VIP待遇だな。俺は遠慮したいけど
予約投稿です。多分
流石にお祭り騒ぎな昼間でもガチャガチャと聞こえる音は分かるもので何な胸騒ぎをしながらドールに言う。
「……ドールちょっと隠れてくれ」
「え、何夜這いですか?」
何故隠れるが夜這いになるのかは理解できないし、まず昼間だし。
まぁ、流石に突然隠れてくれって言うのはかくれんぼの時位だしな。むしろかくれんぼでも言わないレベル。
取り敢えず、感じたことをそのまま伝えようとする前にコンコン、とドアをノックする音が聞こえた。
「ホルスナス・フェルンの部屋と確認がとれたのだが貴方に国家反逆罪、暴行罪などが問われている為ご同行願いたいのだが」
男としては少し高い、恐らく二十歳前後位の声がするのだが既にドールは親切な少年の手によって別途の隙間に押し込まれており、藤の本人である俺は三階もの高さのあるこの場所の窓から外を見ていた。
例え三階であろうと飛んで魔法を使ってしまえば余裕で逃げれるのだが……
「数ってものがあるだろうよ……たかが一人の為に出待ちしてくれてんのかそれとも全く違う人物待ってんのか知らないけどどっちにしろVIP待遇だな。俺は遠慮したいけど」
みっしりと間なくむさ苦しい全身鎧のおっさん(仮)が真下で待っている光景を眺めながら呟く。ご同行願うってかなんの罪か知らねぇんだけど。辛うじて暴行罪とかは迷子のアレがあるからわからなくもないけど……
どうやらこちらが居るのを知っているらしく、痺れを切らしたのかドン、ドンとノックの数十倍強い音が響いてくる。この時点で誰も来ない辺り生徒会どもも知ってることなんだろうと予測。俺が今まで築き上げた信頼と国家の権力、どっちが大切なの?って聞かれたら確実に国家の権力って言いそうだから何にも言えなくもないけど……この、薄情モンめっ!
遂に鍵が壊れ……あれ?そう言えば俺って鍵閉めたっけ?んまぁ気にすることでもないが壊された後、重圧感のある重々しい甲冑を身に纏ったおっさん(仮)が剣を向け、宣言するように言った。
「この行為事態も反逆行為とみなし、罪を重く……何故、外を見ているのだ?」
「空気の入れ換えですよ。ちょっと出掛けてたもんですから」
俺、防犯の意識は凄いんですよ?そう言う前に引っ捕らえられ、あっという間の連れ拐われていった。男に需要があんのか……あ、ソッチ系ね。
嫌じゃあああああッ!先にソッチを奪われるのは嫌じゃあッ!
心のなかで叫んでいるうちに移動が終わったらしく、手足に付けられた手錠?を擦りながら顔をあげる。せめて馬車使おうぜ?道中で「このおにーさんどうしておじさんたちに繋がれて歩いてるの?」「ジェ、ジェルローガン!?ダメよ、見ちゃ。あれはそう言うプレイなんだから」何だからって、見ちゃダメなのかよくわかんねぇよ。と言うか名前がジェルってるな。話ずれたけど馬車使わないと結構時間かかるだろって距離歩かされた上に「もっとキリキリ動け」とか、身動きとりずれぇ奴に言う言葉か?軽く、引きちぎってぶち殺そうかと思っちまったぜ。
顔を上げてみるとそこには学園とまた違った雰囲気の純白の城。違う点と言えばいかにも金がかかってそうな黄金の装飾や、絶対要らねぇだろっと思ってしまうような庭がゴロゴロ転がっていることぐらいだ。庭に転がるって表現使うの初めてだぞ。
と、言うより罪人(暫定)を王都の中心、王城に連れてきてなにやらされるんだろうな。……ギロチンは無いよな?一応聞くけど。
お、ひっるま( ・∇・)