表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法と闇と絶望と  作者: 凛莉
最終章~騎士と王~
PR
61/70

第60話 探索開始



〈──では、転移陣、展開します。 転移開始します。

転移先:レクイレーチェ〉


レヴィンのその言葉で、僕達7人を囲んでいた魔法陣が輝き始める。

ぶっちゃけ昔作ったテレポートで飛んでもいいんだけど、あれ本当は結構魔力消費してるらしい。


流石に魔力が幾らあっても7人を一気に飛ばすのはキツいし、万が一の為に温存しとけと言われてしまった。

その為今回はレヴィンの長年溜めていた魔力を使って転移する事に。


でもさーあれだよね。レクイレーチェでは魔法使えないから魔力使わないよねって思うんだ。

まぁいいけどさ。


そんな事を考えている間に転移陣の輝きが薄くなる。

どうやら着いたようだ。


足元の魔法陣も消える。

僕は魔法陣の中心に居て、他の皆がそれを囲むように立っているので外が見えない。


ユズキ達が歩き出し出来た隙間から外を見る。

どうやらここは広場らしい。足元には石畳・・・の残骸がある。

周りを見てもぼろぼろの残骸しかない。お陰で遠くがよく見える。


そんな街並みを見てどこか懐かしく感じるが、僕の記憶には無いので恐らくリーディのものだろう。

運がいいのか悪いのか、ここはリーディが生まれ育った場所らしい。


「こんな酷かったんだ・・・緑地化どころか、残骸が残ったままだ・・」

ソーミィがぽつりと言葉を漏らした。


「また大分風化してるわねぇ・・・えぇと、滅んでから何千年経ったかしら?

