召喚
「ラアァァ!!!」
私は叫びながら魔王の胸に刀を深々と突き刺した。
「グフッ、ハハハよくぞ私を殺したな人族の勇者よ。」
「私はやりたくてこんなことをしてる訳じゃない。」
「そう言うな、お前は魔王である私を殺したのだ。」
そう言って魔王は、いや先程まで魔王だったものは
「胸を張れ」と言った。
私は最近までは普通の人間だったんだ…なのに。
「おお、現れたぞ。勇者様だ。」
私が目を覚ますとそこには大勢の
神官のような服を着た人たちが
歓喜の声をあげていた。
「召喚に応じていただきありがとうございます。
まずは国王陛下にお会いしていただきます。」
そして神官付いていくとそこには王座があった。
そこには、赤い外套をきて、冠をした壮年の男性が
座っていた。
「おお、勇者達よ。この国を救ってくれ。」
いやいやいや、話が飛躍しすぎだろう!
それに勇者達って、あと何人かいるのか?
私が辺りを見回すとそこには三人の男女がいた。
つまり勇者は私達四人となるのか。
すると国王が、
「汝達には、魔王を倒してもらいたい。」
魔王なんているのか…
すると勇者の一人が
「あの、勇者ってここにいる四人のことですか?」
「ああ、そうだ。」
「汝達には勇者になってもらう。」
「勇者になってくれるか?」
すると
「えぇ、構いませんよ。」
「困ったときはお互い様です。」
「僕も構いません。」
私以外の勇者達は迷いなく言った。
私はそうはなれない。
「おお、そこのお主はどうだ?」
私は…
「国王陛下、私は勇者にはなりません。」