第46話 運命-行動
目が覚めると、辺りはもう明るく、昼程になっていた。
「く・・・ふあぁ・・ よく寝た・・」
起き上がると、横には白い魔導書の金の十字架の中央に埋め込まれた青い珠がキラキラと光っていた。
ふわりと魔導書・・スピリーツが浮き上がり、僕の顔元まで浮き上がる。
〈マスター、起きた?〉
「スピリーツ、おはよう」
〈マスター、お早う御座います。昨日はご迷惑をお掛けし、申し訳ありません〉
「! レヴィン。大丈夫だった?」
レヴィンが再起動したって事はもうあれから丸1日経ってたのか!
「そんなに気にしないで」
〈あ・・ごめんなさい。私、活動開始時に、機械を一時的に使えなくするバグを出してるの〉
〈解析不可の為ですか。それならば仕方ありません〉
〈それにしてもあなた、レヴィン・・だっけ。凄く高性能なのね〉
〈マスターに造られたのですから〉
レヴィンは誇らしげに言う。
〈これからどうするの?〉
「うーん・・・ そうだ、スピリーツの仕返ししに行こう!」
〈あら、有り難いわね!〉
嬉しげにスピリーツは言う。
魔導書の時のスピリーツの声は、少し機械っぽい。
人間のときは本当そのまんまだから、ビックリだよね
「それで、仕返しするヒトの特徴は?」
〈そうね・・・顔は、覚えてないわね。 声は・・少女で・・『キヒヒ』と
不気味な笑い方をしてた・・・と思う〉
それってもしかして・・?
「僕も、声だけは聞いたことある。 少しユズキ達の所で聞いてみよう」
〈あら、お友達?〉
〈本当に短い間でしたが、同じ職場の方であり、マスターの昔からのご友人です〉
うーん・・今本部(地球)にいるかな?
・・・どうやって行こう 普通に行ったら捕まる・・捕まる?
そっか、そうすればいいのか!
よし、早速やろう!
「よーし・・ あ、レヴィン。今回は変装しなくても大丈夫だから」
〈・・? マスターがそう仰るのであれば・・・〉
〈えっ、あっ!ち、ちょっとマスター!貴方犯罪者になってるじゃない!?大丈夫なの?!〉
スピリーツも今調べたのだろう。慌てた声をしている。
「良い事思いついたからね」
〈〈はぁ・・・〉〉
よーし、それじゃあ行くぞー!
僕は灰色の魔方陣を展開させ、転移した。
久々・・・かな?の故郷、地球へと!
*
~ユズキSide~
「ふぅー・・・・・」
伸びながら長いため息を吐く。
「ユズキ、どうしたの?そんな長いため息吐いちゃって」
「あ、マーレちゃん。 実は、ゼリスクが攻撃された時の犯人が分かったんだけど・・・」
隣の部屋で作業をしていたマーレちゃんが私の部屋へと入ってくる。
「それがねぇ・・・って、さっきから外が騒がしい!何なの!?」
「そういえばそうね・・・何かしら」
眩しかったから閉めていたカーテンを開き、窓を開ける。
「なんだろ?凄い人だかりが出来ててよく見えないなぁ」
「私達も行ってみる?」
「いやぁ・・・こういう時には中に居た方がいいよー」
「面倒くさいんでしょ」
「うっ」
ばれちゃった・・・
ちょっと疲れてるんだよねぇ・・
やっとひと段落したから少し休ませて・・・
「うううー」
「ふぅーん?・・・あっ!?アレもしかしてっ!!」
「え?」
ずっと外を見てたマーレちゃんが声を上げるので、私も外を見てみた。
「雪矢君?」
「・・・まさか、捕まってるの? いや・・そんなヘマしないわね・・
でもあれは・・・」
確かに人だかりの中央に、取り押さえられている雪矢君が見えた。
「! 気付いた・・!?」
雪矢君は今確かにこちらを向いて、笑った。
その後すぐに人で囲まれて見えなくなっちゃったけど・・・
「今、こっち見て笑ったわよね?」
「う、うん」
「・・何か策でもあるんでしょ。アイツがそんな捕まるようなヘマはしないわ」
マーレちゃんはにっこり笑って、窓から離れる。
マーレちゃんが机の上に紅茶の入ったカップを二つ持って、テーブルの上に置く。
「さ、これでも飲みながら仕事しましょ。 それで、さっきの話、聞かせて?
星武達にも知らせないと」
「それもそっか、えっと・・まずは容姿から・・・・
そうだよね、雪矢君強いし本当に捕まえられてるならもう逃げてるもんね。
さーてっと、もうひと頑張り、かな?
私はマーレちゃんの向かい側に座り、紅茶に口を付けた。
そろそろ最終章突入、かな・・・だといいな・・・・・。




