phase 2
「ただいま」
「お帰り、シャドー。人参売ってた?」
「なかったから代わりに大根で」
「常に私の期待を裏切るね君は」
自称、ハーラの嫁という少女、アヤノはシャドーに文句を言っていた。
「なかったんだ。仕方ないだろ?」
「だからって何で大根なの」
「気分」
「今日という今日はその腐りきった脳を叩きつける!」
「そんな狂った考えをするからハーラに振り向いて貰えなんだよアヤソン君」
「ワトソン君でしょそこは」
この、とても異様な会話は彼らにとってはとても普通なものであった。
「...で、冗談言いながらもタイミングを図ってるんだよな? アヤノ」
「なんだ、ばれてたの?」
「ここ最近、結界が弱くなってる。ってシルクが言ってた」
「ええ、何もなければ良いんだけど」
シャドーもアヤノも薄々気付いていた。このままでは類を見ない事件が起こると。
突然地面が揺れた。地震など、そういう次元のものではない。結界が歪んで異世界へ繋がってしまったのだ。近くにいたシャドーとアヤノは巻き込まれてしまった。
「くっ」
「そんな、まだハーラとイチャイチャしてないのに!」
「そんなこと言ってる場合じゃねえええ。うわああ!」
To be continued...