第23話 訓練とは 後編
~アンサSide~
望月雪矢、私は彼の事がいまいち良く分からない
度々吐血しても尚、こうして生きている
そして不思議なのは・・彼の言動だ
度々「規格外」「人間じゃない」そう言っている
だが今、これだけは言える
恐ろしい という事
「本番だよ 覚悟してね・・・」
彼はそういって不気味な笑いを浮かべた
何故覚悟するのか?
そんな事も、もう考えられそうに無い
「くっ!!」
「アンサ=ナイアント 氷を扱う時は強度に気をつけて しかし攻撃力はいい物だよ」
「ぐっ!」
彼の剣は一発一発が重い そして正確に弱点、利点を言う
アイスダガーの氷はひび割れて散ってしまった
「ダイヤモンド・ダスト!」
私は目晦まし用の魔法を散らし、一旦引き下がる事にした
~Side-out~
「ダイヤモンド・ダスト!」
アンサはとても細かい氷を作り、風に乗せてここら辺一帯を見えなくした
ただの目晦まし
「今日は、見逃してあげるね」
一旦引き下がる方法は良い
だが火属性を忘れない方が良い
相性が悪い、それに微かだが隙間が有り、そこから姿が確認できる
「ムーンサファイア!」
「霧島ユズキ、40点 甘い、遅い そして何より・・不安定だよ しかし中々面白い魔法だ」
三日月状の水の刃で斬ろうとしていたのだろう
しかしまだ水が纏まり切っていないために、不安定だ
「ハイッ!」
「アラースト!」
桃色の網を飛ばして、動きを封じようとしているのは、補助型トラート=ヒルーリア
そのまま桃色の鈍く光る網は僕の真上で止まり、直ぐ覆いかぶさった
普通は中々抜け出せないから、そのまま解除魔法でちびちび解くか、諦めるか
「僕はその二択に当てはまらない」
僕の答えは、直ぐ破壊する
「はっ!」
「な・・!アラーストが・・・!」
「トラート=ヒルーリア、アラーストの捕縛速度、強度が足りない 基本は出来ている」
「はい!!」
「ファイアランス・・シャーリング!!」
火の槍の形をした砲撃が此方へ向かってくる 撃ったのはスペルヴ=リンキエー
「遅い、ひ弱、風に負けてる、射的距離を上げる事 槍状にしたのは良い」
そして僕は水属性で迎え撃つ
「アクアランスシャーリング」
違うところは火の槍ではなく水の槍 威力も大体同じくらい
だけど、ファイアランスシャーリングは絶対に勝てない
答えは簡単、水と火、どちらが勝つか?
答えは水 ファイアランスシャーリングを打ち破り、そのままスペルヴに直撃する
「ぐっ!」
「1人目、アウト 訓練室外の窓から模擬戦を見るように」
僕がそう言うとスペルヴは消えた 強制転送されたのだ
「皆下がって! プラズマレイン・・アロー!!」
僕の居る周りの上から、矢の形をした雷、稲妻が雨のように降ってきた
「アクア!」
僕は上に半円の水のバリアを作った
今のは広域魔法、つまり エン・ヴァイアン
「攻撃力が低い、弾数が少ない・・しかしスピードは中々」
「はい!」
「行け!シレナ!」
様々な武器を持った水の人魚達が囲むよう此方に向かって泳いでいるように来る
「スピーシィ!」
僕の周りに何かを植える
一番先頭の、水の剣を持った人魚がすぐ側まで来た
人魚から垂れた一滴の水
凄い勢いで芽が出て、大木になった
人魚はそのまま大木の枝に絡まり動けなくなり、水が枝に吸収されて消えていった
「!!」
人魚達が気が付いたときはもう、アウトだ
そのまま全員の人魚が大木に捕まり、消えていった
「マーレ=ミゼ・シレナ 弓矢を持たせると良い」
「くっ!」
そのまま大木達は消えていった
「私達を忘れない・・でっ!!」
「ソーミィ・ミラトゥネ 接近型 使用武器、剣 使用魔法、ライトニングソルジャー」
雷の兵 接近が得意なソーミィにはピッタリでしょう
剣やバリア服に雷属性を纏わせるとは・・考えましたね
「ファインフルール!」
・・? 動きが鈍く、相手は速くなった?
