第2話
「お前、どうすんだよ。高校出たら」ぶっきらぼうに聞く礼。
「何よ急に。あんたこそ、どうすんのよ」切り返す、ゆう。
「あんたさあ、見ためよりは頭いいんだからさあ、大学とか行かないの」続ける。
「ほんと、ムカツクわ。お前。オレ行くから」
礼は自分の傍らに止めていた自分のバイクに
キーを差し込むとエンジンをかけた。
「あんたさあ、バイク禁止でしょー」
ゴーグルつきのヘルメットをかぶりながら
「関係ねーし」と一言いうと、エンジン音を
轟かせながら走り去ってしまった。「何よ、心配してやってんのにさ」とゆうは納得いかない様子だ。
「モトクロスの選手になんか本当になれると思ってんのかなあ。あいつ、、」
ゆうと別れた後、海岸沿いの道をバイクで飛ばす礼。
不意に胸ポケの携帯が震えた。
道端に止めて、着信を見た。ゆうだったら無視するつもりだった。
礼の母親からだった。
「何だよ。用件ならメールでよこせっつうの」
母親にかけなおす礼。すぐにつながる。
「何だよ、これから岩場で練習すんだから」半分キレ気味の礼。
「じ、仁ちゃんがね、、」そこから母親の声が震えている。
ただならぬ予感をかき消したい。
「仁がどうしたんだよっ」
「・・仁ちゃん、亡くなったって・・」消え入るような声。
「マジか・・」そこから、携帯を握った手はだらりと垂れた。
仁はゆうと同じく小さい頃からの幼馴染だ。
同じ幼稚園、小学校、中学校、高校とやってきた。