いち、に・・・三千年くらいかしら?」

スピリーツは若干懐かしそうにしている。


「逆によくここまで残骸が残ったもんだよ」

星武は楽しそうに、無邪気に。それでも冷静にこの景色を楽しんでいる。


そういえばと僕は事前に言われていた通り、魔法を打って見ることにした。

少し皆から距離を置いて、水を打ち出そうとする。


魔力が集まっているのは確認できたが、そのまま散ってしまい、大気の中に溶け込んでしまう。

「んー、やっぱり魔法は駄目っぽいね」


もう一回やってみるが発動する気配が無い。

皆も試しているのか、体内の魔力が少し減るが、魔法は発動していない。


「うー・・やっぱり私、お荷物だよねぇ・・・?」

いつも爆発的火力な魔法を行使しているユズキは不安げだ。

ユズキに限らずこの場の全員が不安なんだけどね。


・・・おっと、復讐心に燃えている一人は除外しよう。


「そういえば皆は武器、大丈夫なの?」

ずるりとローブから剣を取り出す。スピリーツと僕を除く全員が一瞬驚いたがすぐにニヤニヤと怪しい表情を僕に向ける。


「大丈夫。私達も持ってきたよ」

「これで無いなんて言ったら、ここまで来た意味が無いじゃない」

アールとマーレはそれぞれ、苦笑いとため息を漏らしつつ服の中から武器を取り出した。


きょとんとスピリーツと僕は顔を見合わせる。

するとユズキ・ソーミィ・星武の三人も服の中からごそごそとそれぞれの武器を取り出した。


さっきまでのニヤニヤとした顔は僕を驚かすためだったらしい。

ぐぬぬ・・・。

スピリーツも僕をニヤニヤとした顔で見ながら自前の武器を取り出す。



ユズキはモーニングスター。棒の先に付いている鎖にぶら下がっているのは球体に無数の鋭いトゲがある。

振り回して僕らに当たったら一大事だ。重そうだし何故そんな武器を選んだのか問いたい。


マーレは槍。刃の部分が少し長めで、全部で大体2メートル程。投槍も2本持っていて、少しかさばりそうだ。


アールはメイスに盾。ユズキの武器のようにトゲは付いていないが所々鋭く角になっている部分に当たったら痛そうだ。

ユズキのあの武器と似たものだとは・・・。片手でも使いやすそうだ。盾もある程度の攻撃は防げるだろう。


ソーミィは片手剣と小さめの盾。剣は僕が持っているものよりも小さいが、僕のよりも刃の部分が厚く、叩き切るような感じだろうか。


星武は両手剣。至って普通の両手剣だがよく見ると手に持つところや鞘に細々とした美しい装飾がされている。

これは星武のセンスの良さが伺える。昔はもっと酷かったのだろうと妄想してにやにやと見つめると「やめろ!!」と叫んだ。


スピリーツの武器はロングボウとクロスボウ。矢も二種類500本ずつ持ってきているそうだ。

そこまで使うのかと言われると微妙だが、多いに超したことは無いだろう。


僕はいつも通りの剣で、レヴィンは索敵を中心に、敵情報確保を最優先にする。

魔法が使えない分、遠距離攻撃はスピリーツの弓に頼りきりになる。

槍もあるが、そこまで長くはないため遠距離というよりも中距離攻撃かな。


「まぁどこから出してきたかは聞かないけど、あの短時間でその武器使える?」


星武やスピリーツは大丈夫だと思うけど・・・特にユズキが怪しい。

そう思ってユズキを見ると、あからさまに目を逸らした。


「あは・・あははは・・・・」


「何とか味方には当たらない程度ね。精度や威力にはあまり期待しないで。

私達は言っちゃえばお荷物よ、雑魚処理出来ればそれで十分ね。魔法抜きじゃ私達だとあれに敵う気がしないわ」


マーレがそう言って来る。まぁ雑魚も大量に出るとは思うし、味方に当たらなければそれでも十分だろう。


「ユズキは威力は申し分無いんだけど・・・当たらないし危なっかしいのが怖いなぁ」

苦笑しながらアールが言って来る。他の3人も同じように笑っている。


「もー!何よぉ皆してえ!!」

顔が真っ赤になったユズキはモーニングスターを振り回す。トゲ付きの球体がぐるぐると回る。


「うわわっ!ちょっとユズキ、落ち着いて!ほら星武もお姉ちゃんも止めてよ!」

「うおおおお!すまん!ごめんなさい!!何で俺に向けるんだよ!!」


振り回したままズンズンと向かってくるユズキに怯えて逃げる星武。

あれは星武じゃなくても逃げたい。


「だって一番丈夫なんだもん!」

「痛てぇのは痛てぇんだよ!」

ブンブンと振り回した鉄の塊が星武に当たりそうで怖い。

するとちょうど星武とユズキの間にしゅっと何か細い物が割り込んできた。


「いい加減にしなさい!!」


マーレが槍を突っ込んだらしい。それを聞いて星武は安堵のため息を吐き、ユズキは振り回すのを止める。

「とりあえず散策しよう。いつ何が出てくるか分からないから、2人一組と3人一組かな?」

そうソーミィが軽くがまとめる。


「いや、僕は単独で行動しよう。サロで連絡は出来るよね?」

〈問題ありません〉

レヴィンは他のサロ達と確認を取っていたようだ。

他の皆も心配そうだが、信頼しているのか反対意見は無かった。


「目的を見つけたら僕かスピリーツに連絡して。雑魚は殲滅できるならお願い」


「はいはーい。サロちゃん連絡用番号ちょうだーい」

いつの間にかスピリーツは本を手に持っていて、準備は出来ている。


〈あ、私がまとめて渡しますので大丈夫です〉

スピリーツは本を開いてレヴィンに見せると、レヴィンは5つの赤い宝石の内、1つだけを本に向けて光らせる。

レーザーのようにそこだけ赤く光っているがちゃんとデータは送られているのだろう。

終わったのか光も止み、スピリーツも本を閉じてどこかに消す。


その間に組み分けで話し合っていた皆も纏まったのかそれぞれ離れていき、星武がこっちに向かってくる。

「ユズキとマーレ。アールとスピリーツ。俺とソーミィでいいかな?」

「まぁいいんじゃない?ただ心配なのはユズキとマーレかな」


「仕方ないわよ。私はユズキのお守りなんだから」

あぁ、納得。


「酷い!?雪矢君もそんな顔で見ないでー!!」

半分涙目で怒られても・・・。


「そいじゃ早速出発しよー。3時間くらいうろうろして何もなかったらもう一回ここで」

「了解」


「「それじゃ、しゅっぱ~つ!」」

アールとソーミィが息を合わせて拳を上に突き出す。

僕はにっと笑って、双子と同じように拳を上に上げて、


『おー!!』

そう言ってそれぞれ分かれていった。


ユズキ達は西、スピリーツ達は東、星武達は南。

「となると、北か」

〈頑張りましょう、マスター〉


心強い相棒と共に北へと走り出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