「あぁ、アール・ミラトゥネ 支援型 使用武器 杖 その風魔法は敵に対して遅くし、味方は逆」
「流石リーディ・・いえ、雪矢かしら?」
「しかし2人とも、防御、警戒面が薄いです 周りをもっと良く見ましょう」
「「な・・あぁっ!!」」
「ソードレイン!」
2人の後ろから、剣の雨が降ってきた
「3人目、アウト 強制転送」
「アイスダガー!」
「アンサ、さっきよりも良くなっている 弱点を少し、攻略した様ですね」
「雪矢、貴方は強い、恐ろしい程にっ!!」
他の人達が迂闊に攻撃できないような接近戦をしている
無闇に攻撃したら、アンサを撃ってしまうからだ
「だが同時に・・私の尊敬するべき人にもなったっ!!」
「・・?」
「だから私はっ! 貴方に剣を・・全てを教えてもらいたいっ!!」
「目や言葉でよく分かった、今日から君は僕の教え子だよ」
そして僕は止めの一発を入れる
「くっ!」
「4人目、アウト」
だけど強制転送される間際、アンサの顔はとても良い物だった
「皆っ、行くよ!」
『ハイ!』
「ウォール!」
「ライトニング!」
「ファイア!」
「サンダァァ・・」
「「「「キャノオォォォォン!!!」」」」
水・雷・火、三属性の協力砲撃魔法
スピードはまだだ
「ファインフルール!!」
「!」
トラートか!
速いっ!
もう三色の光は僕の目の前まで来ていた
「ソーレオバリアァッ」
僕は土色の厚いバリアを張った
バゴオォォン・・
物凄い音がした
「・・やった?」
「か・・な?」
気を抜くのはまだ、早いですよ
「アクア!!」
テニスボール位の大きさの水の弾を100個生成し、5人の所に撃つ
「固まったら命取りです」
ズゥゥゥン・・・
そんな音がした
「全員、アウト この模擬戦、訓練は僕の勝ち」
そう言って訓練室からで───────れないんだ、僕 一級犯罪者だし
「・・やったと思ってたのに」
「さっきの、木は?」
「僕の周りに植えていたんですよ 水に少し触れるだけで急成長、水属性にとっては天敵」
「師よ、アイスダガーを効率良くするには・・」
「それは覆うようにする、じゃダメ 刃を護るように、そう考えると少しは良いよ」
「「不意打ちはんたーい」」
そう愚痴るのはミラトゥネ姉妹
「気配を感じられなかった方が悪い 任務じゃそういうこともあるかもしれないし」
「あぁもう、雪矢君でいいんじゃないかな!?教官!!」
「・・私もそう思えてきたわ」
「にしても的確な判断・・凄いです!」
「トラーイア、君は頭が良いからすぐ判断力が身につくよ」
「属性相性をしっかりしなきゃ・・」
「火には水、ならば火魔法に、土、木とかの相性悪い属性をバリアとして覆っておくと良いかな」
『ほぉー・・』
「いや、教官達は知ってて欲しいな」
ふと窓を見ると、日が暮れて暗くなっていた
「そろそろアレだから、僕はもう行くね」
「・・うん」
「また、来てね」
「勿論、また来るよ 教え子の為にも・・ね」
「・・師よ、待ってます」
少し顔を赤くしながら答えるアンサ
「それじゃあ 瞬間移動」
そして僕はゼリスクから無人惑星へと移動した
戦闘描写は苦手です。
雪矢「得にこういうのって苦手だよね」
えぇ・・それはもう・・・酷かったと・・
魔法名考えるのって難しい!!
いつも隣にぐーぐる翻訳・・
主にラテン語とかで「こんな風に聞こえた」っていう感じで名前付けてます
ザ・適当




