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魔法と闇と絶望と  作者: 凛莉
第三章 ~騎士と本~
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第40話 ルナティア 後編 その2

総合PV1万突破ありがとうございます!

これからも宜しくお願いします。


「・・・記憶を?」

「あぁ。名前・・それと弟のユキの事しか覚えていない。金は多少持っているが、他は何も

気が付いたら川の浅瀬に寝ていたのだ・・・」


「そ、それって大変な事じゃないですか!そ・・そういえば弟さんもですか・・?!」

「ああ」

アンサが頷く。


凄く姿勢良く堂々として出された飲み物を飲む記憶喪失なんて中々いないよね。

でもエアリはおろおろと本当に心配している。

優しい子だなぁ


「だから世界のことも殆ど知らないんだ」

「そ、そうですね・・ お金は持ってるって言ってましたよね。生活に必要な物を説明します!

あ、後お金しかないなら身分証も必要ですね・・あっ、それはギルドがやってくれるから・・」


エアリは席を立ってわたわたと忙しそうにうろうろとしている。


「と、とりあえず生活に必要な物の説明ですね! 私のは形ばかりですが・・」


付いて来て下さいとエアリは店の方へと戻って行く。


あの時はお店を殆ど見れなかったけど、隅々まで掃除されていて綺麗だ。

品物は独特な物が沢山ある場所と、独特ながら、少し不恰好な物が沢山置いてある場所があった。


「うぅん・・どれから説明したらいいかなぁ」

エアリは不恰好な品物が置かれている場所で悩んでいる。

どうやらこの辺の物がこの世界でよく使われている道具のようだ。


「あ、まず此れにしましょう」

そう言って手に取ったのは、何やら手のひらサイズの怪しげな赤い箱状の物。

真ん中には魔方陣のようなものが掘られていて、魔方陣の中央には火のようなマークが付いている。

しかし綺麗な箱状ではなく、どこか歪んでいて、見た目も悪い。



「これは火の結晶石です。火の力が込められていて、ある言葉を唱えると火が出てくるんです。

日常では此れを良く使います。

でも、王族様達が入浴に使う・・石鹸?と同じでじょじょに小さくなるんです。

それに伴って火の力も弱くなるので月に1,2回は取り替えるんですよー」


これは面白い。この世界ではこんな物があるのかぁ・・・


「ふむ、ではこの青いのは水が出るのか?」

「あ、そうです。でもとても貴重な水の結晶石なので、普通はこの位のサイズなんですよ。

私のはこの位にしても殆ど水出ないんですけどね」

通常はこの位のサイズなんですよーとエアリは手のひらの半分位の大きさ


「火と水でそんなに違いが?」

あ、それ僕も気になってた。アンサも同じ事考えてたんだね



「いい所に気が付きましたね。 最近水の結晶を出す魔物が減っているんです。

噂ではギルドが秘密裏に回収しているとか、王国が買い占めているとか言われてますが・・」

「違うと?」


きょろきょろと周りを見渡してから、アンサに近づきぼそっと言った。

「私見たんですよ。盗賊が夜、色んな所からコッソリ盗んでいるの」

「・・・・・盗賊か」

アンサが眉を顰めた。


「はい。 あ、このお人形カワイイでしょう?」

僕がある人形を見つめているとエアリが話しかけてきた。


「これ、捨てられていたのを拾って手直ししたんです。こんなに可愛いのに捨てるなんて・・」

金色の長い髪、青い目、淡いオレンジ色のワンピース。


何かあの人形を見ていると何だか懐かしく思える・・・・

何度も見たような気がするけど、気のせいかな?

「手先器用なんだね」


「そうですか? 私、お裁縫だけは得意なんですよ」

ふふんとエアリが自慢げに話す。










突然店のドアが開く


誰かが蹴飛ばして開けたのだろう。音が煩かった。





ドアのある後ろを振り返ると、男がニヤニヤしながらこちらを見ていた──

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