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魔法と闇と絶望と  作者: 凛莉
第二章 ~崩れ~
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第20話 消えたモノ

ここは、暗いな


いつになったら出られるだろうか


そう考えていたからなのかな?


一筋の光が、この世界に降りて来たんだ


この時の僕は、希望と思っていたけれど


未来の僕は、絶望と感じたなんて

今は知る由も無かった


だから僕は必死に、光に手を伸ばした


そして・・


光が触れた途端、世界が180°変わった

黒かった世界が、白くなった


だけどそれも一瞬、どんどん色が灰色になり、また同じ黒い世界になった




その世界にはもう誰も居なくなっていたけど・・



† † † † †







今日は1人で雪矢君のお見舞いなの

早く目が覚めないかなぁ


そしていっぱい皆とお喋りして、仲良くなって、一緒にいろんなことをしたいな



「失礼します」

「は~い、ユズキちゃん、お見舞いかしらぁ~?」

「はい」


そして私は雪矢君の寝ているベットに行き、そこにあった椅子に腰掛ける


「まだ、起きないの?」

そう寝ている少年に問いかける

だけど、反応はない


「ふぁ・・眠くなっちゃった・・」

頭をベットの脇に置くようにして、私はそのまま眠りに着いた







「う・・・・うぅっ・・」

〈マスター・・・〉

目を開けたとき、最初に聞いたのは誰かのうなされるような声と、心配そうなレヴィンの声

最初に見たのは、苦しそうにして寝ている雪矢君だった


「雪矢君!?」

「う・・うあああああああっ!!!」


雪矢君はそのまま上半身を起こし、頭を抱えて叫んでいた


「嫌だ、誰か助けて、助けて、助けて、助けて、助けて、助けて助けて助けて助けて助けてっ!!!」

涙を流し、その体からは物凄い量の魔力が溢れていた


「雪矢君!!ねぇ、どうしたの!? 雪矢君!!」

雪矢君の白い髪が、どんどん灰色に変わっていく

全てを諦めたように、虚しさを感じさせられる灰色の髪


金色だった目も、血のように赤黒く染まっていく


「触るな・・触るなあああああああああああああぁぁっ!!!!!」


『ユズキちゃん、聞こえる!?』

「ウルス管理長!ゆ、雪矢君が!!」

『レヴィンの言う通り、無人惑星に転移させるから、急いでモニタールームに来て!』

雪矢君から離れたくないけど・・


「はい!!」

私はウルス管理長の元へ走った


去り際、一際大きい声で叫んだ声が聞こえた








「ウルス管理長、雪矢君は・・!?」

そこにはウルス管理長の他、イズリ秘書が居た


「何て事なの・・!?」

「そんな・・」

一つの大きなモニターに映し出された映像を見て、私は涙を流していました


そこに映っていたものは・・・


† † † † †



とある無人世界・・()が1人も住んでいない世界

そこには、狂ったように笑っている少年が居た

その少年は、諦めるような灰色の髪と、血のように赤黒い目を持ち


背中に2枚の3m程の闇の様に黒い翼があった


「ふふっ、はははははっ あははははははははは!!!」

独りで居る事が出来ないから、僕は周りのモノを壊す、殺す


それがとても楽しくてしょうがない


「あはははははははは!! これが本当の闇だ!!あはははは!!」

少年の足元に真っ黒で、闇のような魔方陣が現われた


「消えてしまえ!ここの全てを絶望で覆い尽くせ!!それが僕の孤独への道のりの第一歩だ!」

少年が手を上げると、空がどんどん暗く、黒くなっていった


夜が来たのではなく、少年が闇を作り出したのだ


そしてその闇から、赤ん坊の頭程のある黒い腕が、地上へと伸びてきた


「消えろ、消えろ、消えろっ!あははははっ!!」

黒い腕は、地面に触れた途端ドロドロと溶けて周りに広がって行き

触れたものは消えていった

だからその穴に落ちたら最後、永遠に落ちていく異空間になっている


黒い腕に触れたらその箇所が消える、これは人でも同じだ 例外は無い


全てのモノが闇に染まるように、絶望に染まるように、使用者が永遠に孤独になるように

創られた、魔法




そして3分もしない内に、その惑星は、少年が作り出した闇に覆われた闇の惑星になってしまった


「あははっ、絶望に染まる所は何度見ても楽しいな、僕が孤独になっていく所を見るのも・・・」

少年は最後にそう言い、その惑星を去った


それと同時に、その惑星は跡形も無く、消えた








「・・・ここは何処だ?」

僕が目を覚ますとそこはベッドでは無く、空があった


〈Aeternam solitudinem《永遠の孤独》暴走後、無人惑星を一つ壊しました〉

「そう・・・」


〈マスター・・私はこの身が朽ちるまで、マスターと共に居ます〉

「ありがとう・・レヴィン ・・そろそろ危ない、どこか害の無いところへ・・・」


〈・・・畏まりました〉






† † † † †






雪矢君の足取りが掴めないまま、10年が過ぎた


時折映像に映るのは、闇に染まっていく惑星


今のところ、人の被害はゼロなんだけど・・・


10年前、映像で見た雪矢君は、とても楽しそうで、嬉しそうで、どこか寂しそうだったの

その顔を見ていると、とても悲しくなってくる




「もう、10年経つよ・・」


私達は、高校卒業後、ゼリスクで過ごすようになったの


「マーレちゃん、おはよう」

「冴えない顔して・・雪矢の事、考えているんでしょう?」

「あはは・・・」


10年前の事、アールちゃんやマーレちゃん達には、2時間後、映像を見せたの

皆、泣いたり、悔やんでたりしてた

「何で気づいてあげれなかったんだ」・・って


今でも時折思い出す、雪矢君の事


「ユズキちゃん、マーレちゃんおはよう」

向こうから歩いてきたのは星武君だった


「おはようございます、星武副管理長」

「敬語とかは公の場以外ではいいよ、俺だって息が詰まっちゃうよ」

そう言って私の頭をぽんぽん、とする星武君


星武君は3年前、ウルス管理長から推薦されて、副管理長になったんだよ


私やマーレちゃんは若手の指導・・教官かな?


「むぅ、いい加減呼び捨てで呼びなさいよ!!」

「ハハ・・あ、皆もう訓練室に集まってたよ」


そう言って星武君は通り過ぎていったの


星武君、10年前は何だか視線とかが嫌だったんだけど・・

3年前から大分変わって、皆のいいお兄さん、って感じ


「ほらユズキ教官?教え子を待たせるなんて教官失格ですよ?」

「むぅ、マーレ教官待ってよ!!」


訓練の時は、教官って付けて呼んでるんだ

・・自然とこうなってるだけなんだけどね



「ほら、早く行きますよ?」

「ごめん、桜が綺麗でね」



望月雪矢 彼がここにいた、活躍したという証拠は、上が全て消した




「お待たせ、さぁ始めますよ!」

『ハイ!!』






君は今何処で、何をしているのですか?

急・展・開。


時が流れるのって早いね←


ちまちまやっててもアレかなーって思いまして

一気に10年飛ばせばいいじゃん、丁度(?)19だし☆

っていう・・・


大人と子供の区別が・・っ!!


星武は雪矢君を見て「ハーレムは諦めて、いい人になろう」っていう

根はお兄さん体質だと思います。

救われた人です あのままだったら消されてましたからね!!


星武「なんだか寒気が・・・」


それでは!

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