたらそれはただの軍人だよ……ちょっと奇妙な技を使うけど殆どが拳で語り合うものだよ……。
んで、その後様々な意見が出揃った後、少し待っていてほしいって言われて数時間は経つんだけど?既に朝飯食べ終わって暇だし、昨日戦った場所に行ってみたら不自然に輝くエメラルドグリーンの売ったら捕まって入手場所話し合い(拳)で三途の川渡らせられる未来を感じながら周囲を確認し、ポケットに入れた辺りまで来たんだけどまだぁー?
しれっと盗んでいるような気がするがこれはあれだ。頑張った俺への皆からのご褒美なんだ。別に宝石とかに興味はないんだけど換金した後の事を想像するのは結構好きよ?そう言って屈強な男に腕ごとぶんどられそうな気もするが考えたら負けなのだ。一応、土の魔法でワッペンみたいに仕舞っておくけどね。バレたら誕生日プレゼント云々言ってたら簡単に騙せそうだし。
何やかんや体を動かしつつ、昼飯に向け腹を空かせようと努力しているとふと、昨日あんなに体動かしたのに良く動けるな。成長したのか?と思ったが別に激しく動いたわけでもないし、寧ろ殆どが動いていなかったので少し感じる全身の痛みは擦り傷のせいだな。何故、裁縫が出来るのか不思議だがカレスがいてくれて助かったぜ。まぁ、そのお陰で俺愛用の携帯裁縫セットを奪われたんだけどね。また、ぬいぐるみを作ってみたいな。
一人、裁縫セットと腹が空いてきたことを頭の中でぐるぐると考えていると見に覚えの無い華やかな布で隠された馬車の中から赤と黒、所々に金色の装飾が施された軍服を……片手に持ったカレスが出てきて焦げ茶色の膝まで覆えるトレンチコート様なものを羽織り、サングラスをかけたエルフィ……のような人物が現れた。記憶が正しければ兵隊さんって言うより、司令官って言った方が正しい格好なんだけど……。今すぐにでも葉巻吸ってそうな感じ。
「はっ、只今不肖ながらエルフィ三等兵が参上しにやってきまs……」
「突っ込みどころ多すぎるわっ!」
その格好で三等兵って一等兵は何?スッゴいラメが入りまくったキラキラした頭悪そうな眼鏡……なのか?を掛けているのか?まぁ、格好的に高身長かつ、でっかい胸のせいでどっかのAVの女優かと思わなくはないがまぁ、良いね。見せないエロスってあると思うの。
「ん、んっとあの、これで良いでしょうか陛下?」
「良い感じにエr……らぁんだかいがあったようだな。結構格好いいぞ?でも、サングラスは外せよな?流石に威圧的だし……後、陛下はやめろ。普通に名前で呼べよ?」
「んじゃぁあ……」
「フェル……君?」
狙ってなのか無意識なのか分からないがサングラスをとった状態で上目遣いで言ってくんじゃない!恥ずかしいじゃろ!しかも少し戸惑ってる感じがまた良いぃ!元の肌が黒いので異世界から召喚されたダークエルフが俺の上官なんだが。的、状態に落ちって良い感じです!
と、流石に無言のままだと可愛そうなので熱くなった顔を手で扇いで冷ましつつ、澄まし顔で感想を言う。
「お、おう。その呼び方でオッケーだ。寧ろウェルカムだ……ってのは嘘でそんな感じで周りと打ち解けていけよ?」
「は、はいっ!分かりましたふぇ、フェル君……」
「呼び方が君なのに敬語っておかしいだろ。ってことでも、もっと砕けたしゃべり方で良いぞ?」
「……う、うん。分かったよ……フェル君」
褐色肌のエルフィが顔を真っ赤に染め、モジモジとしている感じはそそられるものがある。ついに、俺にも春が来たかっ!?と、思ったのだが元を正せば俺なので余り……ね?ほら、男としての尊重とか威厳ってあるでしょ?
超絶かわいいエルフィを連れ、苛立たしく昼飯の準備をしているカレスを手伝うべく、皿の準備をかって出ようとしたのだが手を叩かれた。えっと、修羅場?
「まず、手を洗ってきてくれる?今日はパン系だし、腹壊しても知らないけど……因みにドールちゃんは川と一体化しそうになった関係で疲れてバテてるから無理そうかな?」
「ああ、了解。てか、パン系って何?パンっぽくてパンじゃない的な?」
カレスの発言を聞いて、待つか行くか悩んでるっぽいエルフィを先に行かせ聞いてみる。
この国伝統のパンってこと?歯が折れる堅焼きパン的な?それとも完全オリジナル、自作のパンなのかな。女子ってオシャンティーなイメージあるし、男は俺だけのって単語に反応するしね。わぁ、こうやって考えてみると男って単純なのね。
創作料理(仮)にワクワクしながら魔法で生み出した水で手を洗う。今更ながらエルフィもこれで洗ってやれば良かったなと思うが時既に遅しである。ショッピングモールの便所にある風圧で手を乾かすやつっぽいので手を乾かしながらやって来た。まだこの場にいる俺に疑問を覚えながらカレスの手伝いをする。すんませんね、魔法が使えるの忘れてただけなんすよ。
カレスからの返事が来ないことに見て確かめろ的な意味を感じたので黙ってルトが作ったと思われる椅子に座る。テーブルの上に引いているのはさっき、馬車の入り口を隠すのに使った布かと思ったが見て見ぬふりをする。ゲヘヘ、これの表面か裏面かがエルフィの着替え姿を凝視した布なんだぜ……?想像つかねぇだろ?
次々と並べられていく食器を眺めつつ、ハーレムとまではいかないが男が一人、女が多数の生活って男に居場所なくねぇかと思いながらふと、懐かしいジャンクフードの匂いを感じた。
「じゃーん、ルトちゃんお手製の釜戸で私の火を使って焼き、エルフィちゃんの風で温度を調節したパン系のものが完成したよー」
ドーンと、圧倒的存在感と空腹の腹の中を蹂躙するかのような香ばしいチーズの匂いがするパン系とは……ピザだったのだ!
んだ……んだぁ……ぁ……ぁ……。
「既に材料がチラッと見えたし、焼いてる最中の匂いで分かったけどさ……俺、ドール呼んでくるわ。馬車のなかだよな?」
見た目は子供、頭脳は大人みたいな名推理ってほどでもないし、別に驚かす目的で出したようでもないから呆気とした感想だったけど結構俺、ピザ好きだから嬉しいけどな?うん